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映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』感想。エリック・クラプトンの壮絶な人生に迫る音楽ドキュメンタリー!

グラミー賞を18回受賞、ロックの殿堂入りを3回果たすなど音楽界を牽引し続ける世界的スーパースター、エリック・クラプトン。【シネマの時間】第48回は、貴重なアーカイブ映像と共にクラプトン自らが語る音楽ドキュメンタリー映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』をご紹介。11月23日(金・祝)より全国ロードショー!

映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』感想。エリック・クラプトンの壮絶な人生に迫る音楽ドキュメンタリー!

こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。

グラミー賞を18回受賞、ロックの殿堂入りを3回果たすなど、長年音楽界を牽引し続ける世界的スーパースター、エリック・クラプトン。

【シネマの時間】第48回は、「ギターの神様」とも称されるエリック・クラプトンの激動の人生を追った音楽ドキュメンタリー映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』をお送りします!

輝かしい名声と成功を手にし、天才の名を欲しいままにしてたクラプトン。しかし、私生活では想像を絶する波乱に満ちた人生を送っていたことを、この映画を通して深く知ることができ、心打たれました。

母親に拒絶された少年時代の孤独、共にギターの腕を競い合った仲間たちの喪失、親友ジョージ・ハリスンの妻への恋をはじめとする女性遍歴、ドラッグとアルコールに溺れた日々、そして最愛の息子コナーの死。

天国と地獄を行きつ戻りつするような壮絶な人生を経て、初めて自分の居場所を見つけた今だから振り返ることのできる、エリック・クラプトン自らが語る、音楽と愛と魂の軌跡。

ヤードバーズ、クリームなどのバンド期、そしてソロ活動の未発表映像を中心にした映像群のほか、私的な日記、手書きの手紙、デッサンなどの貴重な資料がひも解かれ、紡がれています。

さらに、ジョージ・ハリスン、ジミ・ヘンドリックス、B・B・キング、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ビートルズ、ボブ・ディランなどの豪華アーティストとの貴重なアーカイブ映像やデレク・アンド・ザ・ドミノスのライブ映像、デュアン・オールマンとのレコーディング風景など歴史に残る音楽シーンが素晴らしく魅力的です。

クラプトンは、何を求め続けていたのか? 彼が人々を惹きつける理由は何なのか?

監督は、アカデミー賞作品『ドライビング・MISS・デイジー』などの製作を手がけたリリ・フィニー・ザナックが務め、『シュガーマン 奇跡に愛された男』のジョン・バトセックがプロデュースを担当。

ぜひ、映画館でご堪能ください!

11月23日(金・祝)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー。

■映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』あらすじーエリック・クラプトンの波乱に満ちた人生に迫る音楽ドキュメンタリー!

「ギターの神様」などと称され、その名を知らない人はいないほど有名な、音楽界のスーパースター、エリック・クラプトン。

グラミー賞を18回受賞、ロックの殿堂入りを3回果たすなど、長年音楽界を牽引し続け、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジと共に世界3大ギタリストとも言われています。

実の母親から拒絶され、祖父母によって育てられるという幼少期のトラウマとなった複雑な家庭環境。

ラジオ番組で紹介されていたブルース・ギターの世界との出会いは救いでした。

チャック・ベリーから時代を遮るようにしてブルースへの関心を深め、16歳で初めて聞いたロバート・ジョンソンの存在は決定的でした。

レコードやスタジオを相手にひたすら模倣の日々を続け、自分のスタイルを確立させます。

クラプトンの名を世間に知らしめたヤードバーズを経て、ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズに在籍し、日夜ライブでブルースを奏で、「Clapton is God」と崇められます。

マーシャルアンプとギブソンのレスポールを組み合わせ、奇跡の音色を生み出し「ギターの神様」と呼ばれるようにも。

伝説的バンドであるクリームは、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズとともに一斉を風靡。

しかし、ポップス路線で売り出そうとしたバンドの方向性の違いやメンバー同士の不和により、クラプトンはバンドを脱退。

お金や名声よりも音楽性を優先させ、共にブルースを追求する真の仲間を求め、スーパーグループ、ブラインド・フェイス、デレク・アンド・ザ・ドミノスなど、いろいろなバンドを転々とします。

ギタリストしての才能と抜群のルックスを併せ持つクラプトンはとにかくモテました。

そんななか、親友であるジョージ・ハリスンの妻であるパティ・ボイドに熱を上げ、ペルシャの恋物語と自らの報われない愛とを重ね合わせ「いとしのレイラ」を制作します。

「良くないのはわかっていたが、衝動を抑えられなかった」と当時の心境を語っています。

しかし、儚くも失恋。追い打ちをかけるように、祖父や親友のジミ・ヘンドリックス、デュアン・オールマンが次々とこの世を去ったことなどから、深刻なドラッグ中毒へ転落し、重度のアルコール中毒に陥ってしまいます。

復帰不可能だと思われていたクラプトンでしたが、家庭を持ち80年代初頭に復帰を果たします。

そんな折、またもや大きな試練が降りかかります。

4歳になる最愛の息子コナーが、マンションの53階から転落して亡くなってしまったのでした。

失意のどん底に突き落とされたクラプトンを誰もが心配しましたが、そんな彼の心の痛みを和らげてくれたのはやはり音楽でした。

これから先の人生は、亡くなった息子を思いながら生きるという覚悟をし、音楽制作に没頭。

「ティアーズ・イン・ヘブン」で見事グラミー賞を獲得し、完全復活を果たします。

ドラッグとアルコールではなく、音楽と節制、健康で幸福な人間関係に拠り所を、生きる力と癒しを見出したのでした。

依存症患者を支援する施設クロスロード・センター・アンティグアも設立。

いつだって音楽に全力で向き合ってきたクラプトン。

どんなときでも、彼のそばには音楽があって、仲間や支えてくれる人がいたのです。

そして、今でも人生を感じさせてくれる大人の声や演奏で多くの人々を魅了し続けています。

「ずっと欲しかったものをやっと見つけた。最高の人生じゃないかな」

■映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』作品紹介

映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』11月23日(金・祝)より TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー!

原題:Eric Clapton: Life in 12 Bars
監督:リリ・フィニー・ザナック
製作:ジョン・バトセック
編集:クリス・キング、ポール・モナハン
音楽:グスターボ・サンタオラヤ
日本語字幕:佐藤恵子
製作年:2017年
製作国:イギリス
上映時間:135分
映倫:PG12
配給:ポニーキャニオン、STAR CHANNEL MOVIES
提供:東北新社
©︎BUSHBRANCH FILMS LTD 2017

■映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』キャスト

エリック・クラプトン
B・B・キング
ジョージ・ハリスン
ジミ・ヘンドリックス
パティ・ボイド
ロジャー・ウォーターズ
ザ・ローリング・ストーンズ
ザ・ビートルズ
ボブ・ディラン

【シネマの時間】
アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
©︎YUMIMOROTO

諸戸 佑美

本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。

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