5月特集は「人それぞれな子どもの話」。「子どもを持つ・持たない」について、現代にはさまざまな選択肢があります。子どもを持つ生き方も、持たない生き方も、それぞれに幸せなこと、大変なことがあり、どちらも尊重されるべきもの。なかなか知り得ない、自分とは異なる人生を送る人のリアルを知ってほしい。編集部一同そう願っています。
「今あるものを大切にしたい」夫が亡くなってから考えた子どものこと 2/2
■まずは、今の私が楽しく生きていくこと
――今、子どもができなくて悩みを抱えている女性にアドバイスを送るとしたら、どのようなものになるでしょうか?
子どもはパートナーあってのものですが、最終的にはパートナーとの関係が充実していればいいと思っています。
「子どもがいなくても幸せだけど、子どもがいたらもっと幸せ」くらいがいいですね。逆に、パートナーとの関係が崩壊寸前なのに「子どもができたら幸せになる」とは思わないほうがいい。いつまでも幸せにはなれないと思います。
まずは自分を満たすことができないと、他人を満たすこともできない。
子どもは自分を満たすものではなく、自分から満たされて、そこからあふれ出たものだと思っていて。栄養にしても、血液にしても、自分から分け与えるものですからね。精神的にも肉体的にも不安定なままの状態で子どもを持つと、余計に不安定になるんじゃないかと思います。
なにより大切なのは自分のマインドです。
自分が自分でよかったと思ってほしいですし、自分の人生を受け入れてほしい。自分が満たされている人は、仕事や子どもの悩みも引き受けることができます。他人の価値観を押し付けられて、振り回されることがなくなりますからね。
――やみくもに「ポジティブになれ」ということではなく、悲しいことがあれば悲しめばいい。自分の人生を素直に受け入れるということですよね。
そうですね。
――「40歳までに子どもが欲しい」という目標を立てて、それが現実にならず、苦しんでいる人もいるかと思いますが、長谷川さんはどうお考えですか?
私にとって「目標」は自分を縛るものでしかないんです。
もちろん怠け癖がある人には目標があったほうがいいですし、一概には言えませんが、神経質で心配性で自分と他人を比べてしまいがちな人にはあまりおすすめしません。
私も20代の頃は目標を立てて生きていましたが、だから辛かったんだな、と気づきました。今は5年後のこともよくわからないです(笑)。
子どもをつくるにはタイムリミットがあるので、スケジュールを意識することは大切ですが、タイムリミットを人生の一大事だと捉えると辛くなってしまうと思います。将来やりたいことやワクワクすることはイメージしていますけど、人生において「○○までに☓☓をしなければいけない」という目標は必要ないと感じています。
――では、最後に長谷川さん自身が、今、子どもについてどのようなお考えをお持ちかお聞かせください。
たとえば「プール付きの大豪邸が欲しいですか?」と聞かれれば、そりゃ手に入るなら欲しいじゃないですか(笑)。でも、手に入らなくても落ち込むことはありません。今は、子どものこともこれと同じ話だと思っていて……私にとっては、子どもはいてくれたら最高に嬉しいけど、いなくても、最高に楽しい人生かなと思います。
まずは今を楽しく生きていく。将来、子どもが欲しくなるときが来るかもしれませんが、それはそのとき考えます。特別養子縁組を行い、養子を授かる選択肢もあると思っているので。
取材・Text/大山くまお
取材協力/長谷川朋美
美LIFEクリエイター。株式会社ルミエール代表。22歳で起業し、8年間述べ6店舗のトータルビューティーサロンを経営を経て、現在は、葉山と青山を拠点に、全国で講演や、世界中を旅しながら、女性の自由でクリエイティブな生き方やライフスタイル、心と身体のヘルス&ビューティーについて発信している自分と向き合う学校ビューティーライフアカデミー主宰。 著書に『やりたいことを全部やる人生』『自分の人生が愛おしくてたまらなくなる100の質問ノート』など8冊出版。
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