母という理不尽な女 -「結婚が怖い」と言ってもいいですか #2
https://p-dress.jp/articles/3804母親の結婚観に影響を受けて、結婚に前向きになれず、「結婚が怖い」と、回避志向になる女性も少なくない。「母も一人の身勝手な女なんだな」と冷静に気づいたとき、母から受けた“結婚観”を、「自分の幸せ・人生に対して、結婚って必要? どんな結婚ならいいの?」と、ゼロから再構築することから、始めよう。
「結婚が怖い」と言ってもいいですか #3では、未婚・既婚それぞれで存在する社会的バイアスを考えます。「未婚だから〜」「既婚だから〜」とするのは、単なる決めつけで思い込み。そんなくだらないバイアスを取っ払って、素直に考えてみませんか。本当に結婚が怖いのか。本当に結婚したいのか。なぜそう思うのか、を。
20代前半の女性が、屈託のない笑顔で私に言った。
「ユキさんって、なんで結婚できないんですか? きちんとおしゃれもしてて、趣味も持っていて、料理もできるのに、男の人は見る目がないですね!」
……私は答えに詰まった。が、言いたかった。
「そういう既婚だから人格まとも・未婚だから欠陥ある……とかいう社会的バイアスが、うざいんだよおおおおお」
と!
過去2記事に渡って要因を5つに分解したので、気になる方はこちらをご参照ください。
母という理不尽な女 -「結婚が怖い」と言ってもいいですか #2
https://p-dress.jp/articles/3804母親の結婚観に影響を受けて、結婚に前向きになれず、「結婚が怖い」と、回避志向になる女性も少なくない。「母も一人の身勝手な女なんだな」と冷静に気づいたとき、母から受けた“結婚観”を、「自分の幸せ・人生に対して、結婚って必要? どんな結婚ならいいの?」と、ゼロから再構築することから、始めよう。
相手が誰であれ、いわゆる「結婚」が怖い。幽霊よりも怖い――そう語るユキ・クリヤマさん。自らを「結婚回避思考」になっていると分析し、結婚回避思考になる要因を5つ挙げる。うち2つを細かく見ていきたい。
私が社会的バイアスを不快に思うのは、まるで相手から値踏みされている感じがするからである。なぜ世の中にはこんなにも、結婚・婚姻ステータスに関するバイアスがあるのだろう。
社内の会議で、年上の同僚女性に対して、「方針転換しないとおそらく○○の段階で進みが難しくなるので、今△△を見直したほうがいいと思います」と私は発言をしたことがあった。
すると、会議後に、「ユキさんって、30過ぎて独身だから、(性格が)きっついよね」
と、捨て台詞を吐かれたことがあった。その人は、たった1歳しか変わらない女性で、既婚ワーキングママ。
私は、「えええええ、性格がきついことに、結婚ステータスがなぜ原因になるのよ!」と心底驚いた。
余談ですが、「その因果関係・論理構成力の弱さで、(コンサル)ファームにいて大丈夫かよ……」と、心の中だけでつぶやいたつもりだったが、気づいたら、原文ママで声に出ており、彼女とは犬猿の仲になりました。これは、私が悪いですね(苦笑)。
「○○歳過ぎて未婚の女って、男性を値踏みしすぎ。高望みなんだよね」「人格的に何か問題があるんだろうね」
こういったやりとりを少なからずとも耳にしたことがあるでしょう。そして、若かりし頃、年上女性のことを、こんな風に思ったことはなかったでしょうか。
かくいう私も、ごめんなさい。思ったことがあります。
社会に出て働き出してしばらくしてから(つまり20代折り返しの頃)、「結婚しててもとんでもない人格の人はゴマンといるわ……」と気づき、それと同時に、「婚姻ステータスで人格は測れない」と超超あたりまえですが、深く反省した次第。
ネガティブであれポジティブであれ、バイアスはバイアスです。
「結婚して家庭に入ると見た目や言動に気をつけなくなる。女として終わり」「結婚している人は、いつも安定感があり、幸せそう」
いやいや、ちょっと待って。文字通り家庭に入った奥様であっても、見た目や言動に気遣って常にアップデートして素敵な方はたくさんいる。
そして、「結婚というアクションで人生の苦難から離れられる」みたいな見解は一体何者ぞ。「飲めば1カ月で10kg痩せられる!」と謳い文句のついたやせ薬か何かと同列にして、人の結婚を見てはいないか。
どちらの目線も、とても身勝手というか、見る人目線で・見る人が幸せになるための見識にすぎない。
他人をバイアスという色眼鏡で値踏みすることもまた、自分にもブーメラン的にバイアスを課すことになる。
Instagramで「#プレ○マ」とか「#プレ○嫁」などのアピールをする人は、他の誰からでもない自分にバイアスを課しているのだろう。
「プレマ○/花○たるもの、こんな姿が幸せ」というバイアス・思い込みの枠にはめて。みんな、結婚に関するバイアスに苦しんできた・苦しんでいる(現在進行形)。
そう思えば、婚約・出産する友人に、「早くしないとタイムリミットが……」なんてマウンティングされた場合も、心穏やかに生きていけるかもしれませんし、自分も他人にバイアスを少しずつ手放して生きていけるかもしれませんよね。
さて、自分にとって本当に「結婚が怖い」、なのか? 私は3記事寄稿する中で、「結婚が怖い」のはなぜかを考えてみました。
怖いという感情は、得体が知れないものに対する恐れなので、やはり書く過程で多少なりとも言葉にしてみたところ、恐怖心は少し薄れました(驚き)。
「○○を懸念していて、前向きになれない」という○○が、自分の中で少しずつでも見えてきたことは、牛歩のように人生を生きる私にはジャイアント・ステップに感じます。
私、もしかしたら……もしかするかもしれません(TO BE CONTINUED)!