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自分の性体験を話してドン引きする男ならすぐに切りなさい

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社会学者の宮台真司さんとAV監督の二村ヒトシさんが、共著『どうすれば愛しあえるの』を出版。本書の発売を記念してイベントを開催。後編では、実りのある関係を結べる男性を選ぶ方法を詳しく語りました。

自分の性体験を話してドン引きする男ならすぐに切りなさい

12月17日(日)、社会学者の宮台真司さんとAV監督の二村ヒトシさんによる共著『どうすれば愛しあえるの』(KKベストセラーズ)の出版記念イベント「あなたは性愛で幸せになれるのか!?」が世田谷区男女共同参画センターで行われた。

前編・幸せなセックスは「与えあう」、不幸せなセックスは「要求する」は宮台さんと二村さんが「社会の中と外」における恋愛やセックスについて言及。イベントの後半は参加者からの質問コーナーがもうけられ、参加者の疑問や悩みに宮台さんと二村さんが寄り添って回答する形となった。

■自分と相手が生きやすいように、結婚を「使ってみる」

男性からの質問:今の社会は、名目上は自由恋愛による結婚だと思いますが、それも法の営みですよね。そう考えると、これから恋愛は社会にとって必要なんでしょうか?

宮台さん(以下、宮台):社会には人口学的再生産とストック継承を巡る紛争回避が必要です。そこで法が正規だと認めた関係から産まれた子に継承権を与える結婚制度が生まれた。人口学的再生産と継承紛争回避ができれば結婚は要らない。

結婚に必要なマッチングができさえすれば恋愛も要らない。社会の「内」と恋愛はそんな関係だから、社会の「内」だけを考えるなら、恋愛は不可欠じゃありません。

結婚には男女の引き合わせが必要です。定住社会の出発点である部族段階では、血縁的続柄から相手を指定する婚姻規則を使った。大規模定住化(文明化)で階層化すると、上層は上層同士という具合に階層原則を使った。

近代化で階層非一貫化すると──金持ちだけど権力はないとか権力者だけど真実を知らないとか──19世紀半ばから恋愛での結合を使うようになる。昨今は性的退却でマッチングできなくなりました。

恋愛自体は、12世紀から始まった貴族の既婚者同士の営みでした。恋愛とは情熱愛。情熱とは制御不能な感情。「あなたが世界のすべて」と表現しました。感情の制御不能性を証するのが「法の踏み越え」。だから既婚者同士なんです。例外的には未婚者同士でも「法の踏み越え」があればOK。16世紀のシェイクスピアを見ればわかるよね。

二村さん(以下、二村):シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の時代は、本当の恋愛をしたら、死ななきゃいけなかった。

宮台:そう。「あなたは世界のすべて」って言葉は誰でも言える。だから嘘臭い。そこで「真の心」の証明が問題になりました。当初は「真の心」を証するのは病と死でした。

二村:死の代わりに結婚というイベントが用意されたんですね。

宮台:そう。貴族のゲームだった恋愛は19世紀に小説の流行で庶民化しますが、庶民にとって「真の心」の証が死じゃハードルが高い(笑)。そこで「真の心」の証として結婚が持ち出された。そんな流れで愛が結婚を必要とし始めた。たった150年前からね。

それが逆転し、結婚には愛が必要だとなったのが20世紀。結婚したいから恋愛しなきゃみたいな(笑)。でも結婚と恋愛はルーツが違う。結婚は人口学的再生産と継承権紛争回避の営み。恋愛は情熱=制御不能の営みで、結婚制度の無視が恋愛でした。

結婚自体は「使ってなくても俺のもの」という所有概念の応用。だからセックスレスがある。恋愛はもともと結婚のためにあるんじゃない。教養がないクズが不倫ごときで噴き上がる。

二村:ご質問は「これからの時代は、恋愛なき結婚でもいいんじゃないか」ということ? それとも恋愛することの意味について?

