不倫相手が欲しい男性は、まず女性をその気にさせるために口説いてきます。女性が関係を持ちやすい「事情」を作るために、平気で嘘をつく男性もいるので油断は禁物ですが、どんな言葉で女性を誘うのでしょうか。実際に女性に聞いた「不倫したい男性がよく使うセリフ」をまとめてみました。
不倫を繰り返して「モテ」を勘違いしたアラサー女性の孤独
不倫を始める理由は人それぞれですが、既婚者に言い寄られる自分に快感を覚えると、独身男性との交際からどんどん遠ざかります。気づいたときには婚期も逃し、ひとりぼっち。それでも、「モテる自分」を捨てられないアラサー女性は不倫から抜け出せませんでした。この女性を待っていた孤独について、お話しします。
■「そんな目で見られる自分」を受け入れた瞬間
35歳のある女性は、販売の仕事をしながら実家で生活していました。
両親は離婚していて、母親とふたり暮らし。きょうだいはほかにふたりいますが、県外に出ているため実家には滅多に帰りません。
彼女には、既婚者の彼氏がいました。
仕事の取引先として知り合った男性で、最初に食事に誘ったのは男性のほう。
彼女は、早いうちからこの男性に「目をつけて」いて、いつか声がかかるのを待っていたといいます。
「結婚しているって知っていたんだよね?」と尋ねると、
「うん。最初は結婚指輪をしていたから。でも、仲良くなるうちに外してくれて、あ、私のこと気に入ったんだろうなと思った」
彼女はさらりと答えます。
予想通り、彼のほうから夜の食事に誘われて、彼女は二つ返事でついていきました。
3回目の「お誘い」でホテルに行き、そこから不倫関係が始まります。
「前のオトコがあまり相性が良くなかったから、今度はどうかなと思ったけど、すごく良かったの」
と、肉体的にも満足していることを楽しそうに話していました。
彼女にとって、「既婚者の彼」はこれで3人目です。
短大を卒業後、そのまま就職したアパレルの会社には独身者より既婚の社員が多く、若い頃から彼女にとって既婚男性は身近な存在でした。
美しくてスタイルの良い彼女は、いろんな男性から声をかけられたといいます。
「最初はね、結婚している人なんて全然興味がなかったんだけど。どうして私を誘うんだろうって不思議だった」
まだ世間知らずだった彼女は、既婚男性の“思惑”に気づかず、のこのこと食事にもついていきました。
でも、
「おかしいんだよね、雰囲気が。カップルが行くようなお店ばかりだし、やたら距離が近いし。なかなか帰してくれないし。
仕事の話かと思ったら嫁がいかに冷たい女かみたいな話題ばっかりだし、そのうち何かおかしいなって思い始めて」
あるとき、何度か食事に行った男性から「ホテルに行こうよ」と言われ、びっくりして断ると
「なんだよ、仕方ねぇな」
と酔った男性に「忌々しそうに舌打ちされて」、彼女はやっと男たちの望みが自分の体であることを知りました。
それは、彼女にとってショックな出来事でした。
そんな目で見られる自分。既婚者から「やれる女」に選ばれる自分。
それまで、不倫なんて遠い世界の話だと思っていた彼女が、自分が既婚男性からどう見られるかを知った瞬間でした。
「まあショックだよね、そんなことがあると」
以前その話を彼女から聞かされたとき、「男性不信にならなかった?」と尋ねると
「うーん、男性不信っていうか、怖かった。こんなことする人が本当にいるんだって」
と彼女は答えましたが、驚きと一緒に感じたのが「自分の価値」。
自分から誘わなくても、男性から声をかけてもらえる。相手が既婚者であれ、口説かれることは決して不快ではなく、それは彼女に「求めてもらえる自分」を実感することでもあったのですね。
ショックが去ったあと、彼女の中に残ったのは
「応えてみてもいいんじゃないか」
という甘えでした。
■「モテる自分」を実感する快感
それから、彼女は既婚男性を見る目が変わりました。
もちろん、すべての結婚している男性が独身女性に手を出すとは考えませんが、それでも「不倫相手を欲しがっている人は多い」こと。
「恋愛より肉体関係で満足したいと思っている」こと。
当時、会社では独身男性との出会いもなく、仕事が忙しくて合コンなども参加する機会がなかった彼女にとって、既婚男性に囲まれた環境は「男ってこんな生き物」を決めてしまう場所でもありました。
「応えてみてもいいかな」と思い始めた彼女は、今まで気にしていなかった既婚者の男性社員や同じく取引先の男性なども、「不倫したいと思っているかどうか」というフィルターを通して見るようになります。
男性の視線を意識して、少し色気のある格好をしてみる。愛想よく笑顔で挨拶してみる。「○○さんってすごいですね」と男性が喜びそうな言葉をかける。
