1. DRESS [ドレス]トップ
  2. 美容/健康
  3. 人に好かれ、自分のことも大好きになれる香り「CHANCE Eeau tendre」

人に好かれ、自分のことも大好きになれる香り「CHANCE Eeau tendre」

Share

中学生のときに出会った、憧れの彼女。「同じ香りをまといたい」といつも香水を真似していたけれど、彼女と疎遠になり香りへの自我が芽生えてからは、CHANELの香水に憧れるように。モンゴルナイフさんと「CHANCE Eeau tendre」の物語。

人に好かれ、自分のことも大好きになれる香り「CHANCE Eeau tendre」

はじめまして、私モンゴルナイフと申します。
インターネットで記事を書いたり、ディレクターをして暮らしている者です。

私は「CHANCE Eeau tendre(チャンス オータンドゥル)」という香水が好きで使っています。この香水を買ってみようと思うまでのことを今から話してもいいですか……? 少し長くなるかもしれないのですが。

■「あの子と同じ香りをまといたい」 塾で出会った、憧れの彼女

「みんなから好かれる素敵な人になりたい」。小さい頃からの私の願いはずっとこれ。
ど田舎に住んでいたので、図書館でファッション雑誌を読んでは、かわいくなって人気者になって友達が1000000000人欲しいと思っていた。限界集落に住んでいたけど……。

中学生のとき、かわいくなって人気者になりたい私にちょっとした悲しい出来事があった。

夏の体育の授業が終わった後汗だくになっていたら、好きな男の子から「お前、ポップコーンみたいな匂いするね」と声をかけられた。

ポップコーンの匂い。食べ物の匂いとしては100点ハナマルなんだろうけど、それが体臭だとしたら……。思春期の自分には、その晩にでも死んでしまいたいくらいショックな出来事だった。

かわいくなるだけじゃなくて「いい匂いを自分から発したい」と思うように。しばらくは制汗剤が私のお守りとなった。自分の香りにコンプレックスを持つようになってからは「素敵な香りを身にまといたいもんだね」とふわっと考えるようにもなった

そんなとき、ひとりの女の子と出会う。

学校の成績がとても悪くなり両親が悲しんでしたので、私は少し都会の大きな塾に通うことになった。
入塾初日、授業開始からだいぶ遅れて彼女が悪びれることなく教室に入ってきた。長くて茶色い髪の毛に首には5連のネックレス、破けまくったデニムにセクシーなタンクトップ。同じ年なのに大人びて、美しすぎてクラスの中で異様に浮いている彼女を見て「なんかすごい光の玉!?」という印象を持ったことを覚えている。

何より、彼女が横を通ったあとフワッと華やかないい香りがした。

最初の会話も「いい匂いですね」という不審な話しかけ方をしてしまった。
「これ? いいよね! ジバンシィの香水!」
彼女の気さくな一言で一気に彼女のことが大好きになったのと同時に「この子と同じ香りをまといたい」と思った。

すぐに汽車に乗って大きな町のドラッグストアに向かう。ジバンシィの香水はガラスのケースの中に飾られていた。おばあちゃんからもらったおこづかいを使って、ジバンシィの「ジャルダン ダンテルディ」を迷わず買った。

家に帰ってから自分に香水を振りかけてみたら、突然自分が大人になった気がして興奮して部屋にある布製品すべてにジバンシィの香水をかけた。香水はこのとき半分以上消費され、パーテーションで区切っただけの小学生の弟の部屋にも香りが流れていき、その夜弟は馬の足が生えた怪鳥に追われる悪夢を見たという。

■香りに対して、初めて自我が芽生えた

そんな彼女と、18歳のときに一緒に上京した。

同じような田舎で育ったにも関わらず、彼女は一瞬で東京に馴染み、大学最初の夏休みに銀座を案内してくれた。そのとき一緒に買った香水はクロエ。
クロエの香りの女性は街にたくさんいたので知っている香りだったけど、改めて自分にふりかけてみると激しくセクシーで「東京に生きている自分最高!」という気持ちになれた。

私は自分という存在を大変尊いと思っていて、大好きで愛してやまない。なので、性格とか見た目を誰かに寄せたいと思うことはほぼなかった。それでも香りだけは自信がなくて、彼女と同じ香水を10年くらい買い続けた。

その子と最後に同じ香水を買ったのは社会人1年目のとき。最後の1本はアニック グタールの「プチシェリー」という香水だった。洋ナシのような香りがして、若々しく甘い香り。かぐとなぜか脳裏に部活動を外で頑張っているタイプのイマジナリー女子高校生が浮かんでくる。私の脳のシナプスどうなってしまっているのか。

心が浮足立つような素敵な香りがする高級なフレグランスなのだけれど、自分はこの香水から連想するイメージになりたいわけではないかもしれないなと、香りに対して初めて自我が芽生えた。

このとき、社会人として謎に意識が高まっていたことで、彼女からの自立を少し意識していたのかもしれない。


それからお互いに忙しい会社に就職して、彼女とはめっきり会うことがなくなった。彼女が何の香水を使っているのか、会うことがなければもちろんわからない。

それまで彼女と同じ香水しか買ったことがなかったので、新しい香水を選ぼうにも何を良しとしたらいいのか、何を買えばいいのかすっかりわからなくなってしまった。この世にはいい香りのものが多すぎる。

しばらくは、ドラッグストアで買ったヘアコロンをかけてしのいでいた。


この頃は仕事が忙しく、家に帰る頃にはすっかり深夜だったので、家でビールばかり飲んでいた。忙しいを理由に服も買わなくて手持ちの服は里芋の皮みたいにボサボサになってたし、髪の毛も伸ばし放題で原始人みたいだった。
スマホゲームに月20万課金して、月末にはちょっとした地獄がやってくる。そんな日々を過ごしていたので、香水以前に生活が最悪すぎて、現実が結構イヤになっていた。

