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自分にとっての仕事とは。再就職を決意するまで

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今回は、仕事と子育ての両立に悩み、一旦仕事を辞めたものの、再就職を決意した田中雅子さん(49歳)に、復帰までの道のり、仕事の魅力、再就職へのアドバイスなどについて取材しました。

自分にとっての仕事とは。再就職を決意するまで

宅配ネットクリーニングを専門とする会社、株式会社ホワイトプラスで中途・新卒採用や人事制度、組織改革など人事全般を担当する田中雅子さん。

株式会社ホワイトプラス(注1)は、インターネットを活用した宅配クリーニングサービスを柱に生活サービス事業を展開、ゆとりと豊かさがあふれる社会づくりを目指す企業です。

(注1)株式会社ホワイトプラス

■仕事より家族との時間を優先したかった

―― 大学卒業後、大手総合商社に就職されたのち、通信系、EC分野の企業でキャリアを積まれ、さらに携帯コンテンツプロバイダである前社では、執行役員として第一線で活躍されていたのに、仕事を辞められたのはどうしてですか?

会社が上場を目指していたこともあり、その期待と責任は大きく、一方、家族、特に娘との大事な時間を犠牲にせざるを得ず、精神的にバランスを崩しそうになっていた時期がありました。

思い悩んだ末、家族との時間を優先することを決意、仕事を辞めました。44歳という年齢を考えると、復職はできないかもしれないという覚悟の上でした。

■再び仕事を始めることを決意

再就職

――子育て中心の生活を選択されたのに、再び仕事を始めようと思われたのは?

「仕事を離れて数カ月経った頃から、今度は何か『クサクサしている自分』に気づきました。

習い事にも行ってみたけど何かが違う。あれ? これは何? そうやって自問自答を重ねた結果、『やっぱり私、働きたい!』という気持ちに気づきました」

――仕事への意欲に火がついて、どのような行動を開始されたのですか?

「まずネットで仕事探しを始めました。子育てと両立できる仕事を探していると、世の中にはさまざまな求人があることに驚きました。『やれるところから始めてみよう』と決めて、まず主婦対象の派遣会社に登録し、自分の条件に合う仕事に応募しました。それが今の会社との出会いです」

■思ってもみなかった転機

――最初は短期の派遣で、データ分析の仕事をされていたとか。

「はい、そうです。働く時間は限られているので、その中で成果を上げられるよう、仕事に集中して、自分なりにがんばりました。そして久しぶりに、働くことで得られる充実感も感じるように」

――派遣社員から始まり、今は時短正社員(注2)でグループマネージャーという立場とのことですが、入社後にどのような転機があったのですか?

「半年ほど経ったころ、会社が事業拡大で人員拡大の必要に迫られ、採用活動を積極的に行わないといけない状況になったのですが、専任の人事担当者はいない状況でした。そんなとき、社長から『田中さん、採用業務をやってみませんか?』と突然言われ、正直驚きました。

以前から漠然と、これまでの経験を生かして、第一線ではなく、後方部隊として会社をサポートしていく役割が、これからの自分には向いているのでは、と思っていたのですが、社長の提案はまさにこれに合致していました」

注2:時短正社員 同社が田中さんのケースをきっかけに制度化した雇用形態。田中さんの場合は、この制度を使って、正規の勤務時間より朝夕それぞれ1時間短縮での勤務が認められている。

■仕事に対する姿勢が抜擢につながった

――予想していなかったポジションへの抜擢だったわけですが、どんなところが評価されたと思いますか?

「私の場合、仕事に対しては常に、"WILLを主張しすぎず、CANが大事と考えて行動する"をモットーにしています。

役割を得たら、理想とする自分の姿、取り組んでみたい仕事(WILL)の夢だけを追うのではなく、まず、会社に貢献するために何ができるか(CAN)を考え、実績を作る。その実績を認めてもらうことで、自分が取り組みたい仕事につなげるチャンスが作れると考えています。

そしてCANはPCのスキルや高度な業務知識だけでなく、"できること"と捉えています。社内に手伝えることはたくさんあるので、細かい雑務も進んで引き受けていますし、自分でも見つけて積極的に動くようにしています」

立場や年齢を超え、会社に貢献できることは、担当業務以外でも当たり前のことのように引き受ける。その姿勢が、これまでのキャリアに加え、仕事に対する熱意や人としての幅も示すことになり、今回の抜擢につながったと言えそうです。

