大人になった今こそ考える意味がある。「大きくなったら何になりたい?」
大人になると毎日忙しくて、自分の夢や願望に気づくのが難しくなりがちです。そもそも「夢」という概念が大人の自分と結びつきにくい、と思う人も多いかも知れません。でもせっかくの人生、夢も願望も叶えた方がきっと充実します。夢に気づいて実現するヒントを、美容家・神崎恵さんの新刊『わたしを幸せにする41のルール』に見つけました。
幼い頃、大きくなったら何になりたいと思っていましたか?
私は幼稚園児だった頃、将来の夢はお花屋さんでした。叶っていませんが(笑)。お姫様とかパン屋さんとか、みんないろいろでしたよね。
あれから30年、いま「将来の夢は?」と聞かれたら、咄嗟に「えっ将来? 悠々自適な老後かな」と答えるであろう自分がいます。
今の仕事をがんばって、スキルを上げながら、友達や夫と楽しく過ごして、綺麗に年を重ねたいーー。
そんな思いは人並みにありますが、もう自分は大きくなってしまったし、今がいわゆる「将来」だから、さらにその先にキラキラした夢を描くなんて発想が自分の中にないような気がします。
■あの人が美容家を目指したきっかけ
そんな自分に気づいたのは、美容家として活躍する神崎恵さんの新著『わたしを幸せにする41のルール』(廣済堂出版)を読んだのがきっかけでした。
この本には、専業主婦だった神崎さんが、30代でシングルマザーとなってから、どんなきっかけで美容家としてスタートしたのか、現在の活躍ぶりを実現するまでにどう努力したのか、そしていま多忙な毎日を送りながら、働く人として、母として、妻として、何を心がけているかが綴られています。
エピソードのひとつが、シングルマザーになって生きる術を模索していたとき、当時4歳だった息子さんから「ママは大きくなったら何になりたいの?」と聞かれたこと。ハッとして、「美容家になりたい」という自分でも忘れていた思いが蘇ったそうです。
神崎さんも「何になりたい? わたしはもう大人だし、そんなこと、思ってはいけないし、思ったって仕方ないと心の奥にしまっていました」と当時の思いを綴っています。でも、自分の夢を思い出してからは全力疾走したそう。
■自分でも忘れている夢に気づく
大人になると、日々の仕事や家事をクリアすることや、職場や家庭での責任で頭がいっぱいで、無邪気に自分の願望を追い求めることは後回しになりがちです。
そうして毎日、目の前のことに追われているうちに、夢や願望をすっかり忘れてしまっている大人の女性は多いのではないでしょうか。
でも人生は一度きり。なにも人生をガラリと変えるほどの大きな目標に限らなくても、やってみたかったのに忘れていた趣味や、本当は着たかった服、旅してみたい国……些細な願望でも実現した方が、後悔がありません。
「大きくなったら何になりたいの?」という問いかけに戸惑いながらも出てくる素直な思いは、忘れている夢に気づく大きなヒントになりそうです。
■叶えたい夢に気づいたら、どうしよう?
大きくても小さくても、実現したい夢を見つけたら。
本書では、夢を実現するためのSNSとの付き合い方、時間の使い方の工夫、気持ちの持ち方など、神崎さん流のルールが紹介されています。
なかでも印象的なのは「がんばれる理由をいくつか持つ」というルール。
このルールを見たとき、「あ、わかる」と深く頷きました。
かつて私は失恋のショックで激太りし、「このままじゃヤバい、次の恋のために痩せなきゃ」とダイエットを決心したことがあるのですが、ダイエットはやっぱりつらい。
途中で「もうぽっちゃりが好きな男の人と付き合えば良くない?」とたびたびダイエットを放棄しそうに。そんなとき、「出会いも欲しいけど、健康のためにも痩せたいし、◯◯ちゃんの結婚式であのドレスを着たいし」と理由をどんどん持ち出して、なんとか自分をがんばらせました。
やる気いっぱいで何かを始めても、途中で疲れたりちょっとうまくいかなかったりすると、「何のためにこんなにがんばらないといけないんだ……?」と急速にやる気がダウンしがち。そこでポキッと心折れないためには、走り続けられる理由がいくつかあるといい、と実体験から感じます。
新年度も少し落ち着き始めるこの季節、自分の中の忘れていた夢や願望と向き合ってみるのもいいかもしれません。
「大きくなったら何になりたいの?」と自分に問いかけてみるのはどうでしょう?