「みんなから好かれたい」と思う割に、職場の人とか友達に全然優しくできなかったように思う。

■「私香水つけてないじゃん! シャネルめっちゃ怒るじゃん……」

そんな状態の中でも、「香水を買おう!」と思うきっかけとなる出来事が訪れる。今思い出すと大いなるおせっかいだったような気がする。

職場のランチ休憩中、何人かで話しているときに「みんなはDior派? CHANEL派?」でちょっとした言い争いになった。そのときはCHANEL派が少なく、私はCHANELのことをよく知らないのに心配になって、CHANEL派に手を挙げた。

よく考えたら争うようなことじゃないし、私はCHANELの何なのよ? って感じで、私なんぞが世界のCHANELを気にしたとて何にもならないのに、このときは「私はCHANELの味方だよ!」と思っていた。

CHANELが心配で、銀座三越のCHANELをパトロールしに行ったら、ものすごく賑わっていた。心配した自分に恥ずかしくなりつつ、せっかくなので何か買ってみたいと思いリップスティックを購入してお店を出ようとしたときに、香水のコーナーに置いてある「N°5」が目に入った。


マリリンモンローが、記者から「あなたは、なにを着て寝ているのですか?」という質問を受けて「CHANELの5番よ」と粋な返しをしたというカッコいいエピソードをツイッターの名言botで読んだことがある。その話の影響をもろに受けた私は、N°5の小さな試供品を体に塗り込めて冬なのに裸で寝て、お腹を土砂崩れのごとく壊したのだが、不思議に光るN°5の瓶を目にしたら、ミーハーな私はすぐに気になって「そうだ、今度は香水を見に来よう」と誓い店を出たのだった。

家に帰ってからCHANELのことをすぐに検索する。この行動は明らかなる「善」なので急がなければと思った。すぐに、ココ・シャネルの名言をまとめたツイッターアカウントを見つけた。ツイートを追っていると、ひとつのツイートが目に留まった。

「香水で仕上げをしない女性に未来はない」とフランスの作家ポール・ヴァレリーが言った名言を、ココ・シャネルも気に入ってよく使っていたらしい。シャネルからしてみたら素顔のまま外出をするのと同じことだし、香水はその人の個性だと言っていたそう。

私香水つけてないじゃん! シャネルめっちゃ怒るじゃん……と、人から好かれたい気持ちがまた発動して、会ったこともないシャネルの顔色が気になって、香水を買うぞと静かに決意した。

それから何度かCHANELの店舗に通ったものの、「N°5」や「COCO」の香りをかぐたびに「かっこよすぎるな……」といつも回れ右をしてしまっていた。

ある日の仕事帰り、何度目かに百貨店のCHANELに立ち寄ったら、いつもは目に入っていなかった、丸いピンク色の香水が気になった。試してみたら、CHANELの香水なのに親しみのある優しい香りがした。
その香水が「CHANCE Eeau tendre(チャンス オータンドゥル)」

この香水は、CHANELの香水CHANCEシリーズ3番目の香水で、シャネルでは初めての丸いボトルが特徴的な香水。「チャンスを掴んで」と名前通りの意味が込められている。日本で爆発的な人気とBAさんが教えてくれた。

BAさんから「オータンドゥルはローズとジャスミンのフレグランス」と聞いたのに、香りを試したら頭に満開の桜が浮かんだ。私は香り音痴なのかもしれないと激しくショックを受けたが、「この香りみんなから超絶好かれそう」と思い、あまり迷わずに買った

私は「人に好かれたい」と思って生きているので、なりたい自分のイメージにぴったりだったし、ちょうど転職活動をしていた時期だったので、チャンスという名前に運命を感じた。


……というのもあるけど、クールな感じのBAさんが「CHANCEの蓋ってサイコロみたいでいいですよね」と無邪気に何回か目の前で転がしてくれたのがおもしろかったっていうのが、正直な購入の決め手なのだけれども。

■自分のことを「ナイス」と思えなかった時期を越えて

そんなこんなで、香水を決められないフレグランス流浪の民を27歳になってやっと卒業した。

CHANCEは「優しい香り」というより「優しくなれそうな香り」だと使うたびに思う。

忙しいと心に棲む、映画『セッション』に登場する鬼コーチ テレンス・フレッチャー(気になる方は映画をご覧ください)が目を覚ましそうになるけれど、CHANCEの香りを感じるとテレンス・フレッチャーを滅ぼせるし、周りのみんなにも優しくできているような気がする。
というか心にテレンス・フレッチャー棲んでるの怖すぎる……早く出ていってもらわないと。


例の彼女は、1年前に唐突にLAに移住してしまったので、今ではどんな香りをまとっているのかはわからないのだけれども、きっと今もいい匂いに違いない。

すごい勢いで未来を切り開いていく彼女には、なかなか追いつけそうもない。

私も私で、今はインターネットの仕事を前向きに頑張っている。
CHANCEを初めて買った頃は、自分のことを「ナイス」と思えない時期だったけど、今の自分は友達とか家族にも好かれているし、自分も自分をかなり気に入っている

インターネットで顔を出して活動するようになってから、恐ろしいDM(ダイレクトメッセージ)が来て戦慄することもある。でも、SNSで「好きです」と言ってくれる優しい人々に出会うことも増えた。うれしくて毎回泣くし、「地球ありがとう」とこの世のすべてに感謝をしたくなる。

今は私なりのチャンスをつかめていても、サイコロを振るみたいに人生はどうなるかわからないけど、今のところ地球ありがとう。

Share

モンゴル ナイフ

都内でディラクターやライターをしています。好きな季節・冬

関連するキーワード

関連記事

Latest Article