たとえ片手で扱える小さなものでも、もう片方の手も添えることで、丁寧で優雅な印象に変えられます。
ものを取り上げる際や、渡す場面など、日常で多く活用できるのですぐに実践してみましょう(中略)
携帯電話や受話器は、片手で持つ方が多いでしょう。その際、もう一方の手を軽く添えるだけで、女性らしくエレガントな印象に変わります。
(20~21ページより引用)
美しい所作を身につけると、自信につながる
【積読を崩す夜】29回目では、『世界一美しいふるまいとマナー』(著:諏内えみ)をご紹介します。『DRESS』4月特集は「愛すべき、私のややこしさ」。自分に自信が持てない、今の自分があまり好きになれないーーそんなふうに感じることがある方へ。所作を変えてみると、少しポジティブな気持ちを持てるようになるかもしれません。
■美しいふるまいで自分が変わる
積んであるあの本が、私を待っている……。少し早く帰れそうな夜、DRESS世代に、じっくりと読み進めてほしい本をご紹介する連載【積読を崩す夜】。
29回目は、『世界一美しいふるまいとマナー』(著:諏内えみ)を取り上げます。
『DRESS』4月特集は「愛すべき、私のややこしさ」。自分に自信が持てなかったとしても、ふるまいを少し変えるだけで、私たちの毎日はより素敵なものへと変わっていきます。
多くの企業トップや政治家、女優たちに指導した経験を持つ著者が、美しくふるまうためのちょっとしたコツをご紹介します。
■ハンド&ハンドで優雅さを手に入れる
マナースクールで、多くの政界財界の著名人に美しい所作を教えてきた著者は、カウンセリングをすると皆、共通の思いを口にするといいます。「マナーと美しいふるまいを身につけ、緊張する場面でも自信たっぷりに堂々とふるまいたい……」。
マナーは「人に迷惑をかけないため」「恥をかかないため」のものと考える人が多いようですが、「自分を高める」「ワンランク上の女性になる」ためにマナーを学んでほしいと著者はいいます。
だからこそ、自分に自信が持てない人や、生まれ変わりたいと思っている人にぴったりなのだとか。
まず、マナーそのものを学ぶ以前に、ふるまいのひとつとして、手を添えるハンド&ハンドという方法を著者はすすめています。片手で持てるものや扱える状況であっても、もう片方の手を添えることで、驚くほどに優雅な所作に変わるのです。
そもそも、片手を添えるということは、代表的な和の所作なのだとか。たとえば、食事の対して、モノに対して、丁寧に感謝の心を持つことで、そのふるまいも自然に美しくなるのかもしれません。
■その贈り物、逆に失礼にあたらない?
目上の方へのお中元やお歳暮、昇進や転職などのお祝いの品として、靴下や室内履きなどを選ぶ方もいるのでは。
しかし「踏みつける」を連想させる靴下や靴は、目上の方への贈り物には適しません。
同様に「勤勉に」という意味のある文具も、目上の方に贈るのは避けましょう。
(50ページより引用)
喜んでいただくための贈り物。しかし、マナーを心得ていないと、不快な思いをさせてしまうこともあると著者はいいます。
会社などにおいて、目上の方に贈り物をするシチュエーションがありますが、知らないでいたら失礼に値することは少なくありません。また、このギフトでよいのだろうかと自信が持てなかったとしても、一般的なマナーを知っておくことは、安心と自信につながります。
たとえば、靴下や室内履き、文具は、気軽なギフトとして良さそうな気がしますが、「踏みつける」「勤勉に」という意味合いを考えると、目上の方へ贈るのは避けたほうが良いとされます。
同様に、昔から引っ越しや新築祝いには、火にまつわるギフトは避けたほうが良いと言われています。アロマキャンドルも一見おしゃれで喜ばれそうですが、違う機会に贈るのが無難です。
また、似た内容として、お歳暮とお中元について、著者はこのように語ります。
日ごろの感謝の意味を込めて贈るのがお中元とお歳暮ですが、お中元を贈った相手には、「その年にお世話になった」という意味を込めて、必ずお歳暮も贈るのがマナーであるのだとか。どちらかだけ送りたいときは、お歳暮だけでよいようです。
マナーの基本をしっかり押さえて、美しく贈ることができる人になりたいですね。
■お招きの受け方は相手の身になって
香水など香りの強いものは控え、あまり親しくない場合は幼児を連れていくのも避けましょう。
抱っこさせてもらうことも考え、ボタンやアクセサリーを赤ちゃんがちぎって、誤って飲み込むことのないよう配慮を。
フープタイプのピアスなども避けて。
(70ページより引用)
相手の自宅に訪問するというシチュエーションは、親しい友達ではない場合、とても緊張するものです。
相手の家庭や自分の状況によってもさまざまなケースが考えられますが、基本のマナーを押さえた上で、相手のことを考えた気遣いができる人こそ、美しい女性であると著者はいいます。
たとえば、赤ちゃんがいるお宅に訪問する場合は、安全面を配慮した状態で伺うことは特に大切。
訪問先のお子さんがアレルギーを持っている可能性もあるため、もしお菓子などの食べ物を持っていく場合は、あらかじめアレルギーの有無、気をつけるべきことを聞いておくのも現代のマナーといえそうです。
逆に、手土産をうっかり忘れてしまったときに、正直に伝えて謝るというありかたは、意外にもあまりよくないようです。「軽んじられた」と相手に不快な思いをさせないように、心ある嘘をついてその場をやりすごすのも、大人のマナーであるといえるのだとか。
いずれにせよ、相手の状況や心象をよく慮って、楽しい時間になるように気配りいくことが、お招きを受けたときのスマートなやり方といえそうです。
『世界一美しいふるまいとマナー』書籍情報
著者 諏内えみさんプロフィール
「マナースクール ライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。オールアバウト「暮らしのマナー」ガイド。皇室や政界、財界をはじめとするVIPのアテンダント指導、一部上場企業トップのメディアトレーニングなどを経て「ライビウム」を設立。豊富な実績にもとづいた、洗練された上質なマナーや美しい所作、スマートな社交術や会話力のレッスンを行う。とくに映画やドラマでの、女優の上品な所作指導に定評がある。テレビなどのメディアにも多数出演し、凛とした美しい女性、スマートな男性になるためのノウハウの指導を行う。社会貢献活動にも長く携わり、行政からの信頼も厚い。