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セックスが痛い! 性交痛の理由や解決法を産婦人科医に聞いた

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セックスが痛いと感じる状態を性交痛といいます。セックスが痛いと感じたときは、どうすればいいのでしょうか。セックスが好きだったり、パートナーと楽しみたいと考えていたりする場合、セックスの時間がしんどくなり、心身共につらくなってしまいます。セックスで痛いと感じる理由や解決策を産婦人科医に聞きました。

 セックスが痛い! 性交痛の理由や解決法を産婦人科医に聞いた

セックスのとき「痛い」と感じたことはありますか? 

大好きな人とのセックスは、体も心も幸せに包まれるかけがえのない時間でもあり、心を許した相手と快感を共有する楽しい時間でもあります。

あるいは、自分自身はセックスには積極的な関心はないけれども、パートナーが幸福感にひたってくれる時間、という風に考えている人もいるかもしれません。

セックスを大切な時間のひとつであると考えている人たちにとって、セックス中に痛みを感じることは困りごととなるでしょう。

セックスを通じてパートナーとの人間関係をより良いものにしたいと考えている場合、セックスに伴う痛みは大きな障害と感じられるかもしれません。セックス中に痛いと感じることで、「セックスが怖い」と思ってしまうこともあるでしょう。

こうした感情が原因で、自分とのセックスを求める相手に応えることができなければ、結果として自分自身を責めてしまうことも想像されます。そうなれば、セックスによる体の痛みだけでなく、心苦しさまで抱え込むことになりかねません。

そこで今回は、セックスで痛いと感じる理由はなぜなのか、理由別にどのような解決策があるのか、医師の山中智哉先生に話を聞きました。

セックスが痛いと感じる女性の声

セックスが痛いと感じる理由を医師に解説してもらう前に、セックスが痛いと感じる女性のエピソードを見てみましょう。

「セックスのとき、挿入のとき、その後動かれるときも、ずっと膣にひりひりした痛みを感じます。婦人科で相談したところ、問題はなく治療方法はないと言われました。痛い記憶が蘇ってしまい、この頃はなるべくセックスをしないでおきたいとすら思います。でもそれではセックスをしたいと思っているパートナーに申し訳ないので、たまに痛みを我慢してセックスをしています」

「以前より濡れにくくなった気がします。前戯をしてもらって、足りないときはローションも使ってセックスしますが、多少痛いなと感じることもあります。そんなときはセックスの後うっすら出血しています」

「生理前だけ、セックスの時、奥が痛く感じます。奥まで挿入すると痛みはさらに大きくなりました。生理前じゃなければ、セックスで痛いと感じることはないですが、あまりに痛いときはいったんやめてもらっています。パートナーが不完全燃焼で、気にしなくていいよと言ってはくれますが、できれば自分とのセックスで満足してほしいと考えてしまいます」



痛いと感じた経験から、セックスに対して消極的な気持ちになってしまうこと、一方でパートナーの期待に応えたいと歯がゆく思ったり、パートナーの気持ちを満たせていないことで自分を責めたりするケースが見られました。また、簡単に解決方法へたどり着けない現状も見えてきます。

セックスが痛い……医師の見解は?

ここからは、女性のセックスの痛みについて、その考えられる原因や対処法を婦人科医の山中智哉さんに伺います。

セックスの挿入中の痛みだけでなく、オーラルセックスなどの前戯を含めた痛みを性交痛といいます。痛みの理由は、病気や、体の形(構造的特徴)が原因となっているものと、心理的な理由によるものの、大きくふたつに分類できます。

前者は治療により、セックスに伴う痛みをなくすことも可能です。後者は自分の考え方について掘り下げて理解することで、セックス中の痛みが解消するかもしれません。

そもそも、セックスのときに痛いというのは、体の状態がセックスに適していないということが考えられます。その理由がどこにあるのかをまずは突き止め、その原因を取り除くことができれば、セックスの痛みは減少または解消すると考えられるわけです

セックスが痛いときに考えられる9の理由

セックス時に「痛い」と感じる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

まずはセックスのとき、「いつ痛いのか(セックスしていないときも常に痛いのか、触られると痛いのか、挿入されると痛いのか)」、「どこが痛いのか(膣が痛い、下腹部が痛い)」、「どのように痛いのか(ヒリヒリする、ズキズキする)」、また「誰とセックスすると痛いのか(過去のパートナーは痛くなかったが今のパートナーは痛い)」といった自分の状態について、自分自身で整理、把握することが、解決への第一歩です。

