光文社のファッション誌「美STORY」(現・美ST)が提案している35歳以上の女性のこと。公式サイトでは、「外見美」「知的美」を両立、包括する「才色美」な美しき大人の女性達と定義されている。
(コトバンクより引用)
「美魔女ですね」って誉め言葉? 2/2
■「美魔女」とは本来、外見だけを指す言葉ではない
ここにあるように、「美魔女」というのは外見だけを指す言葉ではないのですね。自らの心身の美と健康を高める意識を持って実行する大人の女性を表現する言葉だったようです。
こちらの元々の意味で新人さんが私に対して使ってくれていたとしたら、それは確かにネガティブな表現ではなく、誉め言葉の一種なのかもしれません。ご本人に聞けないので、知る由もないですが。
しかし、「美魔女」という言葉がいつの間にか、「いつまでも若作りして、自己中心的に生きている、痛いおばさん」という揶揄を含まれるようになったのはなぜなのでしょう。
元々の「美魔女」という言葉の意味を改めて知り、「美魔女」という言葉は、能動的に心身の健康と美容、人生の充実を掴みに行く女性の像だったのに、揶揄を含んで使われてしまうのは、とてももったいないことだなと思いました。
■女性の美しさと年齢は関係ない
ツイッターの反応に見られる男性からの「女性の年齢神話(若い方がよい)」はもう放っておくとして。
私は、「へえ! 3X歳にとても見えないですね! 美魔女ですね! そんなに働いているのに!」と新人の女性から言われたときに、まだまだ若い女性にとっても、「女性の美しさは年齢に比例する」という通説が色濃く残っているのだなということを感じました。そちらの方がなんだか残念な気がしたのです。
だって、私たちは生きている限り、歳を取っていきます。歳をとるのを止められるのは死ぬときです。それなのに、歳をとることを「美しくなくなる」と恐れるなんて、とてももったいないと思いました。
60歳間近で起業して二足の草鞋を履く実母、元パリコレモデルで、70歳を過ぎても年に一度のご自身のシャンソンショーを開催する素敵なHさん、80歳を超えても現役司会のOさん、90歳を超えても朗読劇でキャリアを重ねる映画女優のTさん……。
私の身の回りにはとんでもなくエネルギッシュな人生の先輩がたくさんいて、その方々はみな、その年代その年代のおしゃれをし、美しい・強い笑顔で私の先を歩いています。
「あー、年齢ってただの背番号よ、製造番号よ、製造番号。神様が管理しているだけの番号よー」
元パリコレモデルのHさんは、私が30歳になったときに、ピッカピカの笑顔でそう言ってくださいました。Hさんのような方のことを、美魔女と呼んだ方が正しいのかもしれません。