【恋が終わるLINE】相手が置かれている状況、ちゃんと想像していますか?
34歳・派遣社員のヒロミさんは、とあるLINEメッセージをきっかけに、婚活相手から返事がこなくなってしまった。婚活アドバイザー大西明美さんは、この状況を“相手がどんな状況にいるのか”という推測が欠けていると指摘。ヒロミさんがやってしまった致命的なミスとは?
■LINEでドラマの話をやりとりした翌日からフェイドアウト事件
「もう3日も経つのに、LINEの返事が来ない……」
34歳のひろみさん(派遣社員)はスマホ画面を見つめながら、フゥッとため息をついた。
――私、何か悪いことを言ったんだろうか。3日前のLINEを見返してみる。
「『初めて恋をした日に読む話』の最終回、おもしろかったね!」
「今日僕まだ見ていないんだ。録画しているからまたあとで見るね」
「絶対おもしろいから、おすすめだよ!!」
***
ただのドラマの話だ。相手を責めたり否定したりなどしていない。このLINEで気を悪くしたとは考えにくい。でも、今の現実は……。3日間音信不通。それまで毎日LINEをしていたのに。
「よし、これは大西さんに聞こう」
こうして彼女は私に1通のメールを送ってくれた。
■相手は、そのとき何を考えているのか
主に作ってもらったお弁当を食べながら、わたしはそのメールを開いた。
「ありゃ。これはもう、ひろみさんの交際は終わってしまうな」
そう頭によぎる。
相手はアキラさん、32歳で証券会社勤務、ひろみさんより2歳年下のエリートサラリーマンだ。年収は軽く1000万円を超えている。女性から見ると抜群に条件がいい。しかし、年収と業種から推測するに、相当激務だ。婚活というのはこのように、相手男性がその人自身の状況を”伝えなくても”、こちらが推測する力に大きく左右される。
ここで、3日前のLINEのやりとりを思い出してほしい。
「『初めて恋をした日に読む話』の最終回、おもしろかったね!」
「今日僕まだ見ていないんだ。録画しているからまたあとで見るね」
「絶対おもしろいから、おすすめだよ!!」
***
実はここで、ひろみさんは大失態をおかしている。ここで考えるべきことは「なぜ今日、アキラさんがドラマを見ることができなかったのか?」である。
『初めて恋をした日に読む話』は、火曜22時、プライムタイム枠のドラマだった。たいていの人は自宅でテレビを見ることができる。でも、彼はそれを見ていない。考えられる理由のひとつ目は、興味がないから別の番組を見ていた、ということ。でもLINEの反応から推察するに、彼はドラマに関心がありそうだ。だからこの理由ではない。
ふたつ目は、テレビそのものを見ることができなかったから。関心があるのにテレビを見られないなら、ほぼこの理由になる。間もなくして、アキラさんからヒロミさんとの交際お断りの連絡が届いた。
■相手を思いやるメッセージを送っていますか?
アキラさんがヒロミさんとの交際を終了させた理由は次のようなものであった。
「自分の興味関心のある話ばかりを押し付けられたように感じてしまって……。合わせることに疲れました。多分僕じゃなくて、僕の肩書にだけ興味があるからそうなるんだと思います」
つまり、こういうことだ。彼の「今日僕まだ見ていないんだ。録画しているからまたあとで見るね」は「僕の今の状況に興味を持っているかな」という相手への隠れたメッセージだった。
しかし、ヒロミさんはLINEのやりとりで彼の状況に関心を持っているようなそぶりがひとつもない。自分が気持ちよく話しやすい内容を続けている。見事に彼のテストでは0点の対応をしていたのだ。
「僕が一生懸命働いていることに関心を示さない相手と、結婚生活をやっていけるとは思えないです」
メールの最後には、そう綴られていた。では、正解の対応は一体なんだったのか。
それは、ドラマの話題は一旦切り上げて「もしかしてまだ職場にいるの?」と返信すること。「まだこの時間も働いているかもしれない」ということに気をかけること、これが大事なのだ。
たとえ、アキラさんの仕事が終わって自宅にいる状況だったとしても正解は変わらない。吊革を握っている状況でも構わない。
「いや、もう仕事が終わったんだけれど、立て込んでてね」
「こんな時間まで大変だったね。夜ゆっくり休んでね」
相手のことを気にすれば、だいたいこんなLINEに落ち着く。これが、相手に関心を持ち、相手を気遣う意志のあるLINEのやりとりなのだ。
■相手の状況を”想像”することが大切
「『初めて恋をした日に読む話』の最終回、おもしかったね!」
「今日ボクは見ていないんだ。録画しているからまたあとで見るね」
明らかに、アキラさんはヒロミさんの話題を続ける気がない。このように相手が話題に乗ってこない場合は、無理に乗せようとしてはいけない。なぜ乗ってこないのかを”想像”する。
難しいと思われるかもしれないが、ポイントはふたつである。
1.その話題に興味がない
2.いまその話題を話している余裕がない
1の場合は、彼の関心事について話題を変える。
2の場合は、「いま、もしかしてすごく忙しいときにLINEしちゃったかな?」など相手の状況を慮ってみること。
「素敵だな」と思った人との関係がLINEで終了する傾向のある人は、ぜひ取り入れてほしいです。
「相手の気持ちを想像すること」を心がければ、恋愛がうまくいくだけではなく、人としての魅力が増していくはずです。
婚活アドバイザー。自ら経営する結婚相談所で7年で200組以上のカップルを成婚へと導く。