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「会話」が苦手だったけど「セックス」は楽だった。紗倉まなが見つけた、コンプレックスの諦め方

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紗倉まなさんが、コンプレックスについて感じたこと、考えたことについて話してくれました。ジタバタともがいていた時期を経て、いまではコンプレックスに関しては諦めたと話す彼女が見つけた、劣等感の手放し方とは――。

「会話」が苦手だったけど「セックス」は楽だった。紗倉まなが見つけた、コンプレックスの諦め方

「わたしはコンプレックスの塊なんです」という言葉をまっすぐ口にする。

専門学校在学中の2012年2月にSOD(ソフト・オン・デマンド)からAV女優としてデビューした紗倉まなさん。

ドラマや映画への出演に加えて、2015年、自身初の書き下ろしエッセイ『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』を皮切りに、『最低。』(KADOKAWA)や『MANA』(サイゾー)、『凹凸』(KADOKAWA)を出版するなどして、多彩な才能を発揮します。2017年の秋には『最低。』の映画化も決定。

一見華々しく見えるキャリアではあるものの、彼女は自身のスタート地点を「コンプレックス」だといいます。「人と話すのが苦手だったけど、セックスでのコミュニケーションは楽しかったんです」と話す紗倉まなさんに、自分自身の中に住むコンプレックスとどのように向き合っているのか、話を伺いました。

■コンプレックスは解決しようとしても仕方ないから、諦めることにした

――過去のインタビューで紗倉まなさんが、「AV女優という職業についたきっかけは、コンプレックスだった」と話されていたことが印象的でした。当時抱えていたコンプレックスは、今ではどのように変化してきましたか?

私はコンプレックスの塊でしかないんです……(苦笑)。AV女優を始めたばかりの頃は「裸で勝負している自分」を強気に見せることで、そのコンプレックスを解消しようとしていた。
でも、歳を重ねていくうちに、コンプレックスを解消すること、そのものを諦めることに慣れてきたんです。

――「諦めることに慣れる」というのは?

コンプレックスって解決しようとしても、完全に消し去ることはできないと思っていて。特に自分の考え方とか人格に影響を与えるような大きいコンプレックスって、育ってきた環境や、かけられてきた言葉によって作り上げられている部分が多いと気づいたんです。

――原因は自分の中にあるのではなく、外側にあるものだということに気づいたんですね。

だからこそ、根本的に自分の何をどういじっても変えられるものではないんだと思い、「まぁ、いっか」と諦める気持ちが芽生えてきたんです。そこからはだいぶ楽になりましたね。

もちろんこれは悲観的なことではなく、夢とか希望は持ったままで(笑)。自分の悪いところに関しては、諦めてしまう、というのが解決方法なのかなと思っています。「仕方ないよね」って。

■辛いときは、未来の自分(70歳)視点で考える

――怖くはありませんでしたか?

怖かったですね(笑)。ただ、悩みや不安がトリガーになって辛くなるときには「自分が70歳になったときのこと」を考えます。いま苦しんでいることを、70歳の自分視点で見たとき、「他人によって作られたコンプレックスなんて気にする必要がない」と思えるんですよね。

――70歳の自分をイメージしてコンプレックスを捉えてみると、他人からどう見られているかなんてどうでもいいことように思えた。

それくらいの年齢になったら、いま抱えているような欲望とか自尊心とかが形を変えているはずだし、“コンプレックスに悩む“とかの次元で生きていないんじゃないかな。

私の祖母は「あぁ……そういうの、若い頃は気にしたね」と話してくれるんですよ。そういう話を聞いて、「いまの年齢だからこそ深刻に悩んでしまうこともあるんだな」って思って、どうしようもなく辛いときには、視点を未来に置くようにしています。

■会話が苦手だったけど、セックスでのコミュニケーションは楽だった

――紗倉さんは以前「会話が苦手」と話していました。また、「セックスが私にとってはコミュニケーションだ」と。

セックスという行為は、私にとって楽なコミュニケーションなんです。

話の流れを頭で構成して言葉を発するのではなくて、流れのまま即興で言葉をぶつけあっていくコミュニケーションに近い。

――生身の言葉をぶつける感覚ですか?

そうです。自分は会話が苦手だからこそ、セックスが楽に感じたんです。逆に普通のコミュニケーションが得意な人はセックスが苦手だと聞いたこともあって。

人それぞれ、自分がとりやすいコミュニケーションがあるんだなと。会話だけが意思疎通の方法ではないんだって思いました。

――セックスによるコミュニケーションが楽だと気づいたのは何がきっかけだったのでしょうか?

私はもともと女の子と話すのが苦手でした。ただ、男の子とはセックスを一度するとわかりあえた感じがしたんですね。女の子は何が本心かわからなくて怖かったけど、男の子とは一度肌を重ねると相手がなにを考えているのかわかったというか……言葉にしなくても、お互いがなんとなく「了解」ってなる、みたいな(笑)。そういった経験から、セックスって便利だなぁ、と。

――肌を合わせることで、絆のようなものが生まれた?

そうですね、二人三脚で一緒に走った感覚でした。

会話によるコミュニケーションって「伝わること」が前提だからこそ、言葉の掛け違いでトラブルが起きることが多いような気がします。でも、相手のことを尊重しながらするセックスって、その人が何を求めているのか理解しようとする分、通じ合えることが多いのかなって思うんです。

《後半へ続く》気持ち良さは、静かな波のようにやってくる

後半では、DRESS読者から寄せられたセックスにまつわる悩み(マンネリ、セックスが怖い、彼氏が風俗に通っていて……など)に、お答えいただきました。

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小林航平

編集者。『DRESS』マーケティング/コミュニティ担当。社会問題、生きづらさ、ジェンダー、恋愛をテーマとした取材・編集・企画制作もおこなう。

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