海老原 露巌(えびはら ろげん)書道家、墨アーティスト、文化庁文化交流使。1961年栃木県下野市生まれ。4歳より書を学ぶ。作品は在フランス日本大使館、在日本イタリア大使館、中国狭西省歴史博物館、カナダケベック州立文明美術館などに収蔵され、近年はパリ日動画廊、新宿伊勢丹にて展覧会を開催する。
9月の新月メッセージ「セルフジャッジを手放すと美しくなれる」
9月の新月は、10日月曜日の朝方03:02、乙女座で起こります。8月までの内面を見つめる時間を経過して、これから動き出していくための準備に入ります。
乙女座を象徴するイメージは「地に足をつける・整える」といった、安定的なもの。
これは、どんなことにも基礎が大切なように、私たちが生きていく上でとても大切な要素になります。
その中で改めて見直してほしいことが、「セルフジャッジをしている自分自身」です。この部分を手放せると、本当のご自分の美しさが輝くようになります。このタイミングでご自分としっかり対話してみましょう。
■セルフジャッジとは?
どんなに優秀な人でも「セルフジャッジ」というものが存在しています。
ポジティブなことでもネガティブなことでも、「自分で自分を判断する」ことで進んでいけるように感じるからです。
たとえば「自分は表にでるのが苦手だ」とか「自分には才能がない」といったことから自分ができていないことにフォーカスすることや、他人と比較してみることもすべてセルフジャッジです。
「自分はここまでできるはずだ」と成功体験から自分を高めることもあれば、逆に失敗体験から「自分にはここまでしかできない」と決めつけてしまうこともあります。
また、完璧でないと許せなかったり、周りがどう思うかにも意識が向いてしまうことも当てはまります。
そこには、過去の経験データに基づく自分の分析があり、あくまでも過去の自分ベースでのジャッジをしているのが特徴です。または、幼少期からご両親や教師などからいわれた「言葉」をずっと抱えていることもあります。
果たしてそれが、本当に自分自身のキャパシティなのでしょうか?
■過去の記憶の再生と、未来的な創造力の大きな違い
アメリカの心理学の研究によると、私たちは1日におよそ6万個の物事を考えています。
そしてそのうちの95%のほとんどの人が、昨日と同じことを考えているのだそうです。
また、そのうち80%はネガティブなことだとか。それを知ると、どれだけ考えてどれだけ悩んでいるように思っても、私たちは結局は「似たようなことを考えているだけ」だとも言えます。そしてそのリピートをひたすら続けているわけです。
それは、本当に私たちにとって必要なことなのでしょうか?
ハワイのヒーリングメソッドに「ホ・オポノポノ」というものがあります。
一言で説明すると「過去の記憶のクリーニング」
つまり、先ほどの95%の考え事はクリーニングの対象になります。
なぜそれをクリーニングする必要があるのかをフォーカスしてみると、私たちがどれだけ過去の記憶の再生で生きていて、それがどれだけネガティブな影響を及ぼしているのか、ということがわかります。
だからこそ、クリーニングする、というヒーリングメソッドが存在するわけですし、その必要性に気づくことが大事になってくるのです。
では、残りの5%は一体何なのでしょうか?
これは「創造的なインスピレーション」です。
「今、ここに在る」ことからしか生まれない素晴らしいギフトです。ここから生まれるものが、芸術であったり、素晴らしい発明であったり、日々の大切な奇跡を体験していく、ということになります。
なので5%ではなく、本来その部分だけを100%とはいえなくても90%くらいで生きていく、ということが「生きていく」という言葉に当てはまります。それこそが自分らしい生き方であったり、自分を信頼している状態なのです。
■露巌先生の9月の新月作品
しっかりと根を張り、堂々と在る。
そしてこれが自分でいいのだ、と言ってもらえているような広大な山のような安定感と威厳を感じます。自分の軸をしっかりと太くしていくことこそが、自分を生きていく、ということであり、それが自信や美しさにつながっていくのだと教えてもらえるようです。
ただ、存在しているだけではなく、自分自身であるために時には試練があるように、自然の厳しさのようなものを受け入れていくことこそが「生きていく」ことなのだと見せてくださっています。
それは過去の「セルフジャッジ」を手放し、自分を生きていく覚悟の大切さへ導いてくれているのではないかと思います。
「今」のあなた自身から生まれる美しさを創造する人生を歩むために、「過去」から続いている自分への言葉を、この機会に見直してみましょう。そして「今」のあなたの本当の美しさを体験していきましょう。