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”当たり前のルール”に疲れる女性たちへ【疲れる出会いを生み出す3つの原因】

恋愛における出会いの中で、疲れを感じたことのある『DRESS』読者は約半数。なぜ疲れてしまうのか? それは、あなたのせいではなく、〇〇が原因でした。恋バナ収集ユニット「桃山商事」清田代表が教えてくれるその理由とは……。

”当たり前のルール”に疲れる女性たちへ【疲れる出会いを生み出す3つの原因】

20代のころは仕事や趣味、友だちとの時間が楽しくて、恋愛の優先度はそれほど高くなかった。だけど、30代を迎えて「さぁ、そろそろ恋愛を」と出会いに目を向けてみたけど、いざとなるとどうしたら良いかわからない。

異性との出会いの場へと足を運んでみるけど、気疲れしてしまったり、相手のことをどうしても好きになれなかったり……。

こうした出会いの中で、「疲れる出会い」を経験した女性は少なくない。
DRESS読者を対象に行ったアンケート(※1)では、これまで異性との出会いに疲れた経験のある読者は約45%。

※1:アンケート結果はこちら


「どのコメントも『たしかにこれは疲れるよなあ……』と思わされるものばかりですよね。
こんなことで疲れてはいけない、と自分を奮い立たせようとされている方は多いと思うんですが、恋愛における出会いに疲れてしまうことって本人が悪いわけじゃないと思うんですよ」

DRESS読者から送られた「出会いに疲れたと感じた経験」に関するエピソードに目を通しながらそう話してくれたのは、恋バナ収集ユニット「桃山商事」の代表・清田隆之さん。彼はこれまで1000人以上の女性の悩みに寄り添ってきた、いわば恋バナのプロフェッショナルだ。

先日おこなった「恋愛における出会い」に関するアンケートには、「いつもの自分よりも、良く見せようとして疲れてしまう」や「子どもを産める年齢について真面目に考えると出会いに焦ってしまい疲れる」など、さまざまな体験が寄せられた。

清田さんは、200以上あるすべてのエピソードを読み終わってから、穏やかな表情で「みなさん、自分が疲れていることも、その原因や打開策もわかっているんですね。だからこそ、ここでは『自分を責めすぎないで!』『疲れの原因は自分以外のところにあるから!』ということを伝えていきたいです」と話す。

「疲れる出会い」の原因はあなたのせいじゃない

清田さんの話によれば、DRESS読者世代(30~40代)の女性たちが、異性との出会いに疲れてしまう要因は

「社会規範」

「両親や周囲からのプレッシャー」

「ピンと来ない男性との出会い」

という3つに大別できるという。

「疲れる出会いへ処方箋」では、三回に渡ってこれらの実態を明かしながら、疲れの出会いを少しでも緩和できる方法を探っていく。第一回目の今回は「社会規範」。世の中の“普通”に追い込まれる女性たちの“疲れの正体”を解明する。

■疲れる出会いの原因のひとつめ「社会規範」とは

――「社会規範」が疲れの原因のひとつだとして、これらがどのような「疲れ」をもたらすのでしょうか?

そうですね、たとえばこちらのエピソードとかは典型的ですよね。

「年齢より若く見せようとするとかえって老けて見えて疲れる」
40代女性(会社員)

「年齢的に今がチャンス! と婚活アプリや出会いの場に、無駄に出かけているとき」
40代女性(自営業)

――たしかに女性にとって「年齢」はとても気になるポイントです。婚活が上手くいかないと焦っていくのも、歳をどんどんとっていくからです。

その背景にあるのが、この社会に根深く刷り込まれている「女性は若ければ若いほど価値がある」という考え方ですよね。これらが「社会規範」の顔をして蔓延していて、女性もそれを空気のように吸い込んでしまっている。

年齢を重ねるほど自分の価値が目減りしていくという感覚の中で生きるのはしんどいことだし、婚活に「疲れ」を感じでも不思議ではない。年齢を気にしない男性だって本当はいっぱいいると思いますが、”若いほどいい”という「社会規範」が女性を苦しめている側面も大いにあると感じます。

桃山商事代表・清田さん

――こんなコメントも多くいただいています。

「婚活パーティーに参加しようとしたり逆ナンしたとき」
40代女性(パート勤務)

「合コンや婚活パーティーなど、結婚や付き合う前提で会い、話をする自分が滑稽に思えて落ち込んだことがある」
40代女性(医師)

言わば、自然な出会いや運命の出会いが「社会規範」になってしまっている。だから、恋愛や結婚を目的とした婚活や合コンに対し、「本当はこういうものを利用したくなかった」という後悔や罪悪感を感じてしまうのだと思います。

