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ひとりぼっちでクリスマスを過ごすのがつらい女性へ贈りたいメッセージ

クリスマスをひとりで過ごすことを「クリぼっち」などといいます。クリスマスにひとりぼっちな過ごし方は惨め? そう思うなら徹底的に悲しんで。つらさや敗北感と向き合える女性こそ、人の痛みがわかる器の大きい女性になれるのです。

ひとりぼっちでクリスマスを過ごすのがつらい女性へ贈りたいメッセージ

今年のクリスマスをシングルで過ごすあなたに、心を込めてこのコラムを贈ります。

■クリスマスにシングルで過ごすことが悲しいなら、存分に悲しみ尽くして

クリスマスの訪れに浮きたつ人々の中、自分だけがこの広い世界にたったひとり取り残されたような、はてしない孤独。魂がうずくような痛み、悲しみ。泣いて泣いて、泣きすぎて、目が痛いからもう泣きたくないのに、まだ泣けて──。
クリスマスって残酷なものですね。



いまあなたはきっと、こんなふうに考えているのではないでしょうか。
「一歩街に出れば、いたるところにカップルばかり。幸せそうなご夫婦ばかり。それなのになぜ、わたしだけひとりぼっちなんだろう」「わたしの何がいけないんだろう?」



結論からいうと、もちろんあなたがいけないのではありません。
人生には、運命という名の見えざる力に導かれて進んでいくという側面があります。この運命というものの導きによって、今年のクリスマス、あなたはシングルでいるという状況を通過している。ただそれだけのことです。
懸命に探しても、考えても、それ以上の意味は、きっとどこにもありません。



こんなふうに言っても、あなたがいま見舞われている悲しみや敗北感を払拭することはできないかもしれません。けれど、だからこそあえて伝えたいのです。
その悲しみや敗北感から逃げずに、まっすぐに傷つき、悲しみ尽くしてくださいと。

わたし自身はいまアラフィフと呼ばれる世代を生きています。振り返ると、これまでの人生で、なんと多くの女性に出会い、彼女たちの生きざまを間近で見つめてきたことでしょう。
そして、多くの女性たちを見てきたからこそわかったことがあります。それは、「人は傷つき、悲しみ尽くす経験を経てこそ、他者の痛みを心の底から理解できるあたたかい人間になれる」ということ。
「あたたかく、深い情を宿した人間に成長できてこそ、人として生まれてきた価値がある」ということなのです。



通る人が振り返るほど美しくても、パートナーに恵まれていたとしても、人の痛みに思いを寄せることができなかったり、冷たく、情がない人間として生きていくのだとしたら、90年にもおよぶ長い人生を生きていく意味、価値がない。
厳しいようですが、わたしは心からそう思います。あなたはどう思われるでしょうか。

■傷つき、悩み、考え抜いた女性こそ、きちんと歳を重ねていける

世の中にはなぜかとても運のよい人がいるものですね。
「あの人は運が強くていいなあ」などと人はうらやみます。けれど、運のよさに守られて、深く考え、悩み、傷つくことがないままスムーズに人生を進んでいける人は、往々にして人の痛みに鈍感なものです。本当のやさしさ、あたたかさを備えてはいなかったり。



これは、きちんと壁にぶつかり、傷つき、悩み尽くす過程の中で、しっかり物事を考え抜いた経験がないから。深い自己否定にもがくことなく、「わたしって素敵」「わたしって優れている」と安易に自己肯定感を得てしまったがゆえに、不遜さが身に染みついてしまったものなのでしょう。



不遜さとは、心眼をくもらせる恐ろしい威力を持ったフィルターです。このフィルター越しに見ている限り、人のやさしさ、悲しさといったこの世の奥深い真実に気づくことはできません。
たった1度きりの人生を、人の世の真実に気づき、触れることもないまま終えるなんて、あまりにも惜しいことだと思いませんか?
そのように過ぎてしまう人生こそ、まさに「馬齢を重ねる」ということなのだろうと思います。



「馬齢を重ねる」とは、大したこともしないまま、ただいたずらに歳をとることを指す表現です。謙譲表現として用いられることの多い言葉ですが、わたしは時折この言葉を思い出して、身のすくむ思いに駆られます。
馬齢など重ねてはいけません。本気で悩み、考え、気づき。生きた甲斐のある人生の時を重ねて、本当のやさしさを備えたいい女に、自分を育てたいものです。

いい男ほど、いい女を見抜きます。
いい女とは、賢く、あたたかく、人として深い情を宿した女性のことです。
心の底から傷ついたことのない女性には、辿り着くことのできない境地ともいえます。



傷つき、悲しみ尽くすクリスマスを経験することで、あたたかな情を宿すことになるあなたは、いま、いい女に成長するためのスタートラインに立っているのです。
いい女になることができれば、いつの日か必ず、いい男と結ばれます。運命の導きとは、そのようにできているものですから。



だから、今年のクリスマスがつらい女性にとって、きっといまが人生の底。今年が人生最低のクリスマス。来年のクリスマスは、きっと今年よりうんといい日になる。きっとできます。



だから、今年は中途半端に逃げたりごまかしたりせず、真正面から悲しんで泣き尽くしてしまいましょう。ただし泣くときは誰にもすがらず、自分ひとりで。
涙はひとりで流すもの。これも、いい女になるための大切な矜持です。

Merry Christmas.

今日はあなたの2度目の誕生日です。
泣いて泣いて、最高のいい女になるための、スタートラインに立つ日──。

湯木 景子

各女性誌ライター、広告プランナーとしての豊富な経験をもとに、女性が人生をより楽しく生き、魅力を磨くためのコンテンツをお届けしています。

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