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他人を叩いたところで、自分の人生は良くならない、という現実

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有名人の不倫についてのバッシングがここ数年、勢いを増しています。不倫は関係者の誰かを不幸にしてしまうから、決して良いとはいえないもの。でも皆がここぞとばかりに寄ってたかって叩く様子に、違和感を抱いたことはないでしょうか。有名人に限らず、身近な人のことも同じ目に遭わせているかも、と一度振り返ってみては。

他人を叩いたところで、自分の人生は良くならない、という現実

■自分とは何も関わりない芸能人の不倫を叩くメンタリティ

うんざりするほど不倫疑惑報道が続く。

1月、小室哲也さんが引退宣言をしたのを受けて、世間では「不倫疑惑報道ってひどい」という声も多く聞かれるが、本当に問題なのは報道以上に、それを面白がり盛り上がる消費者のメンタリティだろう。

もちろん不倫スキャンダルを知って、個人的に「イヤだな」「嫌いだな」と感じるのは自由だ。でもそれを通り越して罵詈雑言をSNSや掲示板に書くなど、いわゆる「叩く」行動に出るのは行き過ぎではないか。

よく言われるように、不倫は犯罪ではない。しかもスクープされる芸能人を叩いている人たちは、多くの場合、家族でもなんでもない他人だ。当事者の妻ならわかる。夫ならわかる。不倫で具体的に被害を受けているわけだから。

でも他人が、犯罪でもない他人の恋愛沙汰を糾弾するなんて、冷静に考えてなんか変じゃないか。

■身近にもあふれる、噂話と勝手な正義感

芸能人に限らず、ご自身の日常でもこういうことが記憶にないだろうか。

学校や職場、地域コミュニティで、誰かにまつわるスキャンダラスな噂話が広まっていくこと。それも事実だけが淡々と伝えられていくわけではなく、背びれ尾ひれがどんどんついて、いろいろな人の想像がごちゃ混ぜになった話が広まっていくこと。そして噂された人は、周囲から一方的に非難の目で見られること。

恥ずかしながら、私自身も中学生のころはそういう噂話が広まるのに荷担していた。「◯◯ちゃんて、彼氏の◯◯くんのことひどい振り方したらしいよ!」「え-、ひどーい! ◯◯くんかわいそう!」。そしてその噂されている女の子は、なんとなく周りの女子から白い目で見られ、遠巻きにされる。

数週間でおさまってはいたが、今思うと意味がわからない愚行だ。詳しいことなんて当人同士にしかわからないのに、面白がって噂して、勝手な正義感を振りかざす。だいたいその「◯◯くん」とはせいぜいちょっと話をするくらいで、親でも兄弟でも親友でもないのに。正義感を共有することによる仲間意識を楽しんでいたのかもしれない、とも思う。本当にバカだ。

■自分が「される側」になって初めてわかった、噂話の愚かさ

自分が愚かなことに荷担していたんだなと痛感したのは、自分がまさに「噂される側」になったときだ。

大学時代、同じサークルにいたある男の子と付き合って、別れて、その後比較的短期間で別の男の子と付き合い始めた。それぞれとの交際期間はかぶっていなかったし、間隔が短かったのも偶然だ。

なのに、「乗り換えた」「天秤にかけた」という噂が広まること広まること……! 心配した女友達からそっとその噂について聞かされたとき、死ぬほどびっくりした。話が事実と全然違う……。断片的な情報が勝手に編集されて、スキャンダラスなストーリーを作り上げられてしまう怖さが身に染みた。

幸い村八分にされるとかそういう事態にはならなかったが、一部の女子にはわりと長い間、白い目で見られた。うんざりだ。

20代前半で、つくづく思ったし、気づいた。「本当のところは本人たちにしかわからない。外野が勝手なこと言うもんじゃない」と。

■よく知りもしないで他人を叩く暇があれば、自分の人生に集中したほうがいい

面白半分、ストレス解消、仲間意識への欲求……他人を叩く心情にはいろいろあるだろう。誰だって心の中にそういう愚かな弱い部分はある。

でもそれを実際に他人に向けて発してしまう前に、理性を働かせたい。もう私たちは大人だ。

自分に何の関係もない他人の色恋沙汰に正義感をふりかざす前に、自分の日常に注力したほうがよっぽど建設的だし、美しい人生を送れるのではないか、と自戒をこめて思う。

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吉原 由梨

ライター、コラムニスト。1984年生まれ。東大法学部卒。外資系IT企業勤務、教授秘書職を経て、現在は執筆活動をしながら夫と二人暮らし。 好きなものは週末のワイン、夢中になれる本とドラマ、ふなっしー。マッサージともふもふのガ...

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