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ホントは怖い!?イオン導入の真実【百木ゆう子 連載#4】

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イオン導入という美容法があります。このイオン導入が作用する仕組みや、ときとして肌に危険が伴う可能性もある、ということをご存じですか? 正しい知識を手に入れて美しい肌を目指す方法を、現役エステティシャン百木ゆう子が伝授します。

ホントは怖い!?イオン導入の真実【百木ゆう子 連載#4】

■「肌の奥まで浸透」の「奥」って?

イオン導入の仕組みを知る前に、肌の仕組みを知っておきましょう。

肌表面の表皮層は上から順に角質層、淡明層(透明層)、顆粒(かりゅう)層、有棘(ゆうきょく)層、基底層に分類されます。

CMなどで見聞きする「肌の奥まで浸透」の「奥」とは一番上の角質層のこと。そして、この角質層の厚さが0.01~0.03㎜!

食品ラップほどの厚さ(薄さ?)。つまり化粧品の「浸透」というのは角質層に化粧品の成分を行き渡らせることです。

あくまで皮膚表面の角質層までしか浸透はしないので、その下で細胞分裂している「基底層」や「繊維芽細胞」まで成分が届くことは、基本的にあり得ないのです。

これは化粧品の管理を行っている「薬事法」という法律でも決められており、化粧品成分として角層より深く浸透していくことを広告すると、それだけで法律違反で罰則を受けることになっています。

■肌最大の役割は「体を守ること」

まず「肌」が何のために存在するのか? ということから考えましょう。基本として「皮膚」とは「障壁」です。異物が体内に侵入するのを防ぐ「バリア」の役目を果たすのが皮膚。

ここでいう異物とは細菌はもちろん、ビタミンCやヒアルロン酸などの美容成分も含みます。実は美容成分の分子が小さいからといって、肌に必ず浸透するわけではありません。

角質層とその下の顆粒層の間で「障壁」となるよう、まるで金網に電流が流れるような形でバリアとなり、外から異物が侵入できないようになっています。

そもそも肌最大の役割は「体を守ること」。良いものとか悪いものという前に、バリアで外敵から細胞や血管、神経を守るいわば甲羅のようなもの。

そのため、そう簡単に通過はできず、美容成分を肌内部に届けるためには、バリアをクリアしなければなりません。これをクリアするためにイオン導入で新たにイオンを送り込み、一時的にバリアを解放し成分を浸透させます。

子どもの頃に遊んだ磁石を思い出してください。同じ極同士を近づけると反発しましたよね。まさにこの作用です。

■すべての美容成分がイオン導入できるわけではない

イオン導入でバリアを解放し、美容成分を押し込むと、肌内部まで届くことがわかりました。では、イオン導入を利用すれば、どんな美容成分でも肌の奥まで浸透させることができるのかというと、実はそうではありません。

イオン導入で活用できる成分は電気を通す水に溶けやすい性質、つまり水溶性の成分であることと、成分の分子がもともと肌に通る大きさのものでなければなりません。そのため、通常のヒアルロン酸やコラーゲンは分子が大きいのでイオン導入に適していません。

・適した成分:ビタミンC誘導体、プラセンタ、グリシルグリシン、トラネキサム酸、アミノ酸、成長因子など
・適していない成分:コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなど

■イオン導入時に注意したい、界面活性剤の存在

手元にある化粧水や美容液でイオン導入できるようなCMを観たことがありますが、実はここが落とし穴。

一般的な化粧水には、水溶性の成分だけでなく、脂溶性成分が一緒に配合されているのがほとんど。この脂溶性成分を配合するとき、「界面活性剤」がどうしても必要になってしますのです。

界面活性剤がイオン導入によって、肌の内部まで浸透すると、肌の炎症を招く場合があります。これらのことから、イオン導入をする上では、肌の安全を考えて、イオン導入専用の化粧水を使用することをおすすめします。

一般の化粧品には防腐剤や、香料などが使用されているものが多く、それらの化粧水などで行うと、防腐剤、香料もイオン化され、肌に浸透してしまう危険があります。手やコットンでつけるための化粧水と、イオン導入のための化粧水は違うと考えるべきでしょう。

■イオン導入時に使える、自作で簡単+安心な「ビタミンC化粧水」

家庭用イオン導入機を購入すると、常にそれ専用のものを買わなければならないのですが、実は適切なものであれば手作りの化粧水でも問題ありません。ここではイオン導入専用ビタミンC誘導体化粧水の作り方をご紹介します。

用意するもの
・ビタミンC誘導体パウダー、精製水、グリセリン、容器(100ml以下のもの)

作り方
1.容器に精製水を50ml入れます
2.ビタミンC誘導体パウダー1.5gを入れます
3.グリセリンを3~5cc入れます
4.フタを閉めてよく振り、完成です
5.保存の際は冷蔵庫に入れます

注意事項
・容器に成分などを入れる前に、一度精製水を入れてよく振り、水を捨て容器内を綺麗にします。
・ビタミンC誘導体は必ずパウダー状のものを使用します。購入するビタミンC誘導体はイオン化する「パルミチン酸リン酸アスコルビル3NA(APPS)」、「リン酸アスコビル3NA」、「リン酸アスコビルMg」のうちどれかです。おすすめはパルミチン酸リン酸アスコルビル3NAです。ネットなどで購入可能です。
・精製水50ml、ビタミンC誘導体1.5g、グリセリン3~5gでできるビタミンC誘導体の濃度は約3%です。濃度が高すぎると刺激が出るため、最初はこれくらいの濃度から始めてみます。
・作る化粧水の量は2週間以内に使い切れるくらいが適切です。防腐剤など一切使用していないので劣化が早いため、冷蔵庫で保管してください。
・イオン導入だけでなく、普通の無添加化粧水としても使えます。

美容家電や化粧品の進化で、美容法の選択肢も増えてきました。これは本当に素晴らしいことです。そのぶん、本来の肌や体の機能を理解した上で、広告などに惑わされることなく、今の自分に合った美容法を見つけ出してくださいね。

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百木 ゆう子

統合美療師。MomokiYuko AOYAMA主宰。 ボディリゾートMOKA エステティシャン。 百木ゆう子エステティックアカデミー校長。 日本美容技術者協会 代表理事。 日本プロトコール&マナーズ協会認定アドバイ...

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