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信じた道を進み続ける人の美しさ - コマエンジェル公演「幾星霜 RETURNS」を観て

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東京都狛江市を拠点に活動する主婦パフォーマンス集団「コマエンジェル」による公演「幾星霜 RETURNS」を観た。昨年9月に上演された「幾星霜」の再演。そして、2017年5月には「幾星霜 OKAWARI」として、コマエンジェルが銀座博品館劇場に進出する。

信じた道を進み続ける人の美しさ - コマエンジェル公演「幾星霜 RETURNS」を観て

「幾星霜 RETURNS」という公演を観た。幾星霜(いくせいそう)とは、苦労を経た上での、長い年月を意味する。激動の昭和を生き抜き、平成の今、人生の幕を下ろすひとりの高齢女性の一生を、昭和のヒット歌謡曲とダンスで描く、笑いあり涙ありの作品だ。

■狛江市の主婦パフォーマンス集団「コマエンジェル」が演じる女の一生

ある女性の長い人生を演じるのは、以前にもDRESSで取り上げた、狛江市を拠点に活動する主婦パフォーマンス集団「コマエンジェル」。2016年に結成10週年を迎えた。13人のメンバーのほとんどが40代で、初期メンバーは50歳を迎えようとしている。

その活動は、年齢を感じさせないほどエネルギッシュ。昨年9月の初の単独公演「幾星霜」(狛江エコルマホール)には発売即チケット完売で約1100人を動員。ファンとなった人たちから「再演してほしい」という強い願いもあり、4月21日〜22日に労音大久保会館「R'sアートコート」でアンコール上演されたのが「幾星霜 RETURNS」だ。

しなやかに引き締まった体で、ときにはセクシーに、ときには恥じらいを捨てたような顔芸を加え、幅広い踊りを見せてくれるメンバーたち。彼女たちの青春時代に流行した「青い珊瑚礁」や「熱くなれ」から、映画『ムーラン・ルージュ』や『バーレスク』の妖しい音楽、ラップ調の「ババアの歌」などに合わせてステージ狭しと踊りまくる。

ハチャメチャで独特な世界観を貫くのは、昭和〜平成を駆け抜けた女性の一生だ。おかっぱ頭でやんちゃに駆け回る「子ども時代」。三つ編みを垂らし同級生とのおしゃべりに夢中になった「女学生時代」。同じカフェバーで働く女子たちと“役”を巡ってバトルした「踊り子時代」。若さやフレッシュな魅力で美しく輝いていた「戦いの時代」。

人生のパートナーと巡り合い、夢よりも結婚を選んだ「花嫁時代」、「新婚時代」。子どもに恵まれ、育児に家事に仕事にと多忙を極めた「ママ時代」。子どもが皆自立し、再び自分の人生を謳歌できるようになった「オバチャン時代」――。そんな目まぐるしい舞台転換を表現するのは、早着替えによって一人何役もこなすメンバーたちだ。

■他人からの評価に振り回されず、できることを積み重ねる美しさ

コマエンジェルは、実年齢だけで考えると「オバチャン」に分類される。人生経験を積んで進化し続けてきたメンバーたちだからこそ、その演技には説得力があった。

彼女たちの多くは学校卒業後、働き、結婚し、母になった。そのタイミングで、いわゆる「バリキャリ」として仕事をしていたメンバーも、仕事を手放したり、第一線から退いて「ゆるキャリ」を選択したりと、自らの生き方を変えた。

社会で活躍するとか、仕事を通して自己実現をするんだとか、独身時代に掲げがちな目標の代わりに、家族のために生きるようになった。家族というチームの全メンバーに目配りし、コミュニケーションを図り、全員が良いパフォーマンスを発揮できるよう、裏方として奔走する日々。

主婦を「気楽な生き方」と考える人もいれば、「女性も仕事を手放してはいけない」と主張して主婦になることを勧めない人もいる。しかし、自らを「主婦パフォーマンス集団」と名乗るコマエンジェルたちは、他人からの評価に振り回されることなく、自分でしたいことを、自分でできる範囲でコツコツと積み重ねてきたのだと思う。「幾星霜」も週に一度の稽古を2年間かけて仕上げたというから驚きだ。

選んだ道を自分の足で力強く歩み、日々一生懸命生きる。そんなコマエンジェルの個性的なメンバーは全員、舞台上で「主役」を張っていた。彼女たちの内側から放たれる自信という輝きが眩しかった。自分の生き方に責任と覚悟を持った人間の迫力としなやかさを、私はそこで目にしたのだった。

■コマエンジェルの「幾星霜 OKAWARI」が5月28日、銀座博品館劇場で公演決定!

2016年9月「幾星霜」(狛江エコルマホール)、2017年4月「幾星霜 RETURNS」(労音大久保会館)に続き、2017年5月「幾星霜 OKAWARI」として、コマエンジェルが銀座博品館劇場に進出!

場所:銀座「博品館劇場」 03-3571-1003 
 http://theater.hakuhinkan.co.jp/
    ●銀座駅から 東京メトロ 銀座線・丸の内線・日比谷線
     ⇒『銀座駅』A2出口より徒歩5分
    ●新橋駅から  JR『新橋駅』⇒銀座口より徒歩3分
      東京メトロ 銀座線『新橋駅』⇒出口1より徒歩3分

日時:2017年5月28日(日)

開演:(1)14:00(開場:13:30)公演時間約90分 休憩なし
   (2)17:00(開場:16:30)公演時間約90分 休憩なし
料金(全席指定):¥5000(一般)
         ¥3000(小・中・高校生 ※学生証、保護者確認)

【チケット販売】
●Ro-Onチケットセンター
047-365-9960(10時~18時 土日祝祭日除く)
http://www.ro-on.jp/
   
●コマエンジェル 
ommr@smail.plala.or.jp
http://ommr91.wixsite.com/komaangel
(コマエンジェルHPのメールフォームよりお申し込み)
https://www.facebook.com/komaangels/ 
(Facebookメッセージからのお申し込み)

主催:東京労音
企画制作:コマエンジェル
構成演出振り付け:荻野美和
制作協力:ユニオンアーティスト

写真/大島りんご

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池田 園子

DRESS編集長。楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは人間の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。趣味のひとつはプロレス観戦。DRESSプロレス部 部長補佐を務める。著書に『はたらく人の結...

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