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気持ち良さは、静かな波のようにやってくる。“あなただけの快感”に気づいてあげて

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性の悩みだって十人十色。「こうすれば一発で解決!」なんてわけにはいかない。だけど、他の人がどういう不安や悩みを抱えていて、どんな風に対処してきたのかを知ることは、漠然とした不安の中でひとりぼっちになったあなたを救ってくれる。みなさんから寄せられた「性にまつわるお悩み」を携えて、エロスに優しい彼女に会ってきました。

気持ち良さは、静かな波のようにやってくる。“あなただけの快感”に気づいてあげて

周りの友人・知人から性に関する相談をされることが多いという「えろ屋」の紗倉まなさん。その中でも圧倒的に多い悩みが「セックスレスになった」「恋人が風俗に行く」といった内容なのだそう。

「マンネリとかセックスレスは異常なことではなく、誰にでも訪れるものなんだと知りました」

数多くの悩みに寄り添ってきた紗倉さんはこう話します。なかなか周囲の人たちには相談しにくい性にまつわる悩み――「イく感覚について」「セックス中の演技問題」などについて彼女自身がどう考えているのか、お話を伺いました。

《前半はこちら》「会話」が苦手だったけど「セックス」は楽だった。紗倉まなが見つけた、コンプレックスの諦め方

■セックスのマンネリ解消におすすめなのは「お風呂場」

――まず最も多く寄せられた悩みが「セックスレスになっている」というものでした。

セックスレスといっても、さまざまな原因があるかと思います。
わたしが「一般男性のセックスの悩みを解決する」というAV撮影の企画で出会った方は、セックスにトラウマを持っていました。

話を聞いてみると、前にお付き合いしていた女性が、自分のセックスにかなり文句を言う人だったみたいなんです。それが原因で、自分のセックスにまったく自信を持つことができない……という状態でした。私がなにをしても疑心暗鬼になってしまって。イけるかもと思っても結局は萎えてしまう。そのときは2時間くらいずっとそんな調子だったので、さすがにどうしよう……って思いました。

――そのときは、最終的にどうされたのでしょうか?

まずは、「イくことを考えないようにしよう」と話しました。男性は勃起して射精をするという身体的なプロセスをたどらなければいけません。でもそこに捉われ過ぎてしまうと、ますますトラウマが肥大化してしまう。ですので、イくことは一旦置いておき、「なんか気持ち良いよね」と感じられる時間をつくってみたんです。最終的に彼自身の中にセックスを楽しむという気持ちが生まれたみたいで良かったです。

――イくことをゴールにせず、ただ一緒に気持ち良いと感じることのできる時間を過ごした。

セックスって「一回で満足して、もう充分」ってことはないと思うんです。何回も体を重ねる中で、お互いの気持ち良さを探っていくことが大切かなって。だから、「相手も自分も絶頂に達して、快感を最大限感じるようにしなきゃ……」なんてプレッシャーを感じなくてもいいんですよ。

――相手の気持ち良さと自分の気持ち良さ、天秤にかけたときのバランスが重要なんですね。

わたしはセックスって基本的にはギブアンドテイクだと思っていて。自分が相手を気持ちよくした分、相手にも頑張ってほしいし、相手がしてくれたことに対して自分も返してあげたいという気持ちが強いんです。

――長年付き添ったパートナーとのセックスレス……いわゆるマンネリに関してはどのように解消していけば良いと思いますか?

一番良いなと思うことは「環境を変えること」です。ほとんどの人にとって、家は日常的な空間だと思いますが、そこで何回もセックスを繰り返していれば、「同じものをずっと食べていたら飽きた」みたいな状態になってしまっても不思議じゃないですよね。セックスってムードが大事なので、環境を変えるだけで気持ちのスイッチが入るきっかけにもなるんです。

個人的には、お風呂でセックスするのはおすすめですね。声が反響する空間って人の興奮を高めると思っていて。声を思いっきり出せるということで開放的になれますし。女性は家だと声が漏れていることを気にかけたりすると思うので、ラブホテルのお風呂場、おすすめです(笑)。

――紗倉さんがおすすめしたいラブホテルはありますか?

AVの撮影をした際に知ったのですが、渋谷の道玄坂に「SULATA」という不気味なラブホテルがあります。入り口にピアノを弾いているマネキンがあって、訪れるたびにドキドキして楽しめます。

綺麗なラブホテルも良いとは思うのですが、マンネリ化しているカップルの場合、くつろいでしまってそのまま寝るだけ……みたいになってしまう可能性もある。なので、「狭くてベッドしかない。セックスをするしかない」みたいなホテルをおすすめしたいです(笑)。

――紗倉さんご自身がセックスレスになった経験はありますか?

ありますね。そのときの経験から言えば、やはり女性がいくらアプローチを工夫しても、相手にその気がまったくなければ難しい。だから最初は一緒にお酒を飲みに行ってそのノリで「ホテルに行かない?」と誘って、泊まるだけでも良いと思います。

それからわたしがやったのは、朝になってから誘ってみるということ。夜だと疲れているとか眠いとか断る口実がいくらでもある。朝だと体力も一番復活しているのでその機会を狙いました。

――朝起きてすぐ……ということですか?

