http://www.grandmuseeduparfum.fr/en/
Entre émotion, sensorialité et plaisir, Le Grand Musée du Parfum propose un parcours original, ludique et immersif pour appréhender l’univers du parfum.
パリの香水博物館で、あなたの香りに出会う【母だってひとり旅＃１】
お母さんのひとり旅を応援する「母だってひとり旅」。ここでは、大のひとり旅好きの著者が、女性のひとり旅におすすめの場所をご紹介していきます。今回紹介するのは、パリに昨年できたばかりの香水博物館。フランス人の香水に対する意識を肌で感じ取ることができる体験型ミュージアムです。
前回は忙しい母の立場であっても、ひとり旅に出ることができるコツをお伝えしました。今回は、実際に行って来た旅の中で、女性におすすめのスポットをご紹介します。
■パリの香水博物館は、あなたにもっとも適した香りを教えてくれる場所
昨年の12月、パリ市内に新たに香水博物館（Le Grand Musée du Parfum）が誕生しました。香水専門の博物館と聞いて、あなたはどんな場所を想像されますか？
多種多様なボトルが数多くディスプレイされている、香水の歴史に触れられる、あるいは成分についての詳細なガイドがある……など、いろいろな想像が出てくるかとは思いますが、この博物館の一番の魅力は、自分に合った香りを知ることができること。
私は人間の五感の中で、嗅覚ほど原始的な器官はないと思っています。ある香りを嗅ぐだけで、好感や嫌悪感を抱いたり高揚したり安心したりと、気持ちまでもが変化する。好きな香り、苦手な香りというのも必ずあるはず。自分が落ち着く香りが何なのか、何からできているのか知ることができる場所、それが「香水博物館」の魅力なのです。
■香りにまつわる人物や香水の歴史に触れてみよう
まずは博物館の地階へ。最初に目に入るのは香りと密接な関連を持ったとされる歴史的人物のポートレート。鮮やかな色彩と美しい配色。これだけでも美術館に来たような感覚を味わうことができます。
また、古代エジプトで用いられたという調合香料、キフィ（kiphi）の香りを嗅ぐことができたり、オブジェのように並べられた昔の香水瓶を見ることができる空間もあります。
現代でこそ香水は、主におしゃれや自分の気持ちを高める用途で使われることが多いですが、古代においては神を崇拝するための道具として存在していました。
やがてそれはいわゆるアロマテラピーのように、人間の肉体や精神を整え、環境を整えるものへと変化していきます。さらに調香師の誕生、現代の嗜好性メインの役割に至るまでの流れと移り変わっていくわけです。
■嗅覚と遊ぶような感覚を味わおう
地階の次は、２階へと足を運びます。このフロアには、香りを楽しめる草花のインスタレーションがあり、これがとても興味深いもの。
まるで花の匂いを嗅ぐようにして一つひとつのオブジェに近づいてみると、それぞれ違った香りを体験することができるのです。まるで草原にいながらにして、さまざまな香りの花を次々と嗅いでいくような感覚がとてもユニーク。
さらに３階へと昇ると、香りの原料を直接試すことができる空間演出がされています。香水の原料にはローズやラベンダー、ムスクなどがありますが、それらにまつわる話を一つひとつ、日本語で聞くことができるのです。
別室には香りをテスターで試して、何の香りか当てることのできる場所も。
■世界中の香水を一度に試すことができる
展示を見終わって１階に戻ってくると、ミュージアムショップに加えて世界中の香水を試せる部屋が。
ここには有名ブランドの香水がずらりと揃っており、それらをすべて試すことができるのです。なかなかに希少な体験ではないでしょうか。香水そのものに興味がなくとも、ボトルのデザインと美しさを眺めているだけでも目が喜びます。
フランス人は香水に対する意識が高いといわれています。
かつてココ・シャネルが「香水をつけない女性に未来はない」と言ったように、単なる嗜好アイテムにとどまらない絶対的なポジションがあるのです。香水は身だしなみやおしゃれの一部ではなく、生き方そのものに関わるほどのものであるという考えなんですね。ここに私は大いなる美学を感じます。
この香水博物館は、嗅覚がいかに人間の本能とメンタルに密接に繋がっているかということを体感できるミュージアムとなっています。
香りと人とのつながりを今までとは違う視点で見つめ直すことのできるこの施設。女性がひとりで楽しめるという点でもおすすめできる場所です。パリご訪問の際はぜひ足を運んでみてください。
Le Grand Musée du Parfum詳細
所在地：73 rue du faubourg Saint-Honoré 75008 Paris, France
開館時間：火曜〜日曜10:30〜19:00
閉館日：月曜
入館料：大人14.5ユーロ（6歳以下無料）
https://p-dress.jp/articles/3534
ひとり旅が大好きで、元バックパッカーだったバニーさん。結婚して子供を持つようになってからも、ひとり旅を諦めきれず、30代後半に旅に出たい衝動が再燃。夫・子供を置いてひとり旅に出てきました。どうしてそのような経緯に至ったのか？ どうやって母親の立場でひとり旅を可能にできたのか？ リアルな経験を紹介していきます。
