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トランスジェンダーの主人公が新たな人生を歩き出す『アバウト・レイ 16歳の決断』 古川ケイの「映画は、微笑む。」#37

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エル・ファニング、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドン。映画ファンなら観逃せない3人が親子3世代を演じる『アバウト・レイ 16歳の決断』がいよいよ公開となります。身体は女の子、心は男の子のトランスジェンダー・レイが、16歳になり新たな人生を踏み出そうとする本作は、観る者をほっこりとさせてくれる、普遍的な家族の物語です。

トランスジェンダーの主人公が新たな人生を歩き出す『アバウト・レイ 16歳の決断』 古川ケイの「映画は、微笑む。」#37

◼︎新たなる人生を歩き出す人へ贈る、ある家族の愛と希望の物語

DRESS読者のみなさん、こんにちは!

本日ご紹介する作品は『アバウト・レイ 16歳の決断』です。

『リトル・ミス・サンシャイン』で黄色いバスに乗った落ちこぼれ家族を、『サンシャイン・クリーニング』で事件現場の清掃を行う崖っぷち姉妹を描いてきた製作チームが再び集結した本作。

女の子の身体と男の子の心を持った16歳のレイと、その母親で恋多きマギー、レズビアンの祖母ドリーの3世代を、ユーモアたっぷりに描く家族の物語です。

■『アバウト・レイ 16歳の決断』ストーリー

女の子の身体を持って生まれたが、中身は男の子のレイ(エル・ファニング)は、シングルマザーのマギー(ナオミ・ワッツ)、レズビアンの祖母ドリー(スーザン・サランドン)、ドリーのパートナーのフラリーと4人で暮らしていた。

「男の子として生きたいーー」たったひとつの願いを叶えるため、16歳になったレイはホルモン治療を希望する。

治療に成功したら、誰も女の子だった頃の自分を知らない学校に転校して、人生をやり直したい、それがレイの唯一の希望だった。

レズビアンの祖母・ドリーは、レズビアンの自分と、トランスジェンダーのレイの何が違うのかが、理解できない。

「レズビアンじゃだめなの?」と質問するドリーに、レイの母親のマギーは「彼女は男の子なのよ」と言い返すのだった。

自分はレイの一番の味方、そう思っている母親のマギーだったが、いざホルモン治療の同意書を渡されると心が揺れ、なかなか書類にサインができないのだった。

さらに困ったことに、もう何年も会っていない元夫でレイの父親であるクレイグのサインも必要だと言われ、尻込みしてしまう。

そんなある日、とある事件をきっかけに、ついに書類にサインをする決心を固めたマギーは、役所から聞き出した元夫・クレイグの家に向かうのだが……。

■エル・ファニングがトランスジェンダーのレイを熱演!

16歳のレイを演じるのは、『マレフィセント』でオーロラ姫役を演じ、ソフィア・コッポラ最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』の公開も待ち遠しいエル・ファニングです。

『ネオン・デーモン』『20センチュリー・ウーマン』『パーティで女の子に話しかけるには』と、これまでもたびたび紹介してきたエル・ファニングですが、本作ではその可憐さを封印し、髪を短く切り、身体を鍛え、トランスジェンダーのレイを熱演しました。

【鑑賞注意】モデル業界に渦巻く嫉妬と欲望……毒に染まった美しき悪夢『ネオン・デーモン』- 古川ケイの「映画は、微笑む。」#1

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『ネオン・デーモン』はファッション業界に渦巻く、美しき女性たちの嫉妬と欲望を描いた話題作。監督は『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン氏。話題の新作映画を紹介する本連載では、エル・ファニングを主演に迎えた『ネオン・デーモン』の見どころや注目ポイントをご紹介します。

20世紀の女性賛歌『20センチュリー・ウーマン』は胸に響く珠玉の名作- 古川ケイの「映画は、微笑む。」#13

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ゲイをカミングアウトした自身の父親を題材に描いた前作『人生はビギナーズ』で大絶賛されたマイク・ミルズ監督が、自身の母親をテーマに6年ぶりに発表した新作『20センチュリー・ウーマン』。本年度アカデミー賞で脚本賞に見事ノミネートされた本作は、ミルズ自身の母親だけでなく、20世紀を生きたすべての女性たちへ贈るラブレターだ。

ブッ飛んでる! だけど切ない『パーティで女の子に話しかけるには』- 古川ケイの「映画は、微笑む。」#30

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『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル最新作は、イギリスの人気作家ニール・ゲイマンの短編を映画化した『パーティで女の子に話かけるには』。パンクミュージックとファッションに彩られ、エル・ファニングが惑星から来た美少女・ザンを演じる、新たな「ボーイ・ミーツ・ガール」ムービーの名作です。

■レイ、マギー、ドリー。親子3世代の演技合戦に注目!

エル・ファニング演じるレイと、レイの母親マギー、祖母ドリーの演技合戦にも注目です。

レイの母親マギーを演じるのは、デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』(01)で主役に抜擢され、『21グラム』(03)、『インポッシブル』(12)でアカデミー主演女優賞にノミネートされたナオミ・ワッツ。

恋多きひとりの女性でありながら、母親として、レイがトランスジェンダーであることを頭では理解しながらも、心が追いつかずに揺れるマギーを見事に演じ切ります。

また、祖母ドリーを演じるのは、『デッドマン・ウォーキング』でアカデミー主演女優賞を受賞した名優、スーザン・サランドンです。

自身もレズビアンで、パートナーの女性フラニーと暮らしながらも、孫のレイがトランスジェンダーであることはイマイチ理解できず、娘であるマギーと衝突してしまう「少しやっかいな母親」役はピッタリ!
貫禄ある演技をみせてくれます。

何年も会っていない別れた夫・クレイグに、マギーが会いに行ったことから、まさかの"秘密”が明らかになってしまう本作。

果たしてレイは無事にホルモン治療を受け、新たな一歩を踏み出せるのか。寒い季節にぴったりな心温まる物語をぜひチェックしてみてくださいね。

◼︎『アバウト・レイ 16歳の決断』公開情報

『アバウト・レイ 16歳の決断』
2月3日(土)より、新宿ピカデリー他全国公開
監督・脚本・製作:ゲイビー・デラル
出演:ナオミ・ワッツ『マルホランド・ドライブ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』、エル・ファニング『ネオン・デーモン』『20センチュリー・ウーマン』、スーザン・サランドン『依頼人』『デッドマン・ウォーキング』
配給:ファントム・フィルム
上映時間:92分
公式サイト:http://aboutray16-eiga.com
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古川 ケイ

映画ライター。新作映画情報サイト「木曜日のシネマ」運営。 大学卒業後、インディペンデント系映画配給会社に入社し、映画業界誌の編集・ライター業務に従事したのち、宣伝部にて洋・邦映画作品の宣伝を手がける。その後テーマパーク運営...

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