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興味を持って始める趣味が、人生を華やかに彩ってくれる【高田賢三】

パリ在住の世界的ファッションデザイナー、高田賢三さんによる連載。「華やか×◯◯」をテーマに毎月1本コラムをお届けします。最終回となる第12回は「華やか×趣味」でその思いを綴っていただきました。高田賢三さんが考える、華やかな趣味とは――。

興味を持って始める趣味が、人生を華やかに彩ってくれる【高田賢三】

「華やか×食」のコラムの最後で、やはり健康が第一とお話ししました。僕は過去にときどき病気になってしまったことがありましたが、一昨年の2月(自分の誕生日月)には、急性膵炎になってしまいました。

僕にとっては一大事でした。今は完治しているものの、当時は本当に驚きました。

友だちと食事をしていたのに、ワインがすすまなかったんです。家に帰ると夜中、猛烈な腹痛に襲われました。

絶飲絶食という過酷な入院生活を終えても、なかなか普通食に戻れませんでしたが、月日とともに少しずつ体調も改善されてきました。

本当は2月の僕の誕生日にある計画をしていたのですが、それもできなくて本当に気持ちさえもが暗くなりました。

今は、体調には気をつけて生活をしています。入院生活で感じたのが、健康で毎日を楽しく過ごすことの素晴らしさ。そして美味しい食事や友だちとの旅。普通に生活できることがいかに幸せか痛感しました。

毎日の運動もできるだけ欠かさず実行。そして仕事や旅の後は、10日間ほどデトックスをして、体調を整えています。

■美しいものを見て、感じて、学びたい

いろいろなコトやモノに興味がある僕にとって、趣味といえば美しいものを見ること、感じること、そして学ぶこと。

バカンスもある意味で趣味の一環だったり、絵を描くことも大好きで人物画を描いていたり――。今はアクリル画が多いかな。

あと、踊りも好きです。昔はよくディスコに行きました(今はディスコとは言わず、クラブになるのかな)。パリでも東京でも友だちとよく行きました。楽しかったし体を動かすことは好きです。

そうそう、フラメンコを習ったり、旅先でフラダンスを習ったりしました。結構汗だくになりながら、真剣に踊ると気持ちが良くなる。そしてダンスを通して、その国の文化にふれられるのも面白かったです。

■未知の世界に興味をそそられる

長年フランスに住んでいるなかで、仕事が一区切りついたときに、フランス語を習ったこともあります。PCも練習しました。メールくらい打てないと、と思ってね。複雑なことはできませんが、今はそれなりにSNSも駆使して、皆さんに連絡を取れるようにもなりましたよ。

先日日本に戻ったときに、高校時代の同窓会に出席しました。そのときに先輩のひとりが、特別出演ということでオペラ・声楽を披露したんです。

それを聞いて声を出すことって素敵なことだなと感じ、声楽も習いたいと思うようになりました。いろいろなコトに興味がありすぎて、趣味=やりたいことにつながっている感じですね。

日本に帰国する頻度は今後増やしたいなと思っています。茶道や華道、そして習字など、日本の文化に触れる習い事もしたい。陶芸もしたいですね。

いくつになっても、世界各国の文化や伝統に興味があります。それはきっとまだまだ知らない世界が広がっていて、僕にとっては未知の世界だからこそ、興味をそそられるのでしょう。

いろいろなことに挑戦していく気持ちが、僕にとっての趣味だとも感じます。そして、趣味とは、趣があること。それが、人生を華やかにしてくれるとも思うのです。

©MASARU MIZUSHIMA

高田 賢三

デザイナー。 1939年 兵庫県生まれ。文化服装学院で服飾デザインを学び、'60年第8回装苑賞受賞。その後'64年に渡仏。 1970年 パリにブティックを開き“JUNGLE JAP”として初コレクションを発表。パリの伝統...

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