【セックスが痛い理由1】炎症や感染症で女性器に傷や湿疹ができている

炎症や感染症により、外陰部や膣に細かな傷や湿疹ができている場合、セックスをするとはヒリヒリしたような痛みを感じます。患部は刺激により痛みを感じる状態になっているので、指や舌による刺激、性器などを挿入すると痛いと感じる状態です。

性器ヘルペスや尿道の炎症、カンジダ、その他の性感染症が原因となっていることも。検査と治療により症状が改善することがあります。

【セックスが痛い理由2】子宮内膜症や卵巣腫瘍の疑い、あるいは腸の痛みがある

【セックスが痛い理由2】子宮内膜症や卵巣腫瘍の疑い、あるいは腸の痛みがある

セックス時の痛みが膣の奥の方や下腹部にある場合は、骨盤内で炎症が起こっている可能性や、子宮内膜症などで骨盤内の臓器に癒着をきたしている可能性、卵巣腫瘍がある可能性などが考えられます。セックスの際の衝撃で痛いと感じる場合も、こういった可能性があるといえます。

これらの病気は悪化すると、妊娠や日常生活に支障をきたし、解決には手術を必要とすることもあります。セックス中に痛みを感じる場所が膣ではなく奥の方である場合は、早めに医療機関へ相談する方が良いでしょう。

この他にも、便やガスがたまった状態で腸が刺激されることにより、痛みが引き起こされる場合もあります。セックス前の食事量を控えめにすることで、痛みが軽減する場合もあります。なかなか解決しない場合は上記と同じく、医療機関に相談するのが良いでしょう。

【セックスが痛い理由3】外陰部や膣粘膜が萎縮している

外陰部や膣粘膜の萎縮により、女性器に柔軟性が不足して刺激や挿入に痛みを感じる場合もあります。高齢の女性に見られやすい症状ですが、年齢を問わず同様の症状が出る場合もあります。

婦人科で診察してもらうと、萎縮性膣炎や老人性膣炎といった診断をされることも。

この症状に対しては、エストロゲンの膣座薬を処方してもらうこともできます。この方法は「ホルモン補充療法」という治療法に分類されます。

膣の中に錠剤を入れることにより、エストロゲンが直接膣粘膜に作用します。即効性はありませんが、継続して使用することで、膣粘膜の正常化が促されます。継続的に使用する際、膣座薬は自分で入れる必要があります。

局所的ではなく、全身的にホルモンを補充する必要があると医師が判断した場合、飲み薬やパッチ(貼り薬)の処方も考えられるでしょう。

ホルモンの低下により膣粘膜からの分泌液が減ると、それに伴い膣内の抗菌作用も減少します。その結果として、おりものが増えたり、においがきつくなったりすることもあります。こうした症状は閉経後にもよく見られる症状です。

女性ホルモンの減少が原因となる症状には、こういったホルモン補充療法が非常に効果的です。

【セックスが痛い理由4】コンドームの素材が体に合わない(ラテックスアレルギーなど)

【セックスが痛い理由4】コンドームの素材が体に合わない(ラテックスアレルギーなど)

ラテックスアレルギーは、天然ゴム製品に接触することによって、アレルギー症状が引き起こされる症状です。このアレルギーを持っている人は、ラテックスの製品によりじんましんやアナフィラキシーショック、ぜん息発作などのアレルギー反応が現れます。

多くの場合、コンドームは天然ゴムで作られているため、ラテックスアレルギーのある人が自分に合わないコンドームを使ってセックスをすると、痛みが生じてしまうことがあります。

アレルギー検査は、特定の素材に対するアレルギーの有無を確認する指標になり、原因となる物質を避けることが大切です。

コンドームが原因と考えられる外陰部の発赤や痛みの症状が現れた場合は、ラテックスフリーのコンドームに変えることで、アレルギー反応を回避することができます。

【セックスが痛い理由5】処女膜強靭症、処女膜の残存がある

処女膜は膣の入り口付近に存在する襞(ひだ)で、膣の開口部を狭めるように存在しています。処女膜は膣を塞いでいるわけではないので、タンポンの使用や経血やおりものの排出に支障はありません。セックスにより襞が消滅し、以後は気にならなくなることが一般的です。

ところが、処女膜が厚かったり硬かったりすると、膣の入り口がとても狭く伸びにくい状態になり、セックスの挿入時に痛みを感じてしまいます。

また、セックスの経験があっても、処女膜の一部が残っていることがあり、これもセックスの挿入の際に痛みを引き起こす原因となります。

婦人科の診察では、処女膜強靭症も性交痛の原因のひとつとして確認しますが、性交渉の経験がない女性の診察では、内診やエコー検査によって、痛みや出血を引き起こさないよう細心の注意を払っています。

