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書道家 「海老原露巌」の今日の一文字 「風」

墨アーティストで書道家の海老原露巌(えびはらろげん)先生に、漢字「一文字」を書いていただき、『DRESS』読者にその漢字の意味やメッセージをいただくコーナー。第ニ弾の漢字は「風」。

書道家 「海老原露巌」の今日の一文字 「風」

■「風」とイメージすると

風という言葉から何を連想しますか?

風を自然現象としてとらえると、「空気の流れ」また「空気自体」ということになります。一方で、風という一文字には、単なる自然現象だけではなく「人の心」という意味もあります。

■今の時代だからこそ手紙を書いてみよう

今の世の中では、LINEやメールなど、誰がどのような状態で打ち込んでも同じように表示されるツールでのやり取りが当たり前になりました。

そのような時代にあえて筆を取り、心を込めて相手に自分の心を手紙で伝えてみる。きっと相手にあなたの情熱が伝わります。

このような時代だからこそ、あえて筆を取り手紙を書いてみることをおすすめします。

■「風信雲書」

風信雲書

こちらは歴史上名高い空海が最澄に送った三通の書状の中の一通目「風信帖」の中の冒頭の一文です。

作品自体は平安時代前期、812~813年頃に書かれました。

意味としては、「風のような、雲のようなあなたからの手紙、それが天から舞い降りるがごとくに私に届きました」となります。

「風のようにあなたからの心が天から舞い降りた」という一文が、なんとも熱く心を打つ表現ですね。

風信帳 第一通全文

■空海、最澄とは

弘法大師の名で知られている空海は、中国に渡り日本に真言密教をもたらしました。

最澄は日本天台宗の開祖であり、中国に渡り仏教を学び、帰国後に比叡山延暦寺を建てた人物。中国と日本との懸け橋となり、命がけで海を渡って学んだこのふたりが帰国後に交わした手紙からは、ふたりの心の交流を伺い知ることができます。

当時は海を渡り、人々の心を救うため、異国に学びに行くことは命がけのアクションでした。ふたりは危険を恐れることよりも、皆に何かを広めよう、伝えようという情熱を持っていたのです。

■「風」という字を書いてみよう

書き方のワンポイントアドバイスとしては、情熱を持って、相手に自分の心が伝わるように書くこと。形やテクニックではなく大事なのは情熱。LINEやメールでは伝わらない心そのものを筆では表現できるのです。

筆で手紙を書けば、あなたの心がまるで天からの風のように相手の心に舞い降りますよ。

海老原 露巌

海老原 露巌(えびはら ろげん)書道家、墨アーティスト、文化庁文化交流使。1961年栃木県下野市生まれ。4歳より書を学ぶ。作品は在フランス日本大使館、在日本イタリア大使館、中国狭西省歴史博物館、カナダケベック州立文明美術館な...

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