白ワインといただく冬のアルザス料理「ベッコフ」の作り方
赤ワインは健康効果が高いと注目され、白ワインはちょっと押され気味。だけど白にも、うれしい効果があることをご存知ですか。それは女性を美に導いてくれるもの。今回は白ワインと相性が良い、アルザス地方の郷土料理「ベッコフ」の作り方をご紹介。「パン屋の釜」という意味を持つ一品は、ボリュームがありディナーにおすすめです。
■白ワインはデトックス&美肌効果に期待
外食においてはもちろん、家庭の食卓でも親しまれるワイン。特に赤ワインはポリフェノールを豊富に含んでいて、「サビない体」を作ると、話題になったことも。
赤にするか、白にするかは料理の内容によって異なりますが、どちらでも良いとなれば、健康のことを考えて赤を選ぶ方が多いのではないでしょうか?
しかし、白ワインには赤ワインとは異なる魅力が。白ワインに含まれる「カリウム」には利尿作用があり、体内の余分な水分や老廃物を排出して、むくみを解消します。
さらに、美肌に欠かせない「ミネラル」も豊富で、デトックス&美肌効果が期待できるというわけです。
だからといって、たくさん飲むのは禁物。ワインを好むフランス人でさえ適量を守って、定期的に楽しんでいるそう。フランスのメディアでも、1日にグラス1~2杯の摂取が良いとされています。
ちなみにフランスの友人は、毎晩ではないけれどアぺリティフ(食前酒)として、グラス1~2杯のワインを飲むのが好きとのことでした。
さて、寒い季節はアツアツの料理とワインで乾杯といきたいところですが、フランス人にそんな料理を出したら、熱すぎて食べられないと言われてしまう可能性も。
というのもフランス人が食べる料理は、ほんのりと温かいものが多く、それは日本人にとっては正直ぬるい印象。
しかしこれにより、ひとくち目から深く味わうことができるわけです。彼らは熱いものを食べる習慣がないので仕方がないこと。とはいえ、やはりアツアツの料理は美味しいですよね!
今回は白ワインと相性抜群の、アルザス地方の冬の定番料理「ベッコフ(Baeckeoffe)」をご紹介しましょう。
■アルザス地方の郷土料理「ベッコフ」とは
フランスとドイツの文化が混ざり合う、フランス北東部「アルザス」には、この地方ならではの郷土料理がいくつかあり、そのひとつが「ベッコフ」です。
簡単に言えば煮込み料理で、3種類の肉(牛肉・豚肉・子羊)と野菜を白ワインでじっくり煮込んだもの。スフレンハイムという町で作られた陶器鍋を使い、手間ひまかけて作られる料理は、アルザス地方を訪れたなら、ぜひ食べていただきたい一品です。
用意する材料(4人分)
じゃがいも 1.5kg
豚肩肉 500g
羊肩肉 200g
牛すね肉 200g
玉ねぎ 2個
人参 1本
長ネギ 1本
小麦粉 100g
塩 適量
こしょう 適量
〇マリネ液
白ワイン(辛口) 750ml
玉ねぎ 1個(薄切り)
にんにく 1個(潰したもの)
ローリエ 2枚
タイム 適量
粒こしょう 適量
作り方
1.マリネ液の材料を合わせます。
2.豚肩肉・羊肩肉・牛すね肉を5cm角に切り、マリネ液に漬け込み、冷蔵庫で1日寝かせます。
3.じゃがいもと人参は皮をむいて薄い輪切り、玉ねぎは薄切りにします。
4.漬け込んでおいた肉の汁気を切ります(残ったマリネ液はとっておく)。
5.鉄鍋やホーロー鍋の底にじゃがいもを敷き、肉・玉ねぎ・人参の順に重ねていきます。角層には塩・こしょうをして、最後に長めにカットした長ネギを乗せます。
6.じゃがいもが浸る程度にマリネ液を加え、鍋にフタをします。
7.ボウルに小麦粉と水(適量)を入れて、よくこねたら棒状に伸ばし、鍋のフタのまわりに隙間ができないように巻きつけます。
8.200度のオーブンで2時間ほど焼いたら完成。
■ベッコフに合うアルザスの白ワイン
ベッコフにはアルザスの白ワイン「リースリング(Riesling)」がおすすめ。グリーンとイエローが混ざり合ったワインは、華やかでフルーティーな香りが漂います。
アルザス地方では、ベッコフを作る際にもリースリングを使用することが多いです。また軽く爽やかにブドウの味を楽しめる、「シルヴァネール(Sylvaner)」も人気。
ベッコフにキリッと冷えた白ワインで、アルザス流のディナーを。デトックス&美肌効果も期待しつつ、最高に美味しいひとときを!