1. DRESS [ドレス]トップ
  2. カルチャー/エンタメ
  3. 恋、嫉妬、結婚。狂おしいほどの愛の物語『ファントム・スレッド』 古川ケイの「映画は、微笑む。」#51

恋、嫉妬、結婚。狂おしいほどの愛の物語『ファントム・スレッド』 古川ケイの「映画は、微笑む。」#51

Share

本年度アカデミー作品賞ほか6部門にノミネートされた『ファントム・スレッド』がついに公開日を迎えます。三度のアカデミー主演男優賞に輝いたダニエル・デイ=ルイスの引退作となる本作は、オートクチュールの仕立て屋レイノルズと、彼のミューズとなった若きウェイトレス・アルマとの究極の愛を描く、大人のラブストーリーです。

恋、嫉妬、結婚。狂おしいほどの愛の物語『ファントム・スレッド』 古川ケイの「映画は、微笑む。」#51

◼︎アカデミー6部門ノミネート、究極のラブストーリーが登場!

DRESS読者のみなさん、こんにちは。映画ライターの古川ケイです。

今回みなさんにご紹介したいのは、本年度のアカデミー作品賞ほか6部門にノミネートされた『ファントム・スレッド』です。

本作は作品を発表するたびに熱狂的なファンを増やしつつあるポール・トーマス・アンダーソン監督による、独身主義のオートクチュール(高級仕立服)の仕立て屋と、そのミューズ(※)となった女性の究極のラブストーリー


※ミューズ:公式HPには、「レイノルズにとってミューズは創作に不可欠なインスピレーションと一時の癒しをもたらす存在」と記載されています。



・99年の『マグノリア』でベルリン国際映画祭グランプリ

・02年の『パンチドランク・ラブ』でカンヌ国際映画祭監督賞

・07年の『ゼア・ウィルビー・ブラッド』でアカデミー作品賞にノミネート

など、名匠として名高い同監督の集大成とも言える傑作です。

◼︎『ファントム・スレッド』のストーリー

1950年代、英国ロンドン。

英国ファッションの中心的存在として、社交界から脚光を浴びる天才的な仕立て屋・レイノルズ(ダニエル・デイ=ルイス)。

彼は、姉のシリル(レスリー・マンヴィル)とともに、郊外のアトリエ兼自宅で、日々上客たちのフィッテイングやデザインに明け暮れていた。

そんなある日、「近頃気持ちが不安定だ」と漏らしたレイノルズに、シリルは別荘で過ごすことを提案する。

別荘へ向かう途中に立ち寄ったレストランで、彼は背が高く素朴なウェイトレスのアルマ(ヴィッキー・クリープス)と出会うのだった。

アルマを夕食に誘ったレイノルズは、夕食後に別荘の仕立て部屋で、彼女の身体に仮縫いをしながら生地を合わせていく。

そこにやってきたシリルは、アルマに”レイノルズにとって、彼女(アルマ)が理想の身体の持ち主であること”を告げる。

レイノルズは、アルマをミューズとして自宅へと招き入れ、彼女の部屋を用意する。

豪華絢爛なドレスを着こなすアルマを褒め称え、魅惑的な美の世界へと誘い込むレイノルズ。しかし、やがて狂い始めるふたりの関係は、完璧で規律的だったレイノルズの日常を思わぬ方向へと進めていき……。

◼︎仕立て屋とミューズ、ふたりが辿り着く究極の愛の形

本作で注目したいのは、レイノルズとアルマ、ふたりの愛の軌跡です。

運命の恋に落ちた男女は、相手をどこまで自分のものにできるのか。

愛に屈し、自分を失うことは喜びか悲劇か。


ファッションにすべてを捧げるレイノルズの心に、恐るべき愛の力で入り込んでいくアルマ。彼女の存在は、レイノルズにとって一歩間違えれば毒にもなりかねない媚薬のよう。

恋、嫉妬、結婚……狂おしいほどの愛の物語は、想像し得ない境地へとたどり着きます。

「今年最も、意外な展開に驚かされたラブストーリー!!」(米ヴァニティ・フェア誌)と絶賛されたふたりの愛の結末は、大人の女性にこそぜひ味わってほしい驚きに満ちています。

◼︎オートクチュールの衣装も美しく

また、レイノルズが仕立てるドレスの美しさにも注目です

レイノルズの顧客である、ベルギーの王女のウェディングドレスや、上流階級の女性たちがまとう優雅なドレスは、アンダーソン監督の全作品を手がけている衣装デザイナーであり、11年の『アーティスト』と本作でアカデミー衣装デザイン賞を受賞したマーク・ブリッジスとそのチームが手がけます。

ブリッジス率いる衣装チームは、1950年代の流行や各登場人物のバックグラウンドを綿密にリサーチし、50点もの衣装を仕立てあげました。

そのうち9点の衣装が登場する春のファッションショーは必見!

◼︎ダニエル・デイ=ルイスのオトナ色気を堪能して

そして、なによりも見逃せないのは、本作を最後に俳優業の引退を表明しているダニエル・デイ=ルイス(レイノルズ役)による渾身の演技です。

89年の『マイ・レフトフット』、07年の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、12年の『リンカーン』で三度のアカデミー主演男優賞に輝いた名優が、10年ぶりに度目のコラボレーションとなるポール・トーマス・アンダーソン監督のもと、稀代のドレスメーカーを全身全霊で演じています。

ドレス作りは、レイノルズにとって長年かけて築き上げてきた孤高の領域。

芸術の高みを目指すレイノルズ役は、まさにダニエル・デイ=ルイスのこれまでの輝かしいキャリアの集大成とも言える役柄でしょう。

現在61歳となるダニエル。渋いオトナの色気を存分に味わってください!

レイノルズとアルマ……ふたりの愛の糸がもつれ、絡み合い、紡ぎ出す愛の形は、決して美しいだけではありません。

歪なものでありながらも、唯一無二のものへとなっていくのです。

独身主義のレイノルズの心に、とてつもない方法で入り込んでいく若く情熱的なアルマ

愛や結婚について、今一度考えてみたい女性にぴったりな名作『ファントム・スレッド』をスクリーンで観られる機会をお見逃しなく!

◼︎『ファントム・スレッド』公開情報

『ファントム・スレッド』
2018年5月26日(土)より、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館 ほか全国ロードショー
監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、ヴィッキー・クリープス、レスリー・マンヴィル
配給:ビターズ・エンド/パルコ
上映時間:130分
公式サイト:http://www.phantomthread.jp/
(C)2017 Phantom Thread, LLC All Rights Reserved

Share

古川 ケイ

映画ライター。新作映画情報サイト「木曜日のシネマ」運営。 大学卒業後、インディペンデント系映画配給会社に入社し、映画業界誌の編集・ライター業務に従事したのち、宣伝部にて洋・邦映画作品の宣伝を手がける。その後テーマパーク運営...

関連記事

Latest Article