靴のニオイが気になるときのお手入れ方法
靴のニオイが気になるときのお手入れ方法をご紹介します。元麻布で靴磨きやクリーニング、靴の修理などを手がける「スピカ」で代表を務める手嶋慎太郎さんが、自宅でできる靴のメンテナンス法を全10回でご紹介する連載です。
目次
ここまでさまざまな靴のメンテナンス方法について学んできましたが、靴のニオイが気になるという方も多いのではないでしょうか。靴のニオイは、靴の中に繁殖した雑菌が原因です。
素足で靴を履いたり、毎日同じ靴を履いたりしていると、ニオイの原因菌が繁殖して嫌なニオイがしてきます。ちなみに僕の親友のアキラ君は、毎日同じ靴を素足で履いていたので、おそろしく足が臭かったです(笑)。
最近は洗剤や柔軟剤の強い香りを「香害」なんて呼ぶほどニオイに敏感な社会になっているようなので、周りの人に不快な思いをさせないためにも、今回は靴のニオイ対策について勉強していきましょう。
靴のニオイ対策で用意するもの
・やわらかい布の切れ端(いらなくなったTシャツなど)or キッチンペーパー
・クリーナー
・使い古しの歯ブラシ
・消臭・除菌スプレー
STEP1 インソールについた汚れを落とす
素足で履いたパンプスやサンダルには、汗の塩分が固まって付着してニオイの原因となっていることがあります。布にクリーナーを少量取って、それらをきれいにこすり落としていきます(あまり強くこするとインソールの表面を傷めてしまうので注意しましょう)。
STEP2 歯ブラシで靴のつま先に残っているホコリや汚れを掻き出す
靴のつま先部分には、ホコリや髪の毛などがびっくりするぐらい溜まっています。使い古しの歯ブラシを使って、それらを丁寧に取り除きます。
特にブーツの先には、靴下のカスなどがたくさん残っていて、これらが雑菌の繁殖する原因となっているので、定期的に除去するようにしましょう。
STEP3 消臭・除菌スプレーをかける
(1)靴の中と底に消臭・除菌スプレーをかけます(消臭・除菌スプレーにはアルコール成分が入っていて、色あせする危険があります。アッパーにスプレーするのは避けた方がいいです)。
(2)スプレーは、消臭効果に加えてニオイの原因菌を退治する除菌効果もあるので、定期的にスプレーするのがオススメです。
STEP4 下駄箱やシューズボックス、玄関にも消臭・除菌スプレーをかける
カビが生えるのは、保管状態が悪い場合がほとんどです。下駄箱に保管していてカビが生えたのであれば、下駄箱やシューズボックスの中にもカビ菌が潜んでいる可能性があります。
濡らしたタオルやキッチンペーパーでカビ菌をきれいに拭き取り、全体に消臭・除菌スプレーをかけましょう。下駄箱の中に除湿剤を入れたり、扉を開けて風通しを良くしたりするのも効果的です。
また、履いたあとの靴をすぐにしまわずに、しっかりと乾燥させてから下駄箱にしまうのも大事です。
おまけ
カビがひどい場合には、専門家に相談するのがいいでしょう。
靴の中まできれいに水洗いするクリーニングや中敷きを新しくするインソール交換など、素人では対応ができないこともプロの技を駆使して靴を蘇らせることができるかもしれません。もう駄目だと諦めて捨ててしまう前に、信頼できる修理店に一度相談してみましょう。
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靴はお手入れすると美しく、長持ちします。せっかく買ったお気に入りの一足、おしゃれのお供として、長く一緒にいたいですよね。元麻布で靴磨きやクリーニング、靴の修理などを手がける「スピカ」で代表を務める手嶋慎太郎さんが、自宅でできる靴のメンテナンス法を全10回でご紹介します。
麻布十番にある「靴とバッグの本格メンテナンス スピカ」代表。靴好きが高じて開業。仕上がりの美しさに定評のある東京の人気修理店。