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チェコで人気な日本文化――離れた場所から見る日本は愛おしい

日本から遠いチェコでの暮らしの中で、より日本の文化を感じることができる今日この頃。離れたからこそわかる日本の良さや、美しさ。

チェコで人気な日本文化――離れた場所から見る日本は愛おしい

チェコでの暮らしも、かれこれ7年。

チェコにおける日本文化の認知度がだいぶ上がってきているように感じます。

今回は、こちらチェコで人気のある日本文化をいくつかご紹介します。

■折り紙:作品がチェコのお土産にもなっている

日本でも、子どもからお年寄りまで人気の折り紙。

チェコではチェコ独自の折り方などがあり、ペーパークラフトとして人気も知名度も高いです。

「日本人は手先が器用」と言われていますが、チェコの人たちも器用な手つきで折り紙を楽しんでいます。

精巧なガラス細工やマリオネットなど有名なチェコ土産もあるんですよ。
折り紙のワークショップでは、簡単に仕上げる人たちが多いです。

我が家の子どもたちも、移住後すぐに小学校で折り紙の時間を設けてもらいました。子どもたちはお互いに、それぞれの国の折り紙を披露してきたようです。

■習字:漢字のタトゥーも人気!

ワークショップに参加された方が書いたもの。みなさんお上手です。お名前を日本語で書いてあげると、とても喜ばれます。

今春、縁あって、博物館で習字のワークショップをしました。

「こんな片田舎で参加してくれる人なんているんだろうか」と、半信半疑でしたが、終始お客さんでごった返す始末! 恥ずかしながら「しまった、もっと練習しとくんだった!」 と後悔するほどでした。

地方のテレビ局まで来ていて、思ったより大がかりなイベントになっていたのでびっくり。ただ、裏を返すとそれほど人気なんだな、と感心もしました。

たしかに漢字タトゥーなどは、こちらでかなりの人気があります。
「家を新築したら、壁に家族みんなの名前を日本語で書いてくれ」なんてお話もいただいたことがあったので、日本の文字にも興味を持つ人が多いのでしょうね。

日本にいるとなかなか気がつかないのですが、日本では当たり前のことが海外では人気なんだな、と思うことがあります。

習字の合間の折り紙講習。

■お茶:各地域に、お茶処もある

チェコの人たちはよくお茶を飲みます。それは、自家製のハーブティーから始まり、紅茶にフルーツティー、ブレンドティー。それから、緑茶なども好まれています。

ただし、スーパーなどで売ってある、グリーンティーという名の緑茶には、決まってバニラ味、ピーチ味といったように何かしらのフレーバーが混ざっています。そこに、はちみつや砂糖を入れて飲む人が多いです。もはや、私が知っている緑茶とは、似ても似つかぬお味になっています……。

また、チェコでは各地域にČajovna(チャイオブナ)と呼ばれる、お茶処があります。私が住んでいる町にもあり、さまざまな種類のお茶があります。

アジアのお茶だと台湾や中国茶などが数多く揃っていて、日本のお茶もあります。文化人の溜まり場のような雰囲気で、のんびりと過ごす人たちが多いです。

以前、友人とカフェに行ったとき、珍しく煎茶があったのでオーダーしました。
飲み終えた友人は「草のような味がする」と一言。私が初めてハーブティーを飲んだときに、なんとも言えない味わいを感じたのと、きっと同じ感覚でしょう。

その一方で、抹茶をたしなむ人もいます。チェコ人は甘党が多い、というイメージが強い私には、 「なかなか、ツウですね」と言ってあげたい。

■日本から、離れたからこそ感じる愛おしさ

他にも、「お花」や「狂言」、空手や合気道などの「武道」などの文化も人気です。

また、チェコでは「寿司」ブームになっていた時期もあって、すし米という名の白米が近場で手に入るようになったときは、「ついにこの片田舎も、ここまできたか!」という思いでした。

近所の奥さんから、「日本の食べ物は健康に良い」などと声をかけてもらうことも。

「漫画」や「アニメ」も大人気で、オタクという言葉もよく耳にします。近年は、コスプレ祭りが白熱してきていて、まるで日本のハロウィンのようです。

こうして、改めてチェコで日本の文化を感じたり、伝達する機会をいただくと、日本で過ごしていたときとは違う感慨があります。四季を強く意識したり、物事を深く考えたり。我が子にも、きちんと伝えたい、とか。大事にしていきたい、とか。

離れたからこそ、愛おしく思えるのです。

Macelova

ヨーロッパはチェコの片田舎で、三姉妹の母親業の傍らネイルアーティスト、ライターとして活動中。1978年生まれ。 美容専門学校ネイル講師、プライベートネイルスクール&サロン主宰を経て、2011年夫の故郷チェコへ移住。

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