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結婚はロマンスの続きではなく安全保障⁉ -「結婚が怖い」と言ってもいいですか #4

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私は「結婚が怖い」と回避して回避して30代になった。そんな私が、内田樹先生の『困難な結婚』と出会い……ちょっと結婚に対する意識が前向きに変わったので、紹介させてください。

結婚はロマンスの続きではなく安全保障⁉ -「結婚が怖い」と言ってもいいですか #4

■内田樹先生の『困難な結婚』との出会い

「結婚が怖い」と言ってもいいですか

https://p-dress.jp/articles/3595

相手が誰であれ、いわゆる「結婚」が怖い。幽霊よりも怖い――そう語るユキ・クリヤマさん。自らを「結婚回避思考」になっていると分析し、結婚回避思考になる要因を5つ挙げる。うち2つを細かく見ていきたい。

こんな記事で考え事を公開している私の人生が、いよいよ結婚する流れへと動き出しています。

私はとても理屈っぽくて、「なぜ」の先の理由に自分なりに落としどころが見つからないと、次の行動に踏み出せない。というわけで、自分なりに「なぜ結婚するのか」の理由を見つけ、恐怖の原因をうまいこと折り合いをつけるべく、結婚に関する大きな書店へと足を運び、結婚に関するエッセイや社会学の本を買いあさっては、読んでウンウン言っており。

今回の寄稿では、これまで読んできた書籍の中で、結婚に前向きになれない私に、「もしかしたら結婚できるかもしれない」と背中を押してくれた本をご紹介したいと思います。

内田樹先生の『困難な結婚』(アルテスパブリッシング,2016)です。

『困難な結婚』書籍情報

困難な結婚
著 者:内田樹
発 行:アルテスパブリッシング
単行本 : 272ページ
発売日:2016/7/4
価 格:1500円+税

[公式サイト]
https://artespublishing.com/shop/books/86559-139-2/

■見よ、VER○とは真逆のアプローチを!

まず、注目してほしいのは書籍の帯に書かれている内田先生のメッセージ。ここにすべてが詰まっております。

結婚しておいてよかったとしみじみ思うのは「病めるとき」と「貧しきとき」です。結婚というのは、そういう人生の危機を生き延びるための安全保障なんです。結婚は「病気ベース・貧乏ベース」で考えるものです。

内田先生がおっしゃる「結婚」とはベースアップ(※底上げ)アプローチに当たる。不足や傷んだところを修正・補強するためのパートナーシップ・契約だとおっしゃっているのですね。

一方、メディアが取り上げるような、例えば『VER○』などが提唱する、幸せそうって他人さまから思われたくておしゃれをしたり、イケてるダンナに仕立てるお洋服コーディネートを考えたりするのは、生活のトップライン(※頂点のこと。ここでは「他人さまから見える部分」という感じ)をさらに上げるためのアプローチに当たる。つまり、不足や傷んだところを修正するのではなく、既にあるものをもっと素敵にということ。

……この考え方、なんかバブリーだな。

■「イケてる旦那」は本当に必要か?

私たちは多くの場合恋愛結婚を前提としている。この場合、私たちは結婚とその相手に対して、
・恋愛相手としてgood
・めでたく素敵な結婚!
・結婚してから、生活のパートナーとしてもgood
という三重の期待がある。

こうしてプロセスに落としてみてみると、「3観点どれでも素敵な男の人なんて、ディズニーの王子様かい!」という冷静な突っ込みを我が身に入れることができる。

そこで、内田先生のおっしゃる「安全保障」として結婚を捉えると、お互いにお互いへの期待値を下げることができ、判断項目が一気にシンプルになる。期待値を下げているからお互い波風減らして生きていけますよってことでしょうね。

恋愛結婚の逆の事象としてみるなら、いわゆるお見合い結婚は、内田先生のいう「安全保障」としての結婚に近いのかなと思います。

シンプルに「生きるための、生活のパートナー」だから、「恋愛相手としてgood」という項目がはじめからあってもその中身は、「生理的に嫌じゃない」くらいのレベルとして存在するため、結婚後の「期待値に相手が到達してくれなくてがっかり」ということが恋愛結婚よりも少ないのかもしれませんよね。

■結婚の意味は結婚しなければわからない

「よし、わかった、私も女だ、ここは一つ、結婚してみようか」と背中を押してくれた言葉が下記の2フレーズ。

結婚する前に、結婚することの意味や有用性を尋ねる人は、小学校の入学前に「勉強するとどんな『いいこと』があるの?」と訊く子供に似ています。もし、この時に「いいこと」があれば勉強するし、なければしないという言い分を子供に託してしまえば、子供は6歳児のまま成長をやめてしまうでしょう。

結婚の意味や価値を結婚する前に開示せよと要求されても、ほんとうにたいせつなことは誰にも告げることはできません。自分で発見するしかないんです。

■安全保障力の高い大人が2人集えば、ロマンスはなくても人生の風味を共有しあえる、かも

結婚が安全保障だとするのなら、パートナーたる男性が、「もっと家事やれ、育児やれ」「太るな、おしゃれをしろ」という要求を満たしてくれるかどうかよりも、「この人は私が病気・貧乏になったときも踏ん張ってくれるか」という項目を確認するのがいいのかもしれない。

だって、夫(あるいはパートナー)も自分もあと何十年も生きていく。今がどんなに幸せでも、「うう、これは耐えられない」、そんな出来事はきっとお互いにあります。そんなとき、普段ごろ寝していてもすっくと立ちあがり、相手に手を差し伸べ、一緒に雨風をしのぐ方法を開拓できたなら……。

それって、二子玉川をおしゃれして高いベビーカー押して、「旦那さんかっこい~い!」「絵に描いたような素敵なご夫妻」と言われるよりもずっとずっと、人生の風味を共有しあえる結婚になるかも。

■結婚にネガティブな感情を持つ人のガス抜きになるような1冊

世の中にあふれている「結婚」への理想を破壊してくれるので、私のように「結婚……私には無理!」と回避している方や、「旦那め、こんなはずではなかった!」と怒りを持つ方のガス抜きというか、一服の清涼剤のような1冊です。

もしも結婚に対して、少しでもネガティブな感情を持っているなら、ぜひ読んでみてください。

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ユキ・クリヤマ

外資系コンサルで奮闘する会社員です。 最愛の彼氏が死んでしまったり、諸事情を抱え、人生要件定義しなおし中です。 働く女性の視点で、あれやこれやと思考をめぐらすのが好きで、このたび記事を書かせて頂きます。

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