デスクづくりの前に、まずなんのためにデスクを整えようとしているのか、自分のデスクにキャッチフレーズをつけてみましょう。
「モノを探さないデスク」「残業せずに定時で帰れるデスク」「売り上げをアップするデスク」など。
目標がはっきりすることで、デスクを整えるモチベーションが上がり、どうしたらそういうデスクになるのかというアイデアも思いつきます(中略)
理想は、目をつぶっていてもなにがどこにあるか把握できる状態にすることです。右利きの人なら右側にペンなど書くモノ、という具合に、スムーズに自分が動けるような動線を考えることも大切です。
(40ページより引用)
整理収納アドバイザーEmiさんが教える、快適デスクをつくる秘訣【積読を崩す夜 #24】
【積読を崩す夜】24回目では、『デスクと気持ちの片づけで 見違える、わたしの仕事時間』(著:Emi)をご紹介します。会社に行くのが憂鬱だと感じる朝でも、きちんと整理されているデスクがあれば、穏やかな気分で出社できそうです。整理収納アドバイザーの著者から、新生活に向かう時期に仕事がラクになるコツを学びます。
■デスクを片付けると、小さなストレスが減っていく
積んであるあの本が、私を待っている……。少し早く帰れそうな夜、DRESS世代に、じっくりと読み進めてほしい本をご紹介する連載【積読を崩す夜】。
24回目は、『デスクと気持ちの片づけで 見違える、わたしの仕事時間』(著:Emi)を取り上げます。
時間の使い方の仕分けや、デスクや資料整理で時短は可能。それだけで「仕事がラクになっている」感覚が味わえる、ビジネスストレスを緩和するコツを学びます。
■自分のデスクにキャッチフレーズをつけてみる
大学卒業後に入った会社で、通販カタログの商品企画に携わり、その傍らインテリアや暮らしの工夫を綴るブログを運営していた著者は、当初から仕事や家事の時短に興味があったといいます。
会社員時代に双子を出産し、やがてフリーランスに。現在では、整理収納アドバイザーとして、法人化した会社を夫婦で経営しています。
仕事と家庭の両立に悩んだ著者は、悩む時間ではなく、“工夫すること”に時間を使っていこうと思うようになったのだとか。
デスクと気持ちのちょっとした片付けで、仕事時間は見違えるものになり、その先には大事にしたい家庭の充実があるのだといいます。
片付けを始める前に、これから作りたい自分のデスクにキャッチフレーズをつけることを著者は推奨しています。商品企画をしていた著者らしい考え方。やはり作業前のコンセプトづくりが重要であるといえるでしょう。
デスクはディスプレイではなく、あくまで作業するスペース。自分がしたいことを叶えてくれる重要な場所をどう作っていくのかが、整理整頓の第一歩というわけです。
■1ジャンル1ボックス収納が基本
家庭でもオフィスでも、整理収納アドバイザーの私が一貫しておすすめしているのは、1ジャンル1ボックスという収納法です。
同じジャンルのもの、もしくは同じときに使うモノに対してそれぞれひとつの箱や引き出しを用意し、ほかのジャンルのモノを混ぜないという方法。
ボックス1箱に1ジャンルがまとまって入っているというのがわかりやすくてモノが探しやすく、戻すときもただボックスに放り込むだけでいいので、片付けがラク。もっとも便利な収納法です。
(17ページより引用)
デスクには、1ジャンル=1案件で書類箱を置くことを著者は推奨しています。縦型の収納ボックスには安価なものが多く、紙製で組み立て式のものなどいろいろとあります。
ボックスは放り込むだけでよいので、ファイリングするよりもぐっと楽。紙以外のものも収納できるうえに、中で多少ごちゃついてもボックスさえ取り出せば、必要なものがすべて整った状態になっています。
そのボックスに必ずラベルを貼るこが大切だと著者はいいます。ラベルがないと探しにくく、数秒であっても頭と時間を使うことになるので、必ずつけるべきだとか。
ここで気をつけるべきは、ボックスに余裕があるからと、関係ない他ジャンルのものを同じ箱に混在させないこと。でないと、必要なものが探しにくくなり、思考が分散されてしまいます。
ボックス収納によって、あれがない、これがないという煩わしさや、探す時間を大幅に短縮。仕事を効率化できそうです。
■体のバイオリズムにあわせて流れを決めておく
ひと月の中でも、調子がいいとき、低調になるとき、そんな波はありませんか? 女性特有の身体のサイクルの影響で、ある程度決まった体調の波がある人は多い気がします。
私の場合、月の後半のほうが、前半より体調が安定していると感じています。前半は、イライラしがちでささいなこともうまくいかないと感じる時期である一方、体調のいい時期は肌の調子もよく、自信を持って人と会えます。
そんな自分のサイクルがわかっていれば、体調に振り回されないよう、月の中で仕事の割り振りも能動的に考えられるようになってきます。
(70ページより引用)
体調がどうであっても、やらなければならない仕事はいろいろとあるものです。しかし、自分で割り振れる仕事に関しては、バイオリズムをふまえてタスクを組むことで、効率化をはかることができると著者はいいます。
著者の場合は、体調のいい時期には人の前に立つような案件を。そうでない時期には、社内での作業を入れる。バイオリズムの波を把握して仕事をしていくことは、女性が長く仕事を続けるうえで、いくつになっても必要な考え方だといえるでしょう。
さらに著者は、1日のなかにあっても、午前・午後・夕方と、3つの時間に分けて仕事の割り振りをしているといいます。
たとえば、著者の場合は、午前には打ち合わせやメール返信など、人と関わる作業を。午後は落ち着いてじっくり考える作業を。夕方は頭が疲れてきているので、あまり頭を使わずにできる作業にあてているのだとか。
もちろん、その人の性格や仕事内容によって、その配分は違うものです。しかし、1日を3つの時間帯に分けて、その時間帯に向いた作業を意識的に割り振る。それによってパフォーマンスが上がるという考え方は、納得がいくところです。
いずれにせよ、自分の時間を自分でコントロールすること自体が、不安感を払拭し、気持ちのいい仕事時間へと変えていける秘訣なのでしょう。
『デスクと気持ちの片づけで 見違える、わたしの仕事時間』書籍情報
著者 Emiさんプロフィール
整理収納アドバイザー。OURHOME主宰。
大学卒業後、大手通販会社に就職しインテリア収納用品企画を担当。結婚後、2008年に暮らしのブログ「OURHOME」を開始。2012年退社し、整理収納アドバイザーとして独立。家族をまきこみ、気持ちがラクになる片づけが得意。現在は、著書執筆、オリジナルのものづくり、くらしのレッスン運営と、幅広く活動中。NHK『あさイチ』『助けて!きわめびと』などメディア出演も多数。2015年に法人化し、夫婦で会社を経営。プライベートでは2009年生まれの双子の母。