■仕事を休んだ時期も無駄ではなかった

再就職

――今のお仕事内容を教えてください。

会社のビジョンに共感してくれる人材を探す仕事です。

必要なポジションに最適と思われる面談者をアサインし、会社の魅力についてアピールしていきます。昨今、優秀な人材を確保するため、獲得競争が激しくなっていますが、弊社の場合は、募集・面談・採用で終わりではなく、採用が決定してから内定者からの承諾をもらうまでの間も、入社後に活躍できるよう、相互理解を深めるためのコミュニケーションを取ります。

人材獲得のための全体コーディネートといったところですね。

また、新卒や若手の採用の場合、等身大で就活生の話を聞くことができる若い世代が対応する企業が多いですが、私の場合は、常にマナーを持って誠実に接する姿勢を見せることで、会社の信頼度を上げるのも大事な役割だと思っています。

――復帰前と今とでは、仕事への姿勢に変化はありますか?

以前は自分が第一線でプレイをして結果を出すのが役目だと思っていました。が、復帰後は、子育てで芽生えた気持ちかも知れませんが、影で誰かを支えたいという気持ちが強くなりました。

この気持ちと、今の人事担当という役割がぴったりと重なったことで、迷いのない仕事ができています。

■仕事を続けていけるのは会社の柔軟な対応のおかげ

――お子さんの中学受験もお考えとのことですが、仕事との両立は大変になりませんか?

受験時期はできれば長期休暇か在宅勤務できないかと考えています。

弊社のいいところは、個人的なことも、決定権を持つ役員にダイレクトに相談できるところ。時短正社員についても、子育てと会社での役割とを考慮した結果、新しく生み出された制度です。このように、役員陣がスピーディーに判断し、柔軟な対応をしてくれます。

私だけではなく、いろいろな事情を抱えている社員がいますが、どんな相談でも受け入れてくれるオープンな姿勢が経営側にあります。企業理念からしてそういうスタンスが備わった会社です。

同社は、ちょっとした工夫(ITを活用したサービスなど)があれば、誰もがゆとりをもって豊かに暮らせるようになる、というテーマを追求しています。そういう会社だからこそ、個々でさまざまな事情を抱えている社員に対して、仕事を諦めず、継続できる方法を一緒に考えて応援してくれるのでしょう。

■転職を考えている人へのアドバイス

――転職準備は「CAN=仕事上のスキル」を探すことから始まると一般的に言われていますが、田中さんのCANの見つけ方を教えてもらえますか?

私の場合は、新卒後で入社した会社が大企業だったので、そこで知らぬ間にビジネスマナーがCANとして備わったのかなと思います。おかげで2社目以降で、苦労することはありませんでした。

さらに自分のウリになるものを見つけるのであれば、一緒に働いた経験のある上司が見つけてくれるかもしれません。上司はかつての評価者で、自分の良いところもそうではないところもよく知ってます。また、人材紹介会社や派遣会社の面談で、自分では気づかないCANを引き出してもらった経験もあります。

自分のことは、思い込みやある種のバイアスがかかっていることもあり、埋もれている能力に気づかないもの。客観的なアドバイスをくれる誰かの手を借りるのもひとつの方法と言えそうです。

■~働くこと=自分の成長が実感できる~

――最後に、再就職して良かったと思いますか?

はい。役割があること、今一生懸命になれるテーマがあることにワクワクしますし、楽しいですね。日々降ってくる仕事に対して、頭を使い自分なりの工夫をして返す。仕事の数だけ自分の成長が実感できることが楽しいので、この感じをずっと続けていきたいですね。

(田中さんの満面の笑みが印象的でした)

再就職田中さん

前回取材させてもらった日本女子大の大沢教授も、「変化し続けることの楽しさ」が仕事をする理由だと、お話しされていました。

「変化を受け入れ」「成長し続ける」。これらのキーワードが再び社会に出る醍醐味だとわかります。今後も、セカンドキャリアにチャレンジするきっかけになる取材を続けたいと思います。

退職後の経験はすべて武器になる――女性の再就職のリアル(前編)

https://p-dress.jp/articles/5920

再就職をするにあたり、必要なスキルは何か、企業の求める人材は、そしてどういう企業をターゲットにしたらいいのか――。今回は、日本女子大学教授で現代女性キャリア研究所所長の大沢真知子先生に、「女性の再就職のリアル」についてお話を伺いました。

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DRESS編集部

人生を自分らしく楽しむ大人の女性たちに、多様な生き方や選択肢を提案します。

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