もしも彼からの返事を待つことに疲れたら【カツセマサヒコ】

もしも彼からの返事を待つことに疲れたら【カツセマサヒコ】

好きな人からLINEの返事が来ない。それってもしかしたら、相手にとってあなたの優先順位がそれほど高くないからなのかもしれない。だから私たちは想像する。どんな話なら喜んでくれるかな、興味を持ってくれるかな、と。ライターのカツセマサヒコさんが、生きていくうえで訪れるたくさんの喜びや悲しみにそっと寄り添うエッセイ、第6回。


まだ、付き合ってはいない。
だから、督促する権利もない。

昨夜、送信前に何度も読み返して、失礼のないように(でもきちんと返事があるように)送ったメッセージは、「既読」のマークが付いてから音沙汰ないまま、早12時間が経過した。

「昨夜はきっと、酔っていたから返せなかったんだ」
「もしかしたら、まだ寝ているのかもしれない」
「電池が切れてしまって、充電できていないとか」

あなたの中に潜むポジティブな側面は、できるだけ前向きに既読スルーされた現状を分析する。

「ごめん、返せてなかった」

何に謝っているのかわからない。言い訳すら書かれていないシンプルな返事が届いたのは、そこから2日も経ってから。

それでもあなたは喜ぶ。彼のたった2行にも満たないその文章に僅かな希望を見出して、友人という平凡なカテゴリーから自分たちが抜け出すために、返信文を考える。

「ううん、大丈夫! 体調、悪かったりした?」
なんか大袈裟。たった2日だし、返事が遅いことについて言及するのはやめよう。

「ううん、大丈夫! あのさ、この前友だちと映画観にいったんだけど……」
ああ、もうちょっと考えてから送ろうかな。でも、もしかしたら今ならすぐにレスポンスがあるかもしれないし。あ、でも待って? 余裕を見せるためにあえてこっちも返事を遅らせたほうがいい……? いや、でも、駆け引きは良くないよな、もう大人だし……。

ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる。
脳内で開かれる自分会議が、今日もなかなか終わらない。

「連絡頻度の価値観が、違うんだよ」

好きな人からの返事が来ないことにヤキモキしていた僕に、異性の友人はそう言った。

「もしも私が君を好きだったら、何がなんでも一番に返事をすると思う。連絡を取ること自体が楽しいだろうから。
でも、きっと君が好きな人は、残念ながら、君を優先順位を上げて連絡すべき相手とは認めていない。だから、返事は遅い」

率直に言われた。
そして思う。じゃあ、どうしろと言うのだ。

「男女って、(1)体の相性、(2)会話のテンポ、(3)連絡の頻度が合えばそれなりにうまくやっていけるんだよ。逆に言うと、これらが合わないのはある意味、致命的だと思う。

もしも『返事が遅い』と慢性的に感じていたり、『束縛が厳しい』と感じていたりするならば、きっと2人の連絡頻度の相性はそこまで良くないってこと」


――そのうえで大切なのは、自分の気持ちをどうやって届けるかよりも、相手の気持ちをどれだけ理解して、応えてあげられるかじゃないかなと、友人は言った。

好きな人が今どんな状況で、どんな心境で、どんな言葉なら喜んで返事をくれるのか。

それを理解し、求めに応じることができれば、あなたは必然的に、好きな人にとってかけがえのない存在へとランクアップする。

それが、難しいのはわかる。
人の気持ちを100%理解することなんて、不可能だからだ。

ただ、僕らは想像することができる。

「昨夜はきっと、酔っていたから返せなかったんだ」

違う。多少酔っていても、興味のあることなら大抵は返事をする。
だから次こそは、相手が一番に返事をしたくなるような言葉を考えよう。

「これだったら興味を持つかな。こんな話なら、喜んでくれるかな」

そうやって相手のことを考える時間自体が、恋の楽しい要素のひとつだし、返事が来なかったらどうしようとネガティブにならずに済む、数少ないマインドセットの方法なのではないだろうか。

相手にとって、「そばにいたい」と思える人間になること。

LINEやメールの何気ないやりとりを、冷静に、前向きに捉えて、今日も祈るように送信ボタンを押すあなたの恋がいつか実りますように。

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この記事のライター

下北沢のライター・編集者。書く・話す・企画することを中心に活動中。
趣味はツイッターとスマホの充電。

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