相手が寝ているときに、自分は顔を洗って。歯を磨いて準備万端にして、相手のズボンを下ろしたときがあります(笑)。哀れに思われたらしくて、ちょっとだけ回復したことがありました……。

■男性が風俗に通うのは個人的には許せる。けど、行った証拠は隠滅してほしい

――パートナーが男性の場合、その彼が風俗に行くことに悩んでいる女性もいます。続いてお伺いしたいのはこの「彼氏が風俗にいく問題」についてです。

風俗が好きな男性、私の周りにもいますよ。人には息抜きできる場所や時間が必要だと思うので、男性が風俗にいくこと自体は否定しません。ただ、女性が性的に息抜きできる場所って少ないじゃないですか。「男性は自分の欲望を満たす場所があるのに、私たちにはそういう場所がない」と比較してしまったときに悔しさや嫉妬が沸いてくる。そういった感情が「浮気」や「不倫」という行動に結び付く人もいます。

だから男性には風俗に行っていることを徹底的に隠してほしい。それか、風俗に行くことをやめるかしなければ、女性は気持ちの整理がつきにくいと思うんです。

――風俗に行く気持ちはわかるけど、その形跡を残すことはやめてほしい、と。

男性には「絶対に行かないでね」と言うのではなく、「行ってもいいけどその匂いを残さないでね」と伝える方がいいのかなと思います。そうすれば男性も息抜きの場所を奪われたとは思わないはずなので。もちろん、「風俗に行くことが許せない」という方もいらっしゃるので、すべての人に当てはまるアドバイスではないのですが。

■「イく」という感覚は、静かな波のようにやってくる

――続いてのお悩みですが、「イくという感覚がわからない」というものです。紗倉さんご自身は、この感覚をどのように捉えていますか?

男性の射精と違って、女性の場合、どこでイくかは人によって違う気がします。

よく痙攣するとか意識が飛ぶとかありますが、私の場合は静かにイくことが多いですね。それから、セックス中に「イきそうだな」と思っていた感覚を後から思い出してみると「イってたんだ」と気づくこともあります。

それからわたしはクリトリスを刺激されることが好きなのですが、このことに気づいたのは、ドンキホーテとかに売っているベーシックな電マ(電動マッサージ器)を使っていたことがきっかけです。気持ちよくなる人には「中イき派」と「外イき派」の2パターンがありますが、私はクリトリス(外イき)で気持ち良くなるタイプだったことを、電マを使うことで発見できました。

――自分の身体がどのようなことに気持ち良さを感じるのかを研究されていたんですね。

最初は、電マをあててもこそばゆい感じがするだけだったんです。でも、試しに我慢してあて続けていたら、自分の感度がMAXになって、ビリビリビリとつま先から脳天まで静電気が一気に走りました。でもこれはわたしの場合の快感で、やっぱり人それぞれ「イく」という感覚は違ってくるんだと思います。

――イくという感覚にはこれだという正解はない。だから、自分のイくという感覚がどのようなものなのかわからない?

わからないというよりも、気づいていないのかもしれません。AVやエロ漫画で描かれる女性の絶頂って、潮吹きしたり痙攣したり……と激しいものが多いですよね。あれはひとつのエンターテインメントではあると思うのですが、「激しいアクション=イくこと」が現実かというとそうでもない。どちらかというと、快感は静かな波のように訪れるものだと思うんです。

■現実のセックスは、もっと静かで会話的なもの

――快感が静かな波のようなものだとしたら、セックス中の過激な演技についても必要なくなるのかもしれません。

女性のパフォーマンスは、相手を喜ばせるとか、興奮させるためにしなくてはいけないと思っていたのですが、過度なパフォーマンスは好きではないです。

男性は挿入前に勃起して、イくときは射精しないといけない。一方で、女性はそれを受け入れる。男性の方が身体的なプロセスが多いですよね。なので、女性は演技をすることで、相手を興奮させることが大切だと思っていたんです。

でも今は、自分がしたくないと思うのであれば、過激なパフォーマンスを無理にする必要はないと思っています。日常のセックスって、激しく熱狂的なものだけじゃなくて、静かで会話的な要素も含まれるじゃないですか。

――AV以外に他人のセックスを見る機会なんてなかなかありません。だからこそ、AVで描かれるセックスを現実として認識してしまう。

作品として提供されるAVのセックスは、見てほしいからこそ視覚的な興奮を高めるために、過度なパフォーマンスが行われたりします。でも、プライベートなセックスって、誰かに見せるためにすることはほとんどない。

わたしは言葉だけでは伝わらないことを、補完するためのコミュニケーションとしてセックスを考えています。だから、義務とか仕事みたいには絶対にしたくない。抱きつくだけでもいいし、別にお互いにイかなくてもいいなって思うんです。

取材・Text/DRESS編集部
Photo/池田博美

紗倉まなプロフィール

@sakuramanateee。1993年生まれ。千葉県出身。2011年11月にグラマラスキャンディより工場萌えアイドルとしてファーストイメージDVDを発売後、翌2012年2月にSODstarからAVデビュー。著書に『最低。』『凹凸』(KADOKAWA)、エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)、スタイルブック『MANA』(サイゾー)がある。

11月特集「性欲と情熱」

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小林航平

編集者。『DRESS』マーケティング/コミュニティ担当。社会問題、生きづらさ、ジェンダー、恋愛をテーマとした取材・編集・企画制作もおこなう。

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