another life.〜想いを伝えるギフト〜
https://an-life.jp/book
私の人生を本にして見えてきた、これからの生き方
自分の半生を本にしてくれるサービスを通じて、石川智恵さんが考えたこと。
「another life.〜想いを伝えるギフト〜」を利用し、私の42年の人生を綴った本を作っていただいた。
ちょっと恥ずかしい気持ちもあるけれど、うれしい。
ドキドキしながら包みを開けてみると、表紙には「TOMOE ISHIKAWA 42」と私の大好きな真っ赤なハートマークがたくさん散りばめられていて、世界に1冊しかない私だけの本が入っていた。
開けた瞬間、わぁ! かわいい!とはしゃいでしまった。
とても高級感があって想像以上に素敵な本に仕上がっていたのだ。
取材後〜できあがるまでの工程をご紹介しておく。ライターさんが私のインタビューを原稿に起こしてくれて、メールで事実確認や相違点、ニュアンスの違い、掲載用の写真などをやりとりする。
取材で一度会っただけなのに、まるで私のことを昔から知っている人が書いてくれたような内容で、不思議な感じがした。数回のやりとりを経て原稿が完成。
そして、背表紙。「好きな色や文字などおっしゃっていただけたらデザインしますよ」とのことで、お言葉に甘えて、大好きなので赤いハートマークをリクエスト。
2回ほどやりとりをしているなかで、3パターンも送ってきてくれたのには感動した。理想通りのデザインを選び、大満足した私。
すべてのやりとりがストレスなくできて、デザインについてはわがままもきいていただき、制作チームの皆さんには本当に感謝している。
■2時間のインタビュー。気づいたらしゃべることがたくさんあった
制作〜配本までの過程を振り返ってみよう。
人生を本にするためのインタビューは、恵比寿のお洒落なカフェで行われた。
現れたのはとても感じのいいお洒落な好青年二人。
「たいしたお話ができないかもしれません。書いてもらいたいこともまったく決まっていないんです」
取材前は不安や心配もあった。インタビューってどんな方が来るんだろう? 何を話せばいいんだろう? 私の話がちゃんとした本になるのかな?etc. でも、自分の素敵な本ができたら嬉しいな……といった期待も入り混じっていたのだ。
「大丈夫ですよ。ぼくたちの質問に答えてもらえたらそれで大丈夫です! 緊張しないでくださいね」
すぐにインタビューが始まった。
「ご出身は? 幼い頃はどんなことをして遊びましたか?」
「どんな子どもでしたか?」
普段は誰にも聞かれることがない内容で、ちょっと不思議な感覚。
でも、自分の幼稚園時代のこと、曾祖母にお裁縫を習ったのを機にお裁縫が大好きになったこと……気づいたら楽しくなって、たくさんおしゃべりしていた。
「あー、懐かしい! そういえば私、紙やリボンが大好きで、子どもの頃から大好きで、大人になってラッピングインストラクターの資格を取ったんです!」
なんてことや「ロックミシンの教室に通って洋服作ったなぁ」とか、ここ最近思い出すことのなかった細かいことが蘇ってきていた。
いろいろと話しながら、自分は基本的に子どもの頃から好きなことは変わってないんだなぁと思った。
子どもの頃から学生時代、社会人、仕事の話、今の自分。
久しぶりに延々と自分の話をし続けた。
インタビューと写真撮影を含め、約2時間で終了。
2時間というと長いイメージだけど、あっという間だった。
それにしてもよくしゃべった! スッキリした!
■専業主婦時代のブランクを埋めたくて……必死に走ってきた7年間
帰宅してからしばらく、自分の子どもの頃のことや今は亡き祖父母のこと、学生時代にしていたテニスのこと、練習後に飲んだジュースのことや、就職したときのこと、当時の友達、会社、結婚、好きだった洋服のブランド、ファッション、両親のこと、姉妹のことなどを、久しぶりに思い出し、考えていた。
そんな昔のことを、誰かに口に出して話す機会はなかなかない。
私のことを一切知らない二人に対し、わかっていただけるように説明しながら話したので、より思い出すきっかけになったのだろう。
言葉にして誰かに話すってスゴい。
それから数週間、しばらくの間、なぜか今の自分の仕事や生活について、いろいろと考え出した。
何がしたいのか、何を大切にしたいのか、これからどうなりたいのか。
私は42歳。まだまだチャレンジできるような、それでいてのんびりはできないような、微妙な年頃だと自分では感じている。
ランジェリーに関するコラムでも書かせていただいたが27歳〜34歳までの7年間を専業主婦として過ごしたため、その7年間は社会経験がすっぽりと抜けているのだ。
キャリアを積んでいる同じ42歳の女性と比べると、私はキャリアが7年分短い。
だから、35歳からの7年間は本当に必死に走ってきた。
この本を作ることによって、今まで必死に走ってきたために、見て見ぬふりをしてきたことや、近道を探そうと模索してきたことなども頭に浮かんできた。
子どもの頃は気が弱くて、幼稚園では幼稚園の給食が嫌で、ほとんど幼稚園に通えなかった頃の自分。
小学生の頃も人見知りが激しいのと潔癖なところがあって、学校が嫌でほとんど教室の片隅にぽつんといるようなおとなしい子どもだったこと。
「今の智恵さんからは想像つかない(笑)!」と周囲は言うだろうが、本来の私はそんな一面も持っているのだ。
だから一人でいることも好きだし、空想することも大好き。
そんなことまで思い出した。
■人生は短い。だから「いつか」じゃなくて「いつやるか」と考えるように
子どものころからの自分、今の自分の仕事のことなどを、細かく話して活字にしてもらったのを見て、読んで、受け止めたとき、私、がんばってるな! でも、がんばりすぎている自分もいるな、と思えた。
夢が一個一個叶っているなとか、これからはもっと自分に正直に生きていこうとか、自分を見つめ直す大きなきっかけを得られた。
今まで必死に走ってきたけれど、やりたいこともできる限り、どんどんやっていこうと思えるようになった。
Life is short……なんていう言葉まで浮かんできた。
42年の間にたくさんのことがあった。
たくさんの人と出会い、支えられ、ときに別れも経験してきた。
今までの自分の人生を読み返し、これからの人生を大切にし、ていねいに生きていきたいと思った。
まず、何をしようか。
そう考えた私は、11月、今まで行ってみたかったロンドンへ行くことに決めた。
今まではあまり休まず、仕事ばかりしてきたので、やってみたいと思うことをひとつ、叶えてみようと思ったのだ。
またそこで、自分に何か見えてくるんじゃないかって思って。
いつかしてみたい。いつかはやれるだろう。
そうじゃなくて、やれるときにやる。
時間は誰にとっても平等に流れていくのだから、もっと大切にしたいと思った。
この本を作ってから、仕事も非常に順調に進み出した。
「いつか」とか「いつかは」というふうに後回しにしていたことを、「いつかではなく、いつやるか」と考えられるようになったからかもしれない。
人生の棚卸し。
口に出して、活字にする。
自分ではある程度はしてきたつもりではいたけれど、誰かに聞いてもらい、それを本にするということで、これからの人生のビジョンがクリアに見えてきた気がしている。
想像以上に貴重な体験となった。
もしも人生に曇りや霧がかかってもやもやしている方がいたら、こんな体験をしてみるのもありかもしれない。
私もまた次のステップを踏むときには、2冊目を作ってもらおうと思う。