ミラネーゼの新年の迎えかた~ミラノ通信#2
前回はクリスマスの過ごし方をミラノ在住河見恵子さんに取材してくれましたが、今回は日本とはちょっと違ったイタリアの新年の迎えかたを伺いました。
Buon Anno2017☆☆明けましておめでとうございます。
クリスマスから1週間で新年を迎え、飾り付けなど街の様子ががらりと変わる日本。いっぽうイタリアでは、なんとクリスマス飾りはそのままに、1月6日のEpifania東方の3博士がキリストの誕生を祝福しに駆けつけたとされる祝日までがクリスマスのフェスタ期間となるのです。
「魔女ベファーナの日」とも呼ばれ、子どもたちがツリーや暖炉に用意したくつ下にプレゼントをもらえる日。良い子にはプレゼント、悪い子には炭が入るとされています。
クリスマスのプレゼントも本来はこの日にもらうのですが、最近はクリスマスにプレゼント交換をして、良い子にはさらにベファーナから贈り物がもらえるのです。日本でいうお年玉のようなものでしょうか? 子どもたちはウキウキと聞き分けよく過ごします。
イタリアではこの日にクリスマス飾りが片付けられ、街はふだんの顔に戻るのです。
花火で迎える新年!
新年を迎える瞬間は、花火や爆竹で賑やかに迎えるのがイタリア流。大きな打ち上げ花火が上がる街もあり、発泡酒スプマンテを開けて「Auguri!!(おめでとう)」とお祝いします。以前、銃撃戦のようなもの凄い轟音があちこちで響く様子の動画をみて、戦闘の爆撃かと錯覚したことがありました。よく見たらこれはナポリの年越しの様子でした。決められた打ち上げ花火ではなく、街のあちこちで人々が好き勝手に花火を打ち上げ、爆竹を鳴らしていた映像。ニュースで今年も死者がでた、と報道があったのでビックリしました。なんともナポリらしい伝統的な新年の迎え方。年越しの瞬間は、外を歩くのも命がけといわけです。
ミラノでも各所で花火が打ち上げられます。こちらの写真は、自宅の窓を開けたら飛び込んできた光景を友人のカメラマンTakehiko Niki氏が捉えたもの。ミラノの中心地、閑静な住宅街でもこのとおりです。翌朝は打ち上げ花火の残骸が転がり、市の清掃車が綺麗に片付けていきます。近所迷惑や後始末を顧みず花火を打ち上げ、規制に縛られずに楽しむイタリア人、人生も節目の行事もめいっぱい楽しむ姿勢は、ある意味、羨ましいものがあります。
おおみそかに食べる縁起のよいイタリア流おせち
日本のおせち料理にあたるものはあるの? と聞かれますが、こちらではコテキーノといって豚の腸に挽肉やスパイスを詰めたソーセージ、豚の前足に同じく詰めたザンポーネと言われるものを、レンズ豆の煮込みとともにいただきます。レンズ豆は平たくお金の形をしていることから、食べるとお金が入ってくるといわれ、縁起のいいものとされています。
健康でお金に困らない年を迎えられるよう、この2つを大晦日に食べるのが慣例となっています。
デザートには、パネットーネ。12月に入るとお菓子屋、パン屋、ガストロノミア、スーパーに至るまで山のように積み上げられます。天然酵母を使って焼き上げるドライフルーツ入りのブリオッシュのようなケーキはミラノ発祥、クリスマスを過ぎても朝食や食後に登場するイタリアの冬の定番菓子です。
赤い下着を身につける! アモーレの国
もう1つ、大晦日の夜の慣例を。愛と幸運でいっぱいな新年を迎えられるよう、男女ともに赤い下着を身につけるのです。健康、金運、幸運だけでなく愛も、というところがアモーレの国らしいですね。年末の下着メーカーのウインドウは、赤いシリーズで飾られるのがこちらも恒例となっています。
大騒ぎのうちに元日を迎えるイタリア。正月は1日のみで、2日からは通常の平日です。
今年のセールは1月5日からスタート。Saldi(セール)の期間は長く、30%オフから始まって50%、2月末ころには70%オフとなる店もあり、人々は狙ったものが値下がりしていく様子をみながら、もう少し待ってより安く手に入れるか、売れてしまう前に購入するか、駆け引きに余念がありません。
流行に関係なく使えるキッチン用品なども、セール購入のねらい目です。明るい色のテーブルクロスやキッチン小物をみると、春が待ち遠しくなってきますね。