妊娠しやすい体は“標準体重”に近い、痩せすぎでも太りすぎでもない体
妊娠しやすさと女性の体型・体重には密接な関係があります。妊娠しやすい体作りを目指すなら、太りすぎでも痩せすぎでもない、標準体型かつ標準体重。百木ゆう子さんの連載#6では、妊娠しやすい体作りの基本をまとめました。
■妊娠しやすい体作り、できていますか?
多くの女性が望むのはスレンダーな体型。私のサロンにもそうなりたいと願うお客様が、日々たくさん来店されます。
しかし、うち半数以上の方が、ダイエットが不要な体型です。確かに雑誌を見れば細いモデルさんばかりで、あのようになりたいという気持ちはよくわかります。
ただ、理想のスタイルと同時に、妊娠したいと望んでいる方は、まず「妊娠しやすい体作り」ができているかどうか、考える必要があると思うのです。
■痩せすぎも太りすぎもNG 一定量の「皮下脂肪」は重要
女性の正常な排卵や女性ホルモン分泌には、一定量の皮下脂肪が不可欠です。排卵を起こすための女性ホルモンはコレステロールで作られます。
短期間(1年以内)に5kgあるいは10%以上の体重減少が起こると、皮下脂肪から分泌される物質「レプチン」の不足などから、脳内のホルモン分泌異常が起こり、卵巣機能が低下あるいはストップしてしまうのです。
これは自分の身が危機に陥ったときに生殖を犠牲にするという、命には直接影響のない生体の防御反応と考えられます。その結果、月経不順・排卵障害で無月経・無排卵になってしまうことがあるのです。
■一度止まった生理や排卵を戻すのは大変
1年間に5kg以上の体重の変動があると、月経は止まりやすくなります。また標準体重を30%以上上回っていても月経は止まってしまうことがあります。
一度失われた月経を簡単に元に戻すような薬はありませんし、体脂肪や体重を増やしても、一度低下してしまった卵巣の機能を高めるには、2~3年くらいかかるケースが多いです。
無月経や無排卵が長期にわたって起こると、子宮や卵巣が萎縮し、機能が低下してしまいます。無理なダイエットや過度の体重変動には十分に気をつけてください。
■妊娠しやすい体作りの基本は「標準体重」を意識した体型キープ
妊娠と女性の体型には密接な関係があり、妊娠力に大きな影響を与えます。もちろん、肥満・痩せすぎの女性全員が妊娠しにくい状態であるわけではなく、肥満・痩せすぎであっても妊娠しやすい人はいます。
しかし、少なくとも体型を改善することで、妊娠力を向上できるのは確かです。今後、妊娠・出産を望むのであれば、自身の体型に気遣い、なるべく体重を「標準体重」に近づけるよう心がけましょう。
繰り返しになりますが、過激なダイエットは妊娠力の低下や卵子の老化の加速を引き起こします。妊活中の女性はしっかりと食事・運動などの生活習慣を管理して、自身の体型を妊娠に適した状態にする努力が大事です。
妊娠しやすい体は一朝一夕に作れません。日々小さな習慣を積み重ねて、妊娠しやすい体作りを進めましょう。
2017年5月1日公開
2019年7月18日更新