既婚男性が不倫する理由は性欲だけじゃない。既婚者が抱く飢餓感とは
既婚者である男性の不倫する理由なんて、どうせ性欲だけなんでしょ? と思う女性は多いですが、実際は切実な思いで女性を求めている男性もいます。もちろん不倫は許されることではありませんが、なぜ男性は妻以外の女性を求め、不倫に走ってしまうのか、そこには家庭があっても満たされない「飢餓感」がありました。
■既婚者の男性が不倫する理由の例:「実家依存」の妻
「2年付き合って結婚した妻は、昔から実家が好きで、付き合っている頃もよく泊まりに帰っていました。家族の仲が良くて、俺が遊びに行ったときも皆で一緒にご飯を食べたりして、良い関係だったと思います。俺の方は実家が県外で滅多に帰ることはなく、その分妻の実家にお世話になる機会も多かった。結婚してからも、俺が残業のときは実家にご飯を食べに帰る妻に不満を感じたことはありません。お義母さんが作ってくれたご飯を持って帰ってくれて、妻も働いているから正直とても助かっていました。
嫌だなと感じるのは喧嘩をしたとき。すぐ『もういい』と話し合いを放棄して実家に帰り、一晩泊まってくるなんてこともしょっちゅうで、こっちも実家まで追いかけるのは気が引けるので、いつも妻の帰りをひとりで待つような感じです。正直、彼女の親から『うちにいるから心配しなくていい』と連絡をもらうのも情けなかった。でも、何度『ふたりで話したい』と言っても意見が衝突するとすぐに妻は出ていってしまう。それだけがストレスでした。
あるとき、お互いもう30歳だしそろそろ子どもを作りたい、と妻に提案したら『まだ仕事をしていたい』という返事が返ってきました。それはいいんだけど、『お父さんとお母さんに訊いてみる』という言葉が飛び出したとき、思わずカッとして"はぁ!?"と大声を上げてしまって。ふたりの子どもなのに、どうしてまず自分たちの意見を共有できないのか……そんな苛立ちから、『何を自分の親に尋ねるのか』『どうして自分の意思で決められないのか』という怒りにまで発展してしまったんです。そのとき初めて「実家依存」という言葉が頭に浮かびました。
妻に対する怒りを自覚してからは、以前のように接することができなくなりました。何かあればすぐ実家を頼る姿にも今さらのように嫌悪感が湧いてきて、喧嘩しそうになると『どうせ家に帰るんだろ』とつい嫌味を口にしてしまい、妻の方も俺が変わったことを感じて不機嫌を隠そうともしません。今、妻は週の3日は実家で過ごしています。俺は残業を増やして、なるべく家で過ごさないようにしています。まだ離婚までは考えていないけど、子どもも作れないならこのままふたりで過ごす人生に意味があるのかと悩んでいます」(30歳/営業)
嫌だなと感じるのは喧嘩をしたとき。すぐ『もういい』と話し合いを放棄して実家に帰り、一晩泊まってくるなんてこともしょっちゅうで、こっちも実家まで追いかけるのは気が引けるので、いつも妻の帰りをひとりで待つような感じです。正直、彼女の親から『うちにいるから心配しなくていい』と連絡をもらうのも情けなかった。でも、何度『ふたりで話したい』と言っても意見が衝突するとすぐに妻は出ていってしまう。それだけがストレスでした。
あるとき、お互いもう30歳だしそろそろ子どもを作りたい、と妻に提案したら『まだ仕事をしていたい』という返事が返ってきました。それはいいんだけど、『お父さんとお母さんに訊いてみる』という言葉が飛び出したとき、思わずカッとして"はぁ!?"と大声を上げてしまって。ふたりの子どもなのに、どうしてまず自分たちの意見を共有できないのか……そんな苛立ちから、『何を自分の親に尋ねるのか』『どうして自分の意思で決められないのか』という怒りにまで発展してしまったんです。そのとき初めて「実家依存」という言葉が頭に浮かびました。
妻に対する怒りを自覚してからは、以前のように接することができなくなりました。何かあればすぐ実家を頼る姿にも今さらのように嫌悪感が湧いてきて、喧嘩しそうになると『どうせ家に帰るんだろ』とつい嫌味を口にしてしまい、妻の方も俺が変わったことを感じて不機嫌を隠そうともしません。今、妻は週の3日は実家で過ごしています。俺は残業を増やして、なるべく家で過ごさないようにしています。まだ離婚までは考えていないけど、子どもも作れないならこのままふたりで過ごす人生に意味があるのかと悩んでいます」(30歳/営業)
「俺のしていることは異常なんだろうか」と打ち明けられたとき、この男性には独身の彼女がいました。もちろん肉体関係があり、不倫をしている、妻を裏切っているという自覚は十分あります。ですが、「寂しくてたまらなかった」と男性は言います。
「異常というか、まぁまともじゃないよね」と素っ気なく返しながら、筆者は昔から真面目でギャンブルも一切手を出さない、キャバクラなども行かないこの友人の苦しみについて考えていました。
パートナーが家庭を顧みないほど仕事に打ち込んでいるとか、男遊びがひどい女性なら、不倫を考えてしまう気持ちもわかる。そうではなくて、妻が「実家依存」であることが結婚生活をつまずかせている。男性が抱えていたのは、「自分を尊重してほしい」という飢餓感でした。
■家庭に居場所がない既婚男性の気持ち
子どもを作ろうと提案するまでは、まだ男性の方はパートナーの振る舞いを許していました。喧嘩する度に実家に逃げ帰っても、「親に説得されたのか」帰宅する頃には機嫌も直っていて、ちゃんと問題を解決しようとする気持ちが見えたからです。
でも、許してはいても、男性の中には小さなわだかまりが積もっていきます。結婚しても実家の力を借りないと喧嘩もままならない、妻がいつまで経ってもひとりで自分と向き合おうとしない姿勢は、男性に寂しさを与えるものでした。
ひとりぼっちでふたりの家に残される男性の心は、孤独感でいっぱい。けれど、それを妻にぶつけることは夫としてのプライドが許さない。男性が子どもを作ることを提案したのは、そんな妻の気持ちを自分の元に引き留めたかったからです。
「ふたりの子どもがいれば、もっと妻として、母親としての自覚を持ってくれるかもしれない」
「実家から切り離されて、本当の家族になれるかもしれない」
「実家から切り離されて、本当の家族になれるかもしれない」
そんな希望を男性は持っていました。
ですが、妻から返ってきたのは「お父さんとお母さんに訊いてみる」という男性の気持ちを真正面から裏切る言葉。このとき、男性は「今まで溜まっていた怒りを一気に自覚した」と言います。目をそらしていたストレスが、逃げ場をなくした瞬間でした。
自分たちの子どものことまで、親の意見がないと決められない。それは、男性にとって「夫」という立場を失う、男として、パートナーとしての自信を喪失するに十分なものです。どうして妻は俺より実家の親を優先するんだろう。俺の存在ってこの家で何なんだろう。何のために結婚しているんだろう。真面目な男性ほど、一度そんな苦しみを抱えてしまうとなかなか抜け出せなくなります。
これまで浮気もせず、奥さん一筋で仕事もがんばってきて、記念日にはお祝いも欠かさない。そうやって妻に、家庭のために尽くしてきたからこそ、こんな妻の裏切りは堪えます。自分の気持ちが何も報われていない惨めさを、この男性は目の当たりにしたのですね。