悪い子どもには”石炭”をプレゼント? 12月のチェコに訪れるイベントはクリスマスだけじゃない
チェコでは、12月最初の日曜日に、町のクリスマスツリーの点灯式がありました。クリスマスマーケットが始まり、チェコはもうクリスマスの雰囲気に包まれています。
日本の12月は師走。
こちらチェコも、クリスマスの雰囲気に包まれて、あっという間に過ぎてしまう一年でもっとも楽しい月がやってきました。
■チェコのクリスマスマーケット
12月の最初の日曜日、今年は12月3日にクリスマスツリーの点灯式がありました。
それと並行して、クリスマスマーケットも開催されたので、この日はたくさんの人たちで賑わっていました。食べ物や衣類、クリスマス用の飾りやプレゼントなどなんでも売られています。
この、アドベント期間中はたくさんの楽しいイベントが続きます。
アドベントとは、キリストの降誕を待ち望む期間とされていて、クリスマスの4週間前の日曜日からクリスマスイブまでのことです。
また、この時期にはアドベントカレンダーというものもあります。
これは、クリスマスまでの期間に日数を数えるために使用されるカレンダーで、期間中に窓を毎日ひとつずつ開けていき、すべての窓を開け終わると、クリスマスを迎えたという仕組みになっています。
チェコでは、この窓の中にチョコレートが入っているものが主流で、子どもたちは毎日ひとつずつ楽しみに食べるのです。
■悪い子をじゃがいも袋に? 「聖ニコラスの日」と呼ばれるイベントも
チェコの子どもたちにはクリスマスの前に、「ミクラーシュ」と呼ばれるユニークなイベントも待っています。
12月6日は聖ニコラスの日。
聖ニコラスはチェコ語でミクラーシュ。その前日、12月5日に聖ニコラスは、天使と悪魔を引き連れて、子どものいる家庭をまわる、というチェコの伝統行事。
今から約15年前に私がチェコにいたころには、12月5日の夜に町を歩くと、聖ニコラスや天使、悪魔に扮した友達に出くわすことがありましたが、ここ数年は予約をした子どもの家のみに現れるようです。時代とともに、変わりつつありますね。
聖ニコラスが持って来る分厚い本には「この一年どこぞの誰々が、こんな悪い事をしましたよ!」ということが書いてある。らしいのです(笑)。家を訪れた聖ニコラスは、声高々に読み上げます。そして、悪い子は悪魔が持って来たじゃがいも袋に入れられて、連れて行かれるのです(笑)。
これは、親が事前に打ち合わせをしておくのですが、子どもにしてみれば言い当てられてギョッとしてしまいますね。
今年のうちの3女は、思い当たる節があったのか、聖ニコラスがやって来た途端机の下に隠れて出てこなかったのです……。
逆に、良い子には「このままお母さんの言うことをよく聞いて、良い子でいるように」といったようなことを言われ、プレゼントが与えられます。一般的なプレゼントは、聖ニコラスや悪魔を形どったチョコレートやジンジャーブレッド。最近は、小さめのおもちゃなんかもあって、クリスマス前のちょっとしたプレクリスマスです。
ちなみに、悪い子にはじゃがいもや炭などが渡されます……と言っても、親の用意しておいたプレゼントもちゃっかりもらえるのですが。
今回、聖ニコラスの悪い子リストの本には、日本から持ってきた本を使いました。この辺りの人たちには読めなくて、より信憑性があったかも⁉ 小道具は手作りなのですが、上の娘たちの学校へやって来た聖ニコラスは、タブレットだったとか。ハイテクですね。
■気付けば、すぐそこに
チェコでは、クリスマスは祝日です。
とても楽しみな家族との時間。
その反面、プレゼントもたくさん準備しなければいけないし、どこに行ってもパーティー続きで、親となった今では息をつく暇もない慌ただしいひと月です。
子どもがいないときは、心から参加する感じでもなかったので、やはり今こんなにチェコ文化を楽しめるのは、子どものおかげかな、と思います。「子どものために」ではなく「やっている内に自然と」という表現がぴったり。
気づけば、クリスマスはすぐそこ。家族団らんの楽しいひとときは、すぐそこまで近づいています。