ハラコ素材の靴のお手入れ方法
ハラコ素材の靴のお手入れ方法をご紹介します。基本的なお手入れは専用のブラシと防水スプレーだけ。とても繊細な素材のため、できる限り汚さないよう履いてください。元麻布で靴磨きやクリーニング、靴の修理などを手がける「スピカ」で代表を務める手嶋慎太郎さんが、自宅でできる靴のメンテナンス法を全10回でご紹介する連載です。
目次
ハラコは、牛の胎児、もしくは生後間もない仔牛の革のことで、通常であれば取り除かれる毛をそのまま活かしているのが特徴です。
非常に繊細な素材のため、お手入れもクリーナーなどは極力使用せず、ブラッシングで汚れ落としと毛並みを整えてから、防水スプレーをかけて汚れが付くのを防ぐのがメインになります。
とにかく汚れが付かないよう注意して履くのが大事です(笑)。
ハラコ素材の靴のお手入れで用意するもの
・シューキーパー orブーツキーパー
・馬毛ブラシ(大)(靴クリームがついていないもの)
・ハラコ用防水スプレー
準備1 シューレースを取る
シューレースをつけたままだと、ブラッシングやスプレーをする際に邪魔になるため、お手入れの前に外しておきましょう。
準備2 シューキーパーを入れる(ブーツの場合は、ブーツキーパー)
靴を磨く際は、シューキーパーを入れて行うのがオススメです(シューキーパーがない場合は、新聞紙を詰めて代用しても問題ありません)。靴についた履きジワを伸ばしてあげることで、汚れやホコリを落としやすくするだけでなく、クリームを全体にムラなく塗ることができます。
STEP1 ホコリや汚れを落とす
クリームがついていない馬毛ブラシ(大)を使って起毛部分にたまったホコリや汚れを落とします。このとき、ハラコの毛足を確認して、毛足に逆らってブラッシングをすると汚れをうまくかき出すことができます。アッパーと靴底の境目や縫い目に詰まった汚れは、かき出すようにブラッシングします。
STEP2 毛並みを整える
馬毛ブラシ(大)で、毛並みを整えていきます。汚れを落とすときとは反対に、毛並みに沿ってブラッシングすることできれいに整えることができます。
STEP3 防水スプレーをかける
(1)ハラコ用の防水スプレーをかけます。
(2)目立たない部分(土踏まず付近など)に軽くかけてみて、シミにならないかテストします。
(3)問題がないことを確認したら、ムラにならないように30cmほど離して全体にスプレーします。スプレーは、防水効果に加えて、汚れをつけない防汚効果もあるので、履くときには毎回スプレーするのがオススメです。
(4)30分程度おいてスプレーが乾いたら、最後に馬毛ブラシ(大)を使って毛並みを一定方向に揃えるようにブラシングすれば完成です。
本連載のバックナンバーはこちらから。
靴はお手入れすると美しく、長持ちします。せっかく買ったお気に入りの一足、おしゃれのお供として、長く一緒にいたいですよね。元麻布で靴磨きやクリーニング、靴の修理などを手がける「スピカ」で代表を務める手嶋慎太郎さんが、自宅でできる靴のメンテナンス法を全10回でご紹介します。
麻布十番にある「靴とバッグの本格メンテナンス スピカ」代表。靴好きが高じて開業。仕上がりの美しさに定評のある東京の人気修理店。