男性:僕、26歳なんですけど、祖父母から「そろそろ結婚する年だな」と言われまして。

宮台:それがまさに社会だよね。でも今日は社会の「外」にある恋愛の話をしている。

男性:あまり結婚をする意味がわからないなと。

宮台:意味がわからないなら結婚しなくていい。結婚自体はただの紙だろう。必要なのは家族の絆じゃない? 広い意味では「仲間」の一種だ。「仲間」の定義は「損得を超えて内から湧く力」が働く範囲です。「いいね!」ボタンじゃなくね。「損得を超えて内から湧く力」に向けてチャレンジすることが大切です。

二村:僕は別の本で「エロいセックスは共犯関係である」ということを書きました。セックスじゃなくてもいいから何らかの共犯関係を結べるような相手が見つかったら、その相手と法の外で関係を結ぶ。

その関係は、べつに最初からセックスレスでもいい。この人とは何らかの法の外で、宮台さんの言葉を借りると「握り合った」人と、おたがい社会向けの仮面をかぶって籍を入れればいいんじゃないのかな。それが「結婚を使う」ということ。

外圧で結婚「させられる」ことを選ぶと、疲弊するよ。損得勘定で結婚を決めるのも良くない。あなたと相手が生きていきやすくなるために結婚する。それで相手が異性であるなら、子どもをつくることもできる。

宮台:一言加えると、年長世代の人はお見合いで結婚しました。僕の両親世代は7割がそう。それでも、恋愛で結婚する昨今の若い人と違って、多くの荒波を「ふたりで」乗り越えて絆を作った。お見合いより恋愛で結婚した方が絆が深いというのは錯覚です。

■女性が求めるエロい男は200人にひとり!?

女性からの質問:性的魅力を感じられる男性が少なすぎると思うのですが、それはなぜですか?

宮台:簡単。損得男が多いから。損得男にとって恋愛は〈交換〉。だから見返りを求める。「俺はこんなに愛しているのに何で振り向いてくれないんだ!」と。ストーカーが典型。何日も待ち伏せして偶然を装ってキッカケを作る営みは昔からあった。

「それもストーカー?」みたいに訊く人がいるが違う。ストーカーは「これだけやってるんだから返礼しろ」と〈交換〉に粘着する。恋愛で大切なのは〈交換〉より〈贈与〉。損得より内から湧く力。愛や正しさのために法外=社会の「外」に出られるか。

恋愛から退却する男に尋ねると「コストパフォーマンスが悪いから」と答える。〈交換〉しか頭にないクズ。でも恋愛に乗り出して「支払ったコストの見返りを出せ」と粘着するクズよりマシだ。ちなみに〈交換〉として見合うかどうか絶えず損得計算する輩を、僕は「クズ」と呼ぶ。

二村:多くの男性が「とろけるようなエロいセックス」をしてくれそうにない、安っぽいAVみたいなセックスじゃなくて、私を法の外に連れ出してくれるようなセックスをしたいのに、そういう男性がいそうにない! ということだよね。

実際に、そういう若い男性は減っているんでしょう。今日ここに来ている男性は「できる・できない」じゃなくて「したい・したくない」だったら、セックスしたいほうの男性が大半だと思いますが……。

宮台:世の中に出るとまた違うけどね。

二村:世間には「セックスはもうたくさんだ」という人も増えていますが、セックスをしたがっている男性を見つけるのは、そう難しくはないでしょう。ただ、したがる男性たちのクオリティーが保証されているかというと、そうではない。

一部のフェミニストが「男性はみんな暴力的で、AVの悪影響によって突っ込みたいだけ、ヤリチンは抱いた女の数を増やしたいだけだ」と言いますが、それも一理あります。まさに損得男だよね。

宮台:どう男を選ぶか。「気持ちのよいセックスをしてくれる男」を探しても簡単に見つからない。見つかるのは「AVみたいに潮を吹かせられるぜ」「中イキさせられるぜ」みたいなクズ男ばかりになった。女が体験していることを自分の心にそのまま映し出せる男がいない。でも見つけなければいけないのはそうした男だ。どうすればいいか。

女の心を自分の心に映し出せる力──G・H・ミードの「役割取得」──の有無を判別する簡単な方法。女が「複数プレイをしたことがある」とか「バイブを使ったことがある」と言うと引く男がいるから、それを切ればいい。まともな男なら、複数プレイやバイブで女が「何を」体験したのかに関心を寄せる。それで9割の男を切れる。簡単でしょ?

