着心地が良い服って何だろう。私が「愛のある服」だけを選ぶ理由
おしゃれに見られたい、カッコよく見られたい、いい女に見られたい。そう思って服を選ぶ時期は過ぎた。今服を選ぶときに一番重要な物差しは、「着心地が良いかどうか」。けれど、それは決して「楽ちん」であることと同意義ではない。「着心地の良い服」について考えてみた。
■「着心地が良い服」って何だろう?
着心地が良い服──。それはどう定義されるだろうか?
生地の肌触りが良くて、着ていて気持ちいい、という触感からくるもの。
体型に合っていて、着ていて締め付けられない、窮屈でない、という心地よいフィット感からくるもの。
色やデザインが好みに合っていて、身に着けることで心がウキウキするもの。
その他にも、仕事でがんばらなければいけないとき、自分に適度な緊張感と勇気を与えてくれる服。というのも一種の「着心地の良い服」と言えるのではないか。
ちょっと細身のタイトスカートやボディラインに沿ったニットワンピースなども女性らしい気分を上げてくれる、という意味では「着心地のいい服」だ。
決してウエストがゴムでダボダボのパンツや、伸びる素材の緩いワンピースばかりが、「着心地のいい服」ではないはずだ。
一度着るとやみつきになる「トーマス・メイソン」の生地で作られたシャツたち。コットンなのに肌を滑るような肌触りは、その日を素晴らしく「心地よい1日」にしてくれる。
■「着心地の良い服」はどうやって作られる?
仕事熱心な私の友人がよく言う言葉がある。
「仕事に愛のある人と一緒に仕事がしたい。そうでない人と仕事をするほど不愉快なことはない」と。
その場合、「仕事心地」は良くないものになる。
服もそれと同様。
「その服が愛を持って作られているか」
「その服が愛を持って扱われ、売られているか」
それが最終的に、着る人の心理状態に及ぼす力はあまりに大きい。
その服が心をこめて作られていて愛のある服ならば、プチプラか高級ブランドなのかに関係なく、間違いなく着心地のいい服になるはずだ。
丁寧に選ばれた布地、考えられたパターン(形)、裏地の色やパイピングの色、フックやボタンまでこだわって選ばれているTOMORROWLANDのBallseyの服。間違いなく「愛のある服」。
初めて買った18歳のときからずっと買い続けているブランド。そしてこれからも。60歳、70歳になっても。
■着心地が良いかどうかは、あなた自身にしかわからない
今季の流行最先端の服。
ロゴが入った一目でわかる有名ブランドの服。
派手な色や装飾、凝ったデザイン。
他人から見る服の表情はさまざまだ。
だが、その服が「着心地が良い」とわかるのは他人ではない。着ている本人のみがわかる。
そこに「着心地の良い服」が存在意義がある。
自分自身が一番知っているはずなのだ。
クローゼットにぶら下がっている服の、どれとどれが最も着心地が良いかということを。
逆に、安かったからと衝動買いしたけれど、実は着心地が悪くて、自分を騙し騙し着ている服もあることを。
そういった服は、着てみたら生地はゴワゴワ、縫製がひどいから体に馴染まない。一度着ただけで裾がほつれてくる、ファスナーやボタンも取れてくる。これでは本来楽しくあるべきおしゃれが、ストレスのもとになるだけ。
プチプラ服全部が全部そうではないが、そういう目に遭う確率は高い。
毎日我慢して着ることで間違いなく、日々の運気は下がってしまう。人生が下がっていく。
もう我慢するのはやめよう。
着ていて自分が心から気持ちよく感じる服だけを着よう。
たかが服、されど服。運気の上がる服を着よう。
我慢して服を着て生きるには女の人生は長すぎる。
そのうち、と思っているうちに女の人生はあっという間に過ぎていくのだから。
いつもベストな気分・精神状態でいられるように「着心地の良い」服だけを着て生きよう。
上質なリネンが素肌に気持ちいいTOMORROWLANDのシャツ。目にも鮮やかなブルーは、自分の目に入ると幸せになれる色。デニムはダメージ加工のないものが好み。ウォッシュ加減が上品なREDCARDのデニムと溺愛のエルベシャプリエのトートバッグで、すべてが「心地よい」休日コーデ。
■人は自分を幸せにする力を持っている。着心地の良い服を自分に着せることでそれは叶う
私はあるとき気づいた。
「ひょっとして、自分を一番幸福にできるのは“自分”なのではないか?」と。
どうしてこんなに当たり前のことに今まで気づかなかったんだろう? と目からウロコが落ちた。
もし、「自分」がいい気分でないならば、それはすべてじぶんのせい。
今の自分が置かれた状況は、紛れもなく今までの自分が作ったもの。
だからどんどん自分の力で変えればいい。自分で自分を喜ばせる仕掛けを作ればいい。
日本国憲法を変えることは私にはできない。
でも自分の毎日着る服を変えることはできる。
そうして、自分の人生をも変えることができるなずなのだ。
気に入っているシャツに前の晩、とことん丁寧にアイロンをかけると、「明日会社に行くのが楽しみ」という気分で眠れるようになる。
日々の自分の機嫌なんて、簡単にコントロールできるのだ。
着心地の良い服は、女の人生を幸せな人生に変える力を持っている。
「誰も見てないし」
「おしゃれなんて面倒」
なんて思わずに、着心地の良い服で、自分で自分をうんと幸福にしてあげよう!
無人島に男は本を持っていく。
女は替えのワンピースを持っていく。
それが女の幸福に必要だから。