『亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界』へ
建築家・長坂常と江戸小紋職人・廣瀬雄一がコラボレーションした展覧会『亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界』が、表参道のEYE OF GYREで開催中です。DRESS着物部の北野さんによるレポートです。
常に新しい江戸小紋の世界を提案している江戸小紋職人の廣瀬雄一さん。
メディアへの露出も多い職人さんなので、DRESS着物部の皆さんもご存じの方が多いのではないでしょうか。
その廣瀬さんが4代目となる「廣瀬染工場」が創業100周年を迎え、記念展『亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界』が表参道のEYE OF GYREで開催中です。
こちらのギャラリートークにお邪魔してきました。
今展は、ブルーボトルコーヒーなどの店舗デザインを手掛けている建築家の長坂常さんがディレクションを担当、そして企画はファッションジャーナリストの生駒芳子さんという豪華な顔ぶれで実現されたそう。
これまでにない切り口で表現された江紋作品や、極小の細工を施した伊勢型紙の展示、伝統の技が凝縮された逸品の江戸小紋作品などが紹介されています。
会場は主に3つのエリアで構成されています。
廣瀬さんによる最新の江戸小紋作品と、長坂さんが今展のために製作したデザインによる家具のゾーン。
長坂さんのディレクションにより製作された、実験的な江戸小紋のゾーン。
通常にはない工程をあえて行う、新しい江戸小紋を提案されていました。
例えば、通常は型紙を連続させて模様にしていくのを、あえて部分的に使用して余白を作ったり、破れた型紙や未完成の型紙を使って染めたりと……目からうろこのゾーンです。
そして100周年を記念して製作された江戸小紋と伊勢型紙のゾーン。
本当に100年前のデザイン!? と思わせるグラフィカルな型。
流水にヒトデ、水車のモチーフの作品。今でも斬新な印象に映ります。
100年にちなんで100種の文様を詰めた作品もありました。一つひとつの模様が本当に面白い!
歴史と未来を感じる素敵な構成で、江戸小紋の魅力を再認識させていただきました。
夏きもの、浴衣でぜひお出かけください。2018年8月26日まで。
廣瀬染工場 http://komonhirose.co.jp/
EYE OF GYRE https://gyre-omotesando.com/artandgallery/edokomon/