すると、思った通り既婚男性からの反応が良い。「ランチでもおごるよ」「次の週末、良かったらお酒でもどう?」と誘われるたび、彼女は「モテる自分」の実感を深めました。
そんな彼女に最初の「彼氏」ができたのはそれから間もなくのこと。
「え、結婚してる人?」
おめでとう、と口を開きかけて、「その人、既婚者だけどね」という彼女の言葉にあ然となりました。
「うん。でも、奥さんとうまくいっていないんだって。この間ホテルに行ったんだけど、めちゃくちゃ飢えてた」
と笑いながら彼女は話します。
「それって不倫じゃないの」
と言うと、
「でも、私から誘ったわけじゃないし。たまに会ってご飯食べてホテルに行くくらいだから、大丈夫でしょ」
何でもないことのように答える彼女は、不倫の「当事者」になった自覚をまったく持っていないことがわかりました。
「全部お金出してくれるし、毎日連絡とか面倒くさいこともしなくていいし、楽よー」
と笑う彼女は、既婚者と肉体関係を結ぶことのリスクより、「モテる自分」を受け入れることを優先したのです。
■「幸せな恋愛」から目をそらす現実
彼女は、昔から結婚願望の薄い女性でした。
学生の頃から恋愛は淡白で、「彼氏が欲しい」と騒ぐより服やコスメを眺めている時間が多く、アパレルの会社に入ったのも「一生を捧げる仕事」と熱意を持って決めた道。
「小学生の頃にさ、親がケンカばかりしていて。お母さんに『さっさと離婚してよ!』って私たちが言ったんだよね」
不幸な結婚生活を送る両親を見ていれば、結婚に前向きなイメージを持ちにくくなります。それが影響しているのかはわかりませんが、恋愛にはあまり関心がなかったと話していました。
彼女が中学に上がるタイミングで両親は離婚、それからは自分たちを育てるために必死で働く母親の姿を見て育ちます。
「男に頼らず、自分の力で生きていく」。彼女にとっては、それが自然な自分でした。
就職して視野が広がり、彼女はいろいろな人と出会い、いろいろな世界を目にします。
その中で、幸せな恋愛を楽しんでいる人たちの姿も多く見てきました。
「不倫より、まともな男と付き合うほうが幸せだって」
「モテるんだし、わざわざ不倫なんてしなくても」
「時間がもったいないよ」
彼女にかけた多くの言葉は、届きません。
「幸せな恋愛」を目にすることはあっても、自分が経験してこなかった彼女にとっては「興味のないこと」。
それより、既婚者との付き合いは楽。煩わしいケンカもなく、自分の時間も邪魔されず、お互いが好きなときに会って楽しむだけのつながり。
相手の配偶者にばれたときのリスクや、別れたときに同じ会社だと面倒くさくなることなど、彼女にはたいした意味はありませんでした。
相手が既婚者であっても、「モテる自分」だけを実感できればいい。「幸せな恋愛」は自分には関係ない。
そうやって自分だけの現実を手にすることで、彼女は自信をつけていったのです。
■選ばなかった現実の美しさ
35歳になった彼女は、今でも特定の彼氏を作らず不倫を続けています。
周りの同僚や友人はどんどん結婚して子どもを産み、家族を作っています。ですが、そんな姿も彼女には「遠い現実」でした。
仕事では成果が認められて昇進し、お給料も上がって母親に少し楽をさせてあげられる。「既婚の彼」とたまに遊んで、ストレス発散もしている。
それが、彼女が望んだ「現実」でした。
風色が変わったのは、同期の活躍です。
「結婚した同期がさ、大きな契約をとってきたんだよね。『子どもを産んでから意識が変わった』って、家族向けの商品でいいやつを探してきて。それがすごく売れてるの」
自分と違い、「幸せな恋愛」から家庭を持ち、夫と子どもに恵まれながら仕事でも成功している。
その「選ばなかった現実」の充実した様子が、彼女をひるませています。
3人目となる既婚者の彼氏とは、いつ終わるかわかりません。いわゆる“結婚適齢期”を不倫で費やした彼女は「モテるみたいだけど一向に彼氏ができない」「結婚の話を聞かない」と影で噂されることもあり、今では同じ独身の男性からは声をかけられることもありません。
相手にしてくれるのは、いつも既婚の男性だけ。彼女が「モテる自分」を実感できるのは、人から後ろ指をさされるような関係しか持てない人たちだけ。
それでも、彼女は満足しようとしています。
変わらない環境の中で、違う世界を見つけて輝いていく同期たちを横目に見ながら、「選ばなかった現実」の美しさから目をそらしながら、自分の選択を続けていくしかありません。
振り返れば、ひとりぼっち。誰とも先のある関係を築けなかった彼女は、その孤独の重みをいつか知る瞬間が来るかもしれません。
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