どれも出会いのきっかけに過ぎないので、本当はそんな規範は無視しちゃえばいいと思うんですが……なかなかそうもいかない。

――めでたく恋人同士になれたとしても、馴れ初めを聞かれて「婚活パーティで出会った」「婚活アプリで出会った」というのはちょっと言いづらいなと思ってしまいます。

いい関係を築けていれば、どんな出会い方だっていいはずなんですけどね……。

逆ナンだって立派な出会いです。でも、「アプローチをするのは男側から」という「社会規範」があるからそういう風に思えない。女性から声をかけることに、どこか「正しい道から外れている後ろめたさ」みたいなものあり、それが疲れの一因になっているのではないでしょうか。

桃山商事の元にも、婚活や恋人探しに疲れを感じて相談にやってくる女性は少なくありません。彼女たちと話していて感じるのは、何事にも一生懸命で、とにかくマジメな人が多いということです。

勉強を頑張って、学校を卒業して、仕事を一生懸命にやって、人づきあいも自分磨きもちゃんとやって……と、その場その場で求められることを一生懸命やってきた。それで、気づけばアラサーになっていて、段々と“妊娠のリミット”を意識するようになり、恋愛や結婚に対して焦りのようなものが生じてくる。

でも、どうしていいかわからない。

だから努力の方法を教えて欲しい……。

恋愛相談から見えてくるのは、そういった女性たちの焦りや生真面目さです。

ただ、勉強や仕事と違って、「恋愛」って運の要素がすごく大きいというか、努力と結果が正比例してくれる世界じゃないんですよね。つまり、必ずしも頑張ったから報われるというわけではない。そういう理不尽な仕組みの中で努力を重ねる。

それだけでもしんどいことなのに、さらに「社会規範」に囚われ、常識や世間体といった要素も重くのしかかってくる。真面目で一生懸命な女性ほど「疲れる出会い」に陥りやすいと感じます。

■疲れて当然! レッツ休憩!

人間って「感情」と「言動」が一致しない時にストレスを感じるそうなんです。
例えば「婚活パーティや婚活アプリでの出会いは不自然」という意識はあるけど、出会いのチャンスを増やすにはそれらを利用せざるをえない……といったケースはまさに感情と言動が不一致を起こしていて、そのストレスパターンに当てはまります。

そもそも「適齢期になったら誰かと出会って結婚しなきゃいけない」というのも「社会規範」。もちろん妊娠のリミットがあるので呑気なことは言えませんが、たとえ適齢期と言われる年齢であっても、本人が望むなら仕事や趣味に全力投球したっても全然いいと思うんです。だけど、世の中に蔓延する“当たり前のルール”が女性たちを縛り、苦しめている……。

――思い当たる節がたくさんあります……たしかに「社会規範」のせいで疲れていました。

もちろん疲れの要因は他にもあるわけですが、「疲れたな」と感じたら、思い切って休んじゃっていいと思います。

「自分に何か原因があるのでは?」「まだまだ努力が足りない!」などと自分を責めず、ときには「こんなしんどいことやってられっか!」というマインドで「社会規範」を放り投げてみることをオススメします。疲れたらレッツ休憩!

取材協力/桃山商事代表・清田隆之

Text/佐藤牧子

編集・写真・イラスト/小林航平

1月大特集「疲れない出会い」はこちらからご覧いただけます。

1月大特集「疲れない出会い」

https://p-dress.jp/articles/5968

『DRESS』1月特集は「疲れない出会い」。恋愛への入口となる「出会い」で、背伸びしたり、無理したり、取りつくろったり。自分を追い込んでつらいと感じているなら、がんばりすぎるのはやめてみませんか。無理することなく、自然体で過ごすなかで、素敵な出会いを手にするヒントをご紹介します。心が喜ぶ出会いを見つけよう!

清田隆之(桃山商事)プロフィール

1980年生まれ。東京都出身。恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。これまで1000人以上の悩み相談に耳を傾け、恋愛とジェンダーをテーマに執筆活動を行う。ウェブメディア「wezzy」や「cakes」などで連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)、『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)がある。ニコ生番組「桃山商事の恋愛よももやまばなし」も更新中。

『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)

生き抜くための恋愛相談

「好きな人からセフレの誘い…」「いい人だけどつまらない…」「すぐ不機嫌になる男って何なの?」そんなアラサー女子の悩みを徹底解明!『逃げ恥』作者の海野つなみ先生も絶賛した桃山商事の最新刊。

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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