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アートをもっと気軽に楽しむ。「森山大道展」参加レポート

日本を代表する写真家・森山大道さんの展示会が、東京都千代田区の「九段ハウス」にて開催されました。今回は限られた方のみが招待されたスペシャルな空間。そんな特別展に、DRESS部員もご招待いただきました。当日の様子をレポートします。

アートをもっと気軽に楽しむ。「森山大道展」参加レポート

九段下駅から歩いて程なく見えてきたのは、1927年に建てられた旧山口萬吉邸。

2018年に国の有形文化財にも指定されたこの場所は、改築を経て、現在は会員制サロン「九段ハウス」として利用されています。この九段ハウスにて1月24日〜26日の3日間、アートサロン企画第一弾「森山大道展」が開催されました。

展示作のキュレーションを担当したのは、アマトリウム株式会社とアート・コレクターの宮津大輔さん。大道さんが50年にわたって撮影された20点あまりの名作を選りすぐり、作品を囲いながらアートについて気軽に話し、学べる場をご用意いただきました。

■DRESS部員の皆さんをご招待

今回の展示会に特別に招待されたのは、DRESSアンバサダーの神吉さんとDRESS部員の伊原さん、國谷さん。みなさん美術館巡りも好きで、今回の森山大道展もとても楽しみにされていたそう。

作品の解説をしてくださるのは、東京藝術大学大学院にて研究助手をしている加藤杏奈さんと、本展示会の企画を担当するアマトリウム株式会社の丹原健翔さんです。

参加者に解説をする加藤さん(一番右)

今回の展示会では、今までアートに興味があったものの、あまり触れてこなかった方でも気軽に楽しめるような工夫が散りばめられています。

例えば美術館でよく見られる、作品前に置いてある立ち入り禁止のロープ。ここにはそのような境界線はありません。また、完全招待制のため人混みで作品が見えない、といったこともなし。作品を間近で鑑賞することができます。

作品名の記載がないところも、見ている人の想像力を掻き立てます。

シャンパンを片手に、来場者の方は会話を楽しんでいました。

■写真に現れる、光と陰の世界

今回展示されている作品はすべて白黒写真。写真の現像は大道さん自身でおこなっているのですが、印刷用の特殊な薬品を調合し、色を出すのがとにかく至難の技だそう。

大道さんが見せたい色を突き詰めて出した「鮮明な黒」こそが、作品の美しさを形作っています。


今回ご紹介したいのは「Osaka, Daido hysteric no. 8」シリーズからの作品。

Osaka, Daido hysteric no.8 (1997)
© Daido Moriyama Photo Foundation
Courtesy of Taka Ishii Gallery

どこまでも続くかのような真っ直ぐな線路に、引き込まれそうになります。

最近の大阪の駅にも見えるし、どこか懐かしい風景にも見えるこの写真について、加藤さんからは「白黒だからこそ、時を超えることができるのかもしれないですね」との解説が。

作品を囲んで、それぞれ感じたことが言葉で溢れます。

また、ボケ写真の先駆けとも言われる大道さんの作品の中には、あえてピントを合わせない写真も並びます。

DOCUMENTARY 78
('86.4 Setagaya-ku, Tokyo) (1986, printer later)
© Daido Moriyama Photo Foundation
Courtesy of Taka Ishii Gallery

■展示されなかった作品を見せてもらう

展示は、どの作品をどこに飾るか、見る人のリズムを考えた上で構成されています。そのため、今回どうしても展示することができなかった作品もあります。

解説をする丹原さん

その作品の一部を、丹原さんが特別に見せてくださいました。

会場には展示できなかった作品がこちら

特別な機会に、さらに本来見ることができなかった別の作品まで見ることができ、参加者の皆さんは感動していました。

展示されている作品は、購入も可能だそうです。アートのある生活は、心を豊かにしてくれますね。

今回の森山大道展を皮切りに、今後も現代アート推進活動の一環として、継続的にアートサロンを開催予定です。開催情報はDRESS読者の皆さんに、いち早くお届けします。

アーティスト・プロフィール

森山大道

1938年大阪府池田市生まれ。デザイナーから転身し、岩宮武二、細江英公の助手を経て、1964年にフリーの写真家として活動を始める。1967年『カメラ毎日』に掲載した「にっぽん劇場」などのシリーズで日本写真批評家協会新人賞を受賞。
近年では、サンフランシスコ近代美術館(1999年・メトロポリタン美術館、ジャパンソサイエティー(ニューヨーク)巡回)、国立国際美術館(2011年)、テートモダン(ロンドン)で行われたウィリアム・クラインとの合同展(2012~13年)他、国内外で大規模な展覧会が開催され、国際写真センター(ニューヨーク)Infinity Award功労賞を受賞(2012年)するなど、世界的に高い評価を受けている。
写真集『新宿』(2002年、2003年 第44回毎日芸術賞受賞)、『モノクローム』『カラー』(2012年)、『犬と網タイツ』(2015年)等多数。

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DRESS編集部

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