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産まれてくる彼女の選択肢を、肯定できるように生きる【アラフォーで産む#2】

いつかは出産を、と思いながらもキャリアを中断することに迷いがある。そんな方も少なくないはず。今回はまさに「キャリア」を何より優先してきた筆者が、出産とキャリアをどのように両立させようと思っているかについてご紹介します。

産まれてくる彼女の選択肢を、肯定できるように生きる【アラフォーで産む#2】

■30代で産まなかった理由

24歳で結婚し、36歳で前夫と離婚した私。
離婚した理由のひとつが「子ども」だった。前夫は子どもを欲していたのだけれど、私はずっと先延ばしにし続けた。いつになっても「産む」ということにそこまで前向きにならなかった。

その理由はいたってシンプル。
出産・子育てに伴う「キャリアの中断」が嫌だった。子どもを持ちながら働き続けるということ。それは私にとっては産休・育休を経て復職し、但し保育園のお迎えがあるため「時短勤務」をすることがセットだった。

状況によれば徹夜も辞さない働き方をずっとしてきた私にとって、「仕事がどんな状況であっても、夕方には会社を出なくてはいけない」というのは相当ストレスがたまりそうというのが所感だった。

「子どもが産まれたら子どもが可愛くて、早く帰りたくなるよ」

なんてアドバイスをもらったりもしたのだけれど、自分がそんな風に変わるなんて思えなかったし、仕事は常に第一線でやっていきたいという希望があった。

■外資系の会社で出会った、スーパーウーマン

そんな私に「出産・育児とキャリアの両立」の可能性を見せてくれたのが、離婚後に転職した外資系企業でよく顔をあわせる同僚Sだ。アメリカに住む彼女はアジア地区のプロダクトマネージャをしていて、生まれて1歳になったばかりの息子がいる。


3カ月に1回は日本に1週間弱出張する彼女に「子どもはどうしているの?」と毎回聞く。

彼女の答えはその時によって違う。ある時はパートナーに、ある時はベビーホテルに、そしてある時は日本に連れてきたうえで日中はベビーシッターに。営業職ではないから出張の日程は見通しがきく。あとはそれにあわせて選択できる手段の中から最適なものをチョイスするのだという。パートナーがみてくれるのがベストだけど、ダメだったら別の手段をとればいい。

「お金さえかければ不可能なことは何もないのよ」という彼女なりの「キャリアと子育ての両立論」は「時短勤務」しか知らなかった私には衝撃だった。

■日本にも出産後も出産前と同様に働き続ける人達がいる

予想外の妊娠をしながらも「産もう」と決意できたのは、やりようによっては出産後も引き続き、今と同様に働き続けられる、と確信できたことが大きい。妊娠発覚後、いろいろと調べてみると、東京で暮らしている私には取れる選択肢が多かった。

・月齢2カ月から預かってくれる保育園
・乳児だけで宿泊可能なベビーホテル
・ベビーシッターのサービスも年々充実してきている

身近な友人も22時まで延長保育できる保育園に、1歳になった子どもを預けて育休後フルタイムでマスコミ業界に復帰。それでも仕事の都合上お迎えに間に合わない場合はパートナーの協力を得るか、またはベビーシッターを頼んでいる。

どうしても外せない収録立ち合いの仕事が入っている際は、「子どもが熱を出す」などの不測の事態に備えて、肉親のヘルプ、病児でも預かってくれる一時預かり所の枠確保をしているそうだ。

■一番つらいのは「かわいそう」という周囲の声

妊娠発覚後、キャリアを中断させずに子育てをしている友人などの話を聞いた。
彼女達が一番苦しんでいたのは「仕事と子育ての両立」ではなく、「子どもがかわいそう」という周囲の声だった。

私も

・産後2カ月で復帰をする
・時短勤務はしない。時には22時まで預かってもらう
・生後6カ月を過ぎたら海外出張に行く

と宣言した際に「お母さんになるんだから働き方も見直すべきだ」というアドバイス(?)を少なからず受けた。

ただ私はこう思っている。

キャリアが中断されるのが嫌で出産に前向きになれず、前夫と離婚にいたった私。仕事ができないストレスをためながら育児するよりも、多少子どもに申し訳ない気持ちを持ちながら、その分一緒にいる時はめいっぱい可愛がった方が、私にとっても、子どもにとってもよいのではないか。

■大切にしたいのは「私と子どもにとって何がいいか」

私が今後の人生で大事にしたいと思っているのは「子どもにとって何がベストか」ではなく、「私と子どもにとって何がベストか」だ。

子を持つからには、「子どもを授かった」ということを「人生で起きたとても良かったこと」にしたい。だからできるだけ「子どもができたせいで○○ができなかった」というネガティブな気持ちを持ちたくない。

実は出生前診断を受けていて、すでにお腹の赤ちゃんの性別が「女の子」だとわかっている。もし彼女が私同様、仕事を何より生きがいとするのであれば、自分の体験をもって「出産・育児とキャリアの両立は可能。もし子どもが欲しいのであれば、欲しいときに産めばいい」

そう後押しできるようになれば良いと思う。

makicoo

1977年生まれ、宮城県仙台市出身、早稲田大学卒。大学在学中から大手女性誌やムック本などで占い、美容、投資、セックスなど多岐にわたるジャンルの記事を執筆。結婚、離婚を経て、妊娠出産を契機に40歳で再婚。現在は外資系企業でカス...

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