オトナの恋愛映画、ここに極まれり!ー『カフェ・ソサエティ』 - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#9
ウディ・アレンが監督&脚本をつとめる最新作『カフェ・ソサエティ』。2016年カンヌ国際映画祭のオープニング作品にも選ばれた本作。世間知らずの主人公ボビーと、彼が出会う二人の美女・ヴェロニカとの恋を描きながら、人生の「選ばなかった道」を、ゴージャスな映像と共に浮かび上がらせる、粋なロマンティック・コメディです。
◼︎人生の酸いも甘いも味わいつくしたウディ・アレン(81歳)だから描けるもの
本日、DRESS読者の皆さんにおすすめしたいのは、現在公開中の映画『カフェ・ソサエティ』!
アカデミー賞常連のウディ・アレン監督による最新作の本作は、DRESS世代のオトナ女子に響くちょっぴりビターなセリフが盛りだくさん!
81歳の監督とは思えない、おしゃれでテンポのよい映像と音楽に彩られながらも、心にずしんと響く言葉たちが全編に散りばめられています。
また、スカーレット・ヨハンソンなど多数のミューズを見出してきた同監督。本作の主演女優に選んだクリステン・スチュワートの端正な美しさと、彼女がミューズを務めるシャネルが、本作に衣裳を提供している点も見逃せないポイントです。
◼︎『カフェ・ソサエティ』の気になるストーリーは?
舞台は1930年代のハリウッド。
NYブロンクス出身の平凡な青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、言い争いの絶えない父と母、ギャング崩れの兄、夫と子どもと暮らす姉の5人家族の末っ子として過ごしていました。
父の仕事を継ぐよりも、もっと刺激的な人生を送りたいと夢見た彼は、母の弟である叔父を頼ってニューヨークを訪れます。
全米から明日のスターを夢見た者たちが集まる華やかな映画の都・ハリウッドで、映画業界の大物エージェントして財を築いた叔父・フィル(スティーヴ・カレル)。
ボビーの存在を疎ましがっていたフィルですが、雑用係として彼を雇うことにしました。
フィルのもとで働き始めたボビーは、彼の秘書ヴェロニカこと愛称:ヴォニー(クリステン・スチュワート)の美しさに心を奪われます。
交際中の彼氏がいるとヴォニーに告げられてしまったボビーでしたが、あることをきっかけに、ヴォニーとの仲が急接近!
彼女と結婚し、故郷のNYに帰ることを夢見るボビーですが……。
そんなヴォニーへの想いを抱えたボビーのもとに、もう一人の美女ヴェロニカ(ブレイク・ライブリー)が出現!
夫に浮気され、独身になった美しいこちらのヴェロニカにも惹かれていくボビー。
果たして、彼が選ぶのはどちらのヴェロニカなのでしょうか?
◼︎見どころはスウィートでビターなオトナの恋愛模様
本作の見どころは、決して「ボビーが、どちらのヴェロニカを選ぶのか」という単純なものではありません。
むしろ「選ばなかった人生のもう一つの道」への悲哀を描いている点こそが、本作の秀でたところ。
切なく、ビターな内容でありながらも、観るものをどこか勇気づける人生賛歌へと昇華されているのは、人生の機微を知り尽くした81歳のウディ・アレン監督だからこそ。
あまりにも粋で、あまりにも美しい『カフェ・ソサエティ』。ぜひスクリーンで観て、あなたが選ばなかったもう一つの道に、想いを馳せてみませんか?
◼︎『カフェ・ソサエティ』公開情報
『カフェ・ソサエティ』
5月5日(金・祝)TOHOシネマズみゆき座ほか全国公開中
監督:ウディ・アレン『ミッドナイト・イン・パリ』『ブルージャスミン』
出演:ジェシー・アイゼンバーグ『ローマでアモーレ』、クリステン・スチュワート『トワイライト』シリーズ、ブレイク・ライブリー『ロスト・バケーション』、『ゴシップガール』シリーズ
配給:ロングライド
上映時間:96分
公式サイト: movie-cafesociety.com
© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
映画・ファッションライター。女性誌や女性向けWeb媒体を中心に、新作映画やオススメのファッションアイテムなどを紹介しています♫