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私、この前妊娠したんです【アラフォーで産む#1】

40歳の誕生日を契機に「産まない人生」に舵を切ったつもりが、避妊に失敗し妊娠。その先に待っていたのは、思い描いていた未来が崩れていくことと、想像もしなかった「価値観の変化」でした。

私、この前妊娠したんです【アラフォーで産む#1】

■青天の霹靂とも言うべき「妊娠発覚」

2017年9月、避妊していたはずなのに妊娠が発覚。40歳の誕生日を機に「産まない人生」に舵を切ったつもりだった私は、月並みな表現だけれど、頭をハンマーで殴られたような衝撃だった。

頭に思い描いていた未来が、バタバタと音を立てて崩れていった。
2020年の東京オリンピックでボランティアをしたいという夢があったのだけど、無事出産できればそのとき子どもは2歳。よほど工夫をしない限り、難しいだろう。

来年あたりに行こうと思っていたインドへの旅行も無理だろう。アラフォーの男女向けの出会いの場をプロデュースするという計画もあったけれど、それどころじゃない。

追い討ちをかけるようにつわりが始まる。アルコールが飲めなくなり「誰かと飲みに行く」という今までの予定をこなすことができなくなった。健康がとりえの私だったのに、ほぼ寝たきりの日々が数週間続いた。

■子どもを産んで、育てていくことに興味が変化していった

次に私が衝撃を受けたのは興味関心が「子ども」にシフトしたことだった。何を準備すればいいのか、どう育てればいいのか、全てが未知数で、それが日々の考えることの大部分を占めるようになった。

代わりに、それまで熱中していたこと、時間をかけていたことに対して、急速に興味が失せていった。学習し始めたばかりの中国語、コミュニティに対する知見。書き始めていた小説も、一切筆が進まなくなった。

友人達が妊娠、出産を経るたびに、共通の話題が減っていったことが頭をよぎった。また、こんなにも変わるなんて、という自分に対する違和感が日に日に大きくなった。

そんな「自分」の急激な変化に戸惑い、時には落胆しながらも、不思議と「産む」ことにはほとんど迷いがなかった。一度出血した時は流産を覚悟したのだけれど、特に異常がないことが判明した時は安堵で涙がこぼれたし、その後楽しみにしていたコンサートをキャンセルして安静に勤めた。

今も、何をするにも無理をしないようにと心がけている。「産む」が今となっては成し遂げたいことになっている。

■思いがけず人生は変わる

女性の人生は男性以上に、子どもを持つ・持たないで変わる。

厄介なのはその選択が必ずしも自分の意思でできるとは限らないことだ。
「産む人生」を願っても叶わない場合があるし、今回の私のように「産まない人生」を選択したつもりが、くつがえることがある。

私が「産まない人生」に未練がありながらも、今は「産む人生」に前向きなのは、どちらの人生にもいいところがあり、そして叶わない部分がある、というのを痛感しているからだ。

子を「産む」ということ。自分の時間が自分だけのものじゃなくなる。代わりに自分とは違う人間の成長に深く関わることができる。

子を「産まない」ということ。「母」という役割を担うことができない。その分、自分の思ったように、より人生をコントロールできる。

■どちらの人生にも意味がある

まだ妊娠4カ月の私。

この先流産・死産する可能性もまだまだある。

それでもこのタイミングで、この話をするにいたったのは、「産む」でも「産まない」でも、どちらの人生でも悪くないということを再確認したからだ。子を持たないが故の自由と、子を持つが故の喜び。これを同時に享受することはできない。

逆にいうと、持たないなら持たないなりに、持つなら持つなりにそれぞれ得るものがある。

この後このまま無事に出産にいたろうとそうでなかろうと、私は自分の人生を目いっぱい楽しんでいきたい。そう思う。

makicoo

1977年生まれ、宮城県仙台市出身、早稲田大学卒。大学在学中から大手女性誌やムック本などで占い、美容、投資、セックスなど多岐にわたるジャンルの記事を執筆。結婚、離婚を経て、妊娠出産を契機に40歳で再婚。現在は外資系企業でカス...

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