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人はどうして嘘をついてしまうの? 偽りの奥にある意図が鍵になる

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わたしたちの生活の中に、広がる「嘘」。身近にあふれているからこそ、普段はあまり考えることはしないけれど、この「嘘」の正体はなんなのでしょうか。『「本心がわからないとき」に読む本』の著者であり、作家・心理学者として活躍する晴香葉子さんに、解説をお願いしました。

人はどうして嘘をついてしまうの? 偽りの奥にある意図が鍵になる

■人はなぜ嘘をついてしまうのか

混んでいる電車で足を踏まれたときに
「すみません、大丈夫ですか?」
と聞かれ、すごく痛いしとても嫌なのに
「大丈夫です」
と笑顔で応えたり……。

英語での会話中、聞き取れない単語があっても、
「I see!」
とすっかりわかったような表情で頷いたり……。

私たちは、生まれてから死ぬまで、数えきれないほどの嘘をつきます。“こうだった”というものから“こうしたい”というものまで、過去だけでなく未来についても、自分の都合のいいように、人にも自分自身にも話すことがあります。

そして多くの場合、そのような嘘に悪意はなく、穏便に済ませるためや、相手を傷つけないようにするためなど、うまく社会生活を営んでいくために使われています。

――本当のことばかり言う人間とは、とても一緒にやっていけないが、ありがたいことにその必要もないのだ――

これは、米国の作家、マーク・トゥエインの言葉ですが、英国ポーツマス大学の研究チームが行った調査によると、生後わずか6カ月の赤ちゃんにも欺瞞行為が確認できることがわかりました。

人はなぜ嘘をつくのか……。

その答えのひとつとして、“人間に備わっている機能だから”と言うことができると思います。

■嘘は相互理解を深めるためのチャンス

まだ終わっていないのに
「宿題終わった」
と嘘をつき、お母さんから怒られたばかりの子どもが、セールスの電話を取り次ごうとしたら「いないって言って!」と今度は嘘をつかされる……。

気が進まない会合の日時が近づいてきたら
「仕事が忙しいってことにして欠席しない?」
と同僚から口裏合わせの嘘を持ちかけられる……。

このように人間は、日常生活の中で、結託してまで嘘をつくことがあります。

しかしその一方で、自分が嘘をつかれることには大変敏感で、傷つきやすく、憤りやすいという傾向もあります。

「信じてたのに、嘘だったの!」
「君が僕に嘘をつくなんて……」

身近な人、親しい人の嘘であればなおのこと、たったひとつの嘘が、何十年も続いた信頼関係をいとも簡単に破壊してしまうこともあれば、死ぬまで続く蟠りになってしまうこともあります。

軽はずみについたほんの些細な嘘のせいで、人生が台無しになってしまったという事例もありました。

嘘は、つかれたときも、ついたことが露見したときも、どう対処するかがとても重要です。怒りに任せた行動は避け、事を荒立てず、うまく対処できれば、かえって相互理解を深めるチャンスにもなり得ます。そしてその鍵となるのは“嘘の奥にある意図”です。

■自分が嘘をついてしまった時、つかれてしまった時

自分が嘘をつき、それが露見してしまったならば、相手に“嘘の奥にあった意図”も伝えて謝ることがポイントです。“嘘と言う手段を何故選んだのか”、その理由も含めて真摯に謝れば、相手も受け入れやすくなります。

また、自分が嘘をつかれた時も“嘘をつかれた”という事実ばかりに意識を向けるのではなく、“嘘の奥にある相手の意図”に思いを巡らせてみることが大切です。

思いを巡らせてみれば、

「なんとか面目を保ちたかった」
「正直にはとても言い難かった」
「嫌われたくないから」
「傷つけたくなくて」
といった意図が隠れているケースが多々あります。

嘘は、必ずしも裏切り行為ではなく、相手が大切で失いたくないからこそ、“この先も良い関係を保つために”つかれることも多いものなのですね。

「本心がわからないとき」に読む本

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晴香 葉子

作家・心理学者・心理コンサルタント。東京都出身。文学修士(コミュニケーション学)。早稲田大学オープンカレッジ講師。日心連「心理学検定」1級。テレビ、ラジオ、雑誌など、メディアでの心理解説実績多数。心理学・コミュニケーション学...

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