処女膜強靭症の治療は、局所麻酔をした上で、膜の切開などの処置を行ないます。

【セックスが痛い理由6】小陰唇が大きいなど、セックス時の挿入に物理的に支障になるものがある

処女膜と同じく、体の構造的にセックスで痛みを伴う場合が他にもあります。

例えば、小陰唇の大きさには個人差があり、その大きさや形状によって、セックスで痛いと感じたり、違和感が引き起こされたりすることがあります。

他人と比較しにくい部分で、審美的に気にされる方もいらっしゃいますが、美容外科などでは外陰形成術といった治療も行われています。

【セックスが痛い理由7】セックスをする相手と、性器の大きさが合わない

膣の大きさや深さには個人差がありますが、伸縮性があるため、ペニスが大きく見えるからといってセックスの挿入の際、必ずしも痛みがあるとは限りません。

そうはいっても、膣の大きさとペニスの大きさにあまりにもギャップがあれば、やはり痛いと感じる原因となります。外科的な治療方法がないわけではありませんが、まずはパートナーとの間で、痛みの少ない方法を考えることが大切かと思います。

【セックスが痛い理由8】膣内の分泌物(いわゆる愛液)が不足している

性的に興奮したときに膣内で分泌される膣分泌液は、実は平常時も一定量が分泌されています。セックスの際に女性が「濡れる」と表現するとき、膣を潤しているのはこの膣分泌液とそれ以外の分泌液が混じり合ったものです。

この分泌液は「愛液」とも呼ばれ、ペニスの腟内への挿入をスムーズにしますが、ホルモンバランスが乱れていたり、性的な興奮状態がない場合には十分な量が分泌されず、結果としてセックスの際に痛いと感じることになります。

パートナーとの間の愛情や信頼感が大切であるとともに、周りの環境なども心の状態に影響を与えます。

【セックスが痛い理由9】セックスに抵抗感がある

性やセックスに対する理解や許容は、年齢や社会経験、生まれ育った環境などによって、人それぞれ異なります。

パートナーとの間で、その違いを理解し、もしどちらかに抵抗感があるようであれば、それも含めて相手のことを考えることが、本当の理解だと思います。

その抵抗感によって、セックスのときに痛いと感じる場合は、決して無理をする必要はありません。双方の関係が十分に温まるまで、ゆっくりと時間がかけていいと思います。

セックスが痛いと感じる人がしがち・考えがちなこと

パートナーとのセックスに痛みを感じることで、相手の要望を満たせない自分に落胆したり、自分はパートナーにふさわしくない存在だと考えたりすることがあるかもしれません。

けれど、そう考えてしまうことは、そこに相手に対する愛情があるからではないでしょうか。セックスは愛情の表現のひとつではありますが、それがすべてではありません。

医療的な介入が、その解決の一助になることもありますが、人間同士の心の奥底には医療者には手が届かない部分もあります。

女性に限らず男性もセックスがうまくいかなかったということが、悩みとなることはあります。

そうなったとき、ほとんどの女性は「相手に愛情がないから、うまくいかなかったのだ」などとは思わないのではないでしょうか。だから、女性の側に何か原因があったとしても、否定的な気持ちを自分に向ける必要はないと思います。

セックスが痛いと感じたら。痛みと向き合い、考えることで解決に近づける

セックスが愛情表現のひとつである以上、痛いと感じたり、違和感をおぼえたり、行為がうまくいかなったりした場合に、相手との間に何か影響が出る可能性はあります。

医療的には、そこに明らかな原因があれば、それを解決するための治療を施すことを考えますが、同時に、検査ではわからないような心因的な原因についても、念頭に置いておく必要があります。

性の悩みは、年齢や性別に関わらず、自分ひとりで抱え込みやすい問題です。それは、自分の気持ちを改めて考える機会にもなるかもしれませんが、パートナーや信頼できる友人、あるいは医師やカウンセラーに相談することで、解決できることかもしれません。

ここでは性交痛についての話をしてきましたが、痛みは体に何か問題が起きているというサインです。

それが体の痛みなのか、心の痛みなのか、その原因を探り解決していくことが、大切だと考えます。

Text/山浦雅香
医療監修/山中智哉(オリーブレディースクリニック麻布十番 院長)

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山浦 雅香

85年生まれのアラサー、6歳息子と夫と三人暮らし。就職後2年目の27歳で出産し退職、子育て専業2年間、再就職のち2018年からフリーランスというめまぐるしい人生。大学時代の1年間の北京留学経験を活かして、現在は翻訳やウェブで...

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