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手に汗握る超展開! 銃規制法案を巡るロビー活動を描く『女神の見えざる手』 - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#25

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ラスベガスで起きた銃乱射事件から数週間。奇しくも今月、全米の銃規制法案を巡る攻防を描いた『女神の見えざる手』が公開されます。『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー主演女優賞にノミネートされた実力派女優ジェシカ・チャステインが、銃規制法案に賛成の立場をとる陣営を支援するロビイストを熱演。思わぬ展開にぐっと引き込まれます。

手に汗握る超展開! 銃規制法案を巡るロビー活動を描く『女神の見えざる手』 - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#25

◼︎ロビイスト、その知られざる活動を描く『女神の見えざる手』

主人公はスゴ腕のロビイスト、エリザベス・スローン。

ロビイストとは、特定の個人または団体のために、政党や議員に働きかけ、政治的決定や、政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動(=ロビー活動)を仕事にする者のこと。

現在、アメリカにはロビイストが3万人ほど存在するとされています。

大手ロビー会社に在籍するも、女性の銃保持を推進したい団体からの仕事を断ったために、退職を余儀なくされた主人公・エリザベス。

『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー主演女優賞にノミネートされた実力派ジェシカ・チャステインが、銃規制法案に賛成の立場をとる陣営へと移籍し、彼らの指揮を執る女性ロビイストを魅力たっぷりに演じます。

◼︎『女神の見えざる手』手に汗握るストーリー

大手ロビー会社「コール=クラヴィッツ&ウォーターマン」の敏腕ロビイストとして名高い、エリザベス・スローン。

クライアントの要望を叶えるため、一切の妥協を許さないエリザベスの完璧な仕事ぶりは、政府やメディアからも一目置かれており、社内でも恐れられる存在だった。

だが、華やかなキャリアとは裏腹に、エリザベスの私生活はボロボロ。

まるで「勝利依存症」とも言える彼女は、眠る時間を削るため眠気止めの強力な薬を常用し、パーティーに顔を出しても楽しむどころか、根回しや裏情報をつかむだけの日々を過ごしている。

交友はゼロに等しく、恋人もいないエリザベスは、高級エスコートサービスで買った男性と欲望を満たしているのだった。

そんなある日、エリザベスの元に、議員たちに強い影響力をもつサンフォードという人物が代表をつとめる銃擁護派団体からの仕事の依頼が舞い込む。

その内容は、新たな銃規制法案に対し、女性の銃に対するイメージを向上させ、規制法を廃案に持ち込んでくれという依頼だった。

だが、エリザベスはこの依頼を断固として拒否。上司のデュポンから「サンフォードの要求に応じる気がないなら、君にいてもらう必要はない」と、お払い箱にされてしまう。

その夜、パーティーに出席したエリザベスは、銃規制法案に賛成の立場をとる陣営を支援する小さなロビー会社「ピーターソン=ワイアット」のCEOシュミットと出会う。

移籍を決意したエリザベスは、翌日、「コール=クラヴィッツ&ウォーターマン」に出勤し、一緒に「ピーターソン=ワイアット」へ移籍しないかと、自分のチームへ呼びかける。

チームメンバーの4人がエリザベスの申し出を受けるが、部下のジェーンは固辞。同じく「コール=クラヴィッツ&ウォーターマン」に残った元同僚のコナーズと共に、エリザベスと敵対することになってしまい……。

◼︎息もつかせぬ超展開! ジェシカ・チャステインの仕事ぶりに惚れる

本作の一番の魅力は、銃規制法案をめぐり二転三転する両陣営の激しい攻防戦です。

「ピーターソン=ワイアット」に移籍したエリザベスが、さまざまな奇策を仕掛け、銃規制法案の廃止に賛成しそうな議員をひとり、またひとりと取り込んでいく様は圧巻です。

エリザベスは、ときに仲間までもを欺き、人としての倫理や常識の一線を越えてしまいながらも、相手陣営の二手も三手も先を読む巧妙な罠を仕掛けていきます。

実力派俳優たちの白熱する演技合戦は、本作の大きな見どころになっています。

◼︎トップ・ロビイストのファッションにも注目!

DRESS読者にとって、もうひとつの見逃せないポイントとなっているのが、主人公エリザベスのファッション。

本作の衣装デザイナーは、

「エリザベスはワシントンのトップ・ロビイストなので、年収は7ケタ(100万ドル以上)だと推測した。自分では服を買いに行かず、スタイリストが自分に合ったアイテムを持ってきてくれる」

「彼女の服は、美しさやおしゃれのためではなく、世界と渡り合う武装のようなもの。胸元が大きく開いたブラウスや短いスカートは身につけず、色は黒がメインで、マゼンタ、ダークグリーン、紫がかったピンクなど強い色味を選んだ。」

と語ります。

この条件を元に選ばれたのは、ピアジェの腕時計、サンローランや、ヴィクトリア・ベッカムのスーツやドレス、そして14〜15cmのハイヒール。

細いヒールで颯爽と歩くエリザベスの格好良さに、思わずため息がこぼれてしまいます。

全米のトップ・ロビイストたちの仕事ぶりを知るお仕事ムービーとしても、ひとりの女性の人生を描いたヒューマンドラマとしても楽しめる本作。

ストーリーの全篇にひねりがあり、先を読んだと思っていても、さらに物語が二転三転する本作は、最後の最後まで驚きに満ちた展開が待っています。

DRESS読者のみなさんの知的好奇心をきっと満たしてくれるノンストップ社会派サスペンス『女神の見えざる手』は、10月20日(金)より全国ロードショーです。

◼︎『女神の見えざる手』公開情報

『女神の見えざる手』
10月20日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
監督:ジョン・マッデン『恋におちたシェイクスピア』『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』
出演: ジェシカ・チャステイン『ゼロ・ダーク・サーティ』、マーク・ストロング『キングスマン』
配給:キノフィルムズ
上映時間:132分
公式サイト: miss-sloane.jp
© 2016 EUROPACORP – FRANCE 2 CINEMA

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古川 ケイ

映画ライター。新作映画情報サイト「木曜日のシネマ」運営。 大学卒業後、インディペンデント系映画配給会社に入社し、映画業界誌の編集・ライター業務に従事したのち、宣伝部にて洋・邦映画作品の宣伝を手がける。その後テーマパーク運営...

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