似ているけど別の段階的なやり方です。まず、女が過去の性体験を話して引く男を切る。体験を映し出す力がないから。ここで8割切れる。次に、「君はこんな髪型が似合う」「こんな服が似合う」と訳知り顔に言う男を切る。女をアクセサリー視してるから。ここでさらに1割切れる。ここまでで1割、つまり10人にひとりが残ります(笑)。

そこからさらにマザコン男を切る。「こんど母に会わせたい」と言い出す男や、母親の役割を要求する男ね。ここまでで20人にひとりになる。でも、その20人にひとりが自分を好きになってくれないかも。好き同士になっても相性が合わないかも。僕の方程式では、ある女性に関心を持ってくれた男の200人にひとりしか「まともな男」はいません。

二村:ところで、もしあなたがその「200人にひとりのエロい男」と出会えて、彼が自分の心にあなたのエロスを映し出してくれたとき、あなたの側は彼の心を、自分の心に映せますか? いい男を探すだけでなく、お互いが変わっていかないとよりエロくはならない

ダメな男に出会ったとき、彼の欲望を自分の心に映すことで、ダメな男が少しマシになる可能性もあります。もちろん、ダメなままのときもあるけど。本でも語ってますけど、僕も宮台さんもかつてはマザコンだった。そこを乗り越える過程で、僕らも女性を傷つけ、女性から傷つけられてきました。そうやって成長してきた。

宮台:僕がおすすめする「インスタント識別法」があります。嘘でいいから「ごめんね、こないだ他の人としちゃったんだ」と言ってみるんです。そこで激昂して収集がつかなくなる男を切る。以上。

そうならない男、つまり「それはどんな経験だったの?」「前からそうしようと思ってたの?」と、あなたの心に興味を示して理解しようとする男なら見込みがあります。見込みがあったなら「ごめん、嘘だよ」と言えばいい(笑)。

二村:簡単に言うと「ダサい男相手には、エロいセックスはできない」ということです。ダサいかどうかの判断基準は、自分の心の中の鏡にあるはずです。でも、ダメな男を見分ける方法ではなく、「ダメな男が多すぎるのはなぜですか?」というご質問ですよね。

まさに『どうしたら愛しあえるの』の中で宮台さんがそれを社会学的に説明してくださってますが、簡単に言うと、感情が劣化していて、恋愛やセックスの関係において相手を支配しないと不安な人が増えているからでしょう。支配のセックスは、エロくありません。

宮台:男性諸氏に尋ねますが、彼女が「こないだ仕事で会えないと言ったけど、実は別の男とセックスしてたの」と告白してきたらどう振る舞いますか? 「そこで何を感じたの?」「僕との間で何が不満だったからそうしたの?」と訊ねる前に、「誠意を裏切った!」と怒るはず。

それを“翻訳”すれば「コントロールから外れやがって!」となります。浮気されたとき、女が女(=恋人の浮気相手)に対して怒るのに、男が女(=恋人)に対して怒るのは、そのためです。だからこの“実験”は男がコントロール系かどうかを計るバロメーターになります

そうならないためにはどうしたらいいかを考えれば、コントロール系の男であり続けるのをやめる訓練の方向が見えてくる。若い皆さんには厳しいハードルだけど、訓練を通じて経験を重ねればハードルを超えられます。

二村:彼女の過去の性体験を聞いて、ビンビンに勃起するくらいじゃないとね!

宮台:せっかく僕らの話を聞いたのだから、「そこまで鍛えるぞ」と決断しほしい(笑)。

(完)

Text/姫野ケイ

『どうすれば愛しあえるの』書籍情報

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DRESS編集部

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