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心にガツンと響くラップミュージック!『パティ・ケイク$』を要チェック 古川ケイの「映画は、微笑む。」#46

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2002年の『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、2015年の『ストレイト・アウタ・コンプトン』、そして2018年は『パティ・ケイク$』! 米サンダンス映画祭で観客総立ちの喝采を浴び、争奪戦となった話題のラップミュージック映画がいよいよ公開されます。主人公・パティの魂の歌声と、圧巻のラップパフォーマンスは必見です!

心にガツンと響くラップミュージック!『パティ・ケイク$』を要チェック 古川ケイの「映画は、微笑む。」#46

◼︎話題のラップミュージック映画が登場!

DRESS読者のみなさん、こんにちは。

今回みなさんにご紹介したいのは『パティ・ケイク$』というラップミュージック映画です。
本作は米サンダンス映画祭(※)で激しい争奪戦となりました。

監督のジェレミー・ジャスパーは、本作が初の長編監督作。
劇中音楽もすべてオリジナルで制作し、主人公・パティの魂の叫びをライムにのせて描きます。

(※)米サンダンス映画祭:アメリカで行われる自主制作映画を対象とした映画祭。数万人規模の客を招き、200本もの作品が上映される。

◼︎『パティ・ケイク$』のストーリー

ニュージャージーで暮らす23歳の女性、パティ(ダニエル・マクドナルド)は、いつか地元を出て憧れのラップの神様O-Zのようなヒップホップスターになることを夢見ていた。

だが、現実はお金もなければ、職もなく、その見た目から「ダンボ」と嘲笑されているパティ。
元ロック歌手だが今は飲んだくれの母親・バーブと、車椅子の祖母・ナナと3人で暮らしながら、内なる思いをラップの歌詞にしたためる日々を送っていた。

そんなパティの楽しみは、親友で音楽仲間のジェリ(シッダルダ・ダナンジェイ)とラップを歌いながら過ごすこと。

今日も、ジュリの働くドラッグストアに顔を出すと、パティは通称「キラーP」として、即興でラップを口ずさむのだった。

そんなある日、ひょんなことからフリースタイルラップ・バトルで因縁の相手を打ち負かしたパティは、ジュリから背中を押されスターになる夢に挑戦する決意を固める。

同じく音楽に情熱を燃やすバスタード(ママドゥ・アティエ)と出会ったパティは、バスタード・おばあちゃんのナナ・ジェリと4人で、それぞれの頭文字を取ったラップグループ「PBNJ」を結成し……。

◼︎ラップを歌い上げるディーバ(歌姫)から目が離せない!

主人公・パティをつとめるダニエル・マクドナルドは、パティの声を見つけるために2年以上の時間を費やしたと言います。

ラップを猛特訓するだけでなく、なんと東海岸に移り住み、ニュージャージーの訛りと立ち振る舞いを猛特訓したそう。
そんなダニエルが演じる、鳥肌もののラップシーンは必見です!

ラップシーンだけでなく、家族の問題や貧困に立ち向かうパティの葛藤を表現したダニエルの演技にも注目。

「この映画は未来が見えない主人公がただ人生を前に進もうとしている話なんです。夢を追いかけて、自分の情熱と内に秘めた自身をみつけて、そして人にダメだと言われても諦めることなく前に進むという成長物語なんです」

そうダニエルが語る通り、地元のニュージャージーを出ることを夢見た23歳のパティの青春物語は、音楽映画の枠を超えて、観客の心に深く届くことでしょう。

◼︎全米配給を手がけたフォックス・サーチライトって?

『パティ・ケイク$』の全米配給はフォックス・サーチライト・ピクチャーズが手がけました。

1994年に設立された20世紀フォックスの子会社である同社は、インディペンデント色の濃い作品の製作・配給を行っています。

過去には、『JUNO』『スラムドッグ$ミリオネア』『(500)日のサマー』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などを輩出してきました。

昨年は『gifted/ギフテッド』のような小粒の良作映画だけでなく、アカデミー賞作品賞にノミネートされた『スリー・ビルボード』や、同賞を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』を扱うなど、その作品選びの目は確かです。

アカデミー作品賞ノミネート! 『シェイプ・オブ・ウォーター』はアメイジングなおとぎ話

https://p-dress.jp/articles/6307

『パンズ・ラビリンス』や『パシフィック・リム』など、日本でもファンの多いギレルモ・デル・トロ監督の最新作は、アカデミー作品賞にもノミネートされた『シェイプ・オブ・ウォーター』。秘密組織の清掃員として働く発話障害の中年女性と、半魚人のような姿をした不思議な生きものの愛を描く、切なくも愛おしいファンタジー・ロマンスです。

フォックス・サーチライトでの配給が決まったことについて、ギャスパー監督は以下のように語っています。

「フォックス・サーチライトに選ばれたことは、私にとって夢のような話です。彼らは私の大好きな名画を公開してきた会社だからです。この映画がアメリカの小さな町の映画館で公開され、そこにいるその町のパティたちがこの映画の中に自分を見つけてくれることを期待します」

2017年12月にディズニー社によって21世紀フォックスが買収されたことにより、今後どうなるの? と映画ファンの注目を集めているフォックス・サーチライト・ピクチャーズ。

本作はそんな同社に選ばれたという意味でも、見逃せない作品なのです。

ストリートでのフリースタイルラップ・バトル、家族への愛憎、貧困や差別、友情と恋愛、スターへのサクセスストーリーと、『パティ・ケイク$』には実にさまざまな魅力が詰まっています。

音楽に詳しくないという方や、ラップミュージックはあまり聞いたことがないという方でも、心配は要りません。

単なる音楽映画と敬遠するのは、あまりにももったいない『パティ・ケイク$』は、4/27(金)より全国ロードショーです。

◼︎『パティ・ケイク$』公開情報

『パティ・ケイク$』
4月27日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
監督・脚本・オリジナル音楽:ジェレミー・ジャスパー
出演:ダニエル・マクドナルド、ブリジット・エヴァレット、シッダルタ・ダナンジェイ、ママドゥ・アティエ、キャシー・モリアーティ
配給・宣伝:カルチャヴィル×GEM Partners
上映時間:109分
公式サイト:www.patticakes.jp
© 2017 Twentieth Century Fox

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古川 ケイ

映画ライター。新作映画情報サイト「木曜日のシネマ」運営。 大学卒業後、インディペンデント系映画配給会社に入社し、映画業界誌の編集・ライター業務に従事したのち、宣伝部にて洋・邦映画作品の宣伝を手がける。その後テーマパーク運営...

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