ボルドーを知ればワインはもっとおいしく、楽しくなる。【オトナの美旅スタイル #12】

ボルドーを知ればワインはもっとおいしく、楽しくなる。【オトナの美旅スタイル #12】

フランスを代表するワインの産地といえばボルドー。今あらためて、ボルドーワインのこと、深く知ってみませんか?


旅するジャーナリスト小野アムスデン道子です。ワインは人生の友と思う、私の憧れの地であるボルドーに行ってきました。ボルドーといえば、五大シャトー(シャトー・マルゴーなどその名前を耳にしたことのある人は多いのでは?)をはじめ、高級赤ワインのイメージ? 現地を訪れてみるとボルドーのワインの幅広さと奥深さに驚かされる旅でした

■ボルドーの街自体が素敵!おすすめスポット3

パリから南西に飛行機で約1時間15分でボルドーの空港に到着。ワイナリーの中心は田舎町だと思うと大違い。古くからガロンヌ川での交易で栄えた“月の港ボルドー”は、ユネスコの世界遺産に登録されています。まず、チェックしたいおすすめの美しい風景は川沿いのブルス広場。昼に夜に「水鏡ミロワール・ドー」が美しい街の姿を映し出しています。敷石の上に深さ2cmで造られた水鏡は、景観作家のミシェル・クラジューによるもの。フランスらしいアーティスティックな風景。

ボルドーの街で宿泊したホテルも、部屋ごとに異なるインテリアコーディネートで、帽子をモチーフに表現していてお洒落!

ワイン好きなら立ち寄っておきたいスポットは、2016年6月にオープンしたワインの博物館「シテ・デュ・ヴァンLa Cite du Vin」。世界のワイン、ワインの歴史やトリビア(あの『神の雫』も登場)のほか、テイスティングの技術について、実際に匂いをかいだり、色の表現を見つけたりといつた体験型の展示がとても面白い。日本語でのオーディオガイドもあります。機器を展示マークに近づけると、音声だけでなく日本語表示も出るという優れもの。オーディオガイドに最上階にある展望台での試飲が1杯付いて20ユーロですが、面白くて時間を忘れそう。また、ボルドー観光局のインフォメーションセンターがあり、ここでワイナリーのツアー予約も。

La Cite du Vin http://www.laciteduvin.com/

ワインのテイスティングにおすすめは、ボルドーワイン委員会運営の「バー・ア・ヴァン・ド・セイべべBar à Vin de CIVB」。なんとグラスで2ユーロからテイスティングできます。

Bar à Vin de CIVB http://baravin.bordeaux.com/

■「ボルドーワイン」と呼ばれるには条件がある

ボルドーといえば赤ワインが代名詞のように思えますが、ぶどうの品種が豊富で、赤、白、ロゼ、クレマン、そして写真に映っていませんが、クレレという赤とロゼの中間のワイン、スイートワインも生産されています。クレマンとは、シャンパーニュ地方以外でシャンパーニュ製法で作られたスパークリングワインのこと。

ボルドーワインと呼ばれるためには、フランスのワイン法によるAOC(原産地統制呼称)の基準を満たしていることが必要なのだそう。

こんなお話を聞いたのは、60ほどある生産地の呼称AOCの中で55%を占めるというAOCボルドーとAOCボルドー・シュペリュールに入るワイン生産者が作る組合の本部「プラネット・ボルドーPlanète Bordeaux」。シテ・デュ・ヴァンから車で30分ほどかかりますが、OCボルドーとボルドー・シュペリュールのワインが1001種類揃うカーヴがあって生産者価格で購入することができる穴場。1本5ユーロと驚くお値段でおいしいワインが買えます。

■ブドウの木1本から1杯しか造れないスイートワイン

ボルドーの中で、ガロンヌ川の左岸には5つの村からなるAOCソーテルヌというスイートワインの産地が広がります。ポトリティス菌という菌(カビ)がつくことで糖度が増したブドウを摘み取って醸造して造ります。ガロンヌ川と支流のシロン川の温度差によって生じる霧がブドウ畑を覆うことで、このポトリティス菌が生じるのです。

見た目には変色してしなびたようなブドウ粒から希少なスイートワインができあがるのですが、このブドウの収穫はたいへんな作業で、房の状態を一つひとつ見ながら手摘みします。なので、ブドウの木1本から他のワインだと1本造れるのに、スイートワインは1杯分しかできません。

5つある村の一つ、ボムにある「シャトー・クロ・オー・ペラゲ」で試飲。ハチミツ色をしたスイートワインは、甘さと酸とのバランスがよく、口の中で優雅な余韻が続きます。スイートワイン=デザートワインというのではなく、チーズやフォアグラ、そしてスパイシーなカレーなどにも合うそうです。

■いろいろ試してみたいボルドーワイン、おすすめの演出は?

高価な赤ワインを何年も寝かせてから飲むというスタイルのボルドーワインももちろんありますが、開けてすぐおいしいワインを飲みたいというのが、最近の消費者トレンド。手頃な価格で上質なワインを造るのに、機械化や醸造方法など工夫が凝らされ、蔵出し価格だと5ユーロ以下という驚くべき価格でも、味わい、香りともに深くておいしいワインがあって、ほんとうにワイン好きには天国。

ボルドーの街中のワインバーや、ワイナリーで生産者とのディナーでも、やっぱりチーズとシャルキュトリー(ハム、ソーセージ、パテなど)は、鉄板の組み合わせ。それと、サラダにパンが加われば立派なディナーになります。この演出はとてもおすすめ。もちろんおいしいボルドーワインと共に!

次回は、ボルドーのDRESS世代、ご夫婦と姉妹という2組の醸造家のワイン愛とライフスタイルをご紹介します。

取材協力/ボルドー&ボルドー・シュペリユール醸造家組合、ボルドー・スウィートワイン連盟、在日フランス大使館貿易投資庁−ビジネスフランス

文/小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。

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世界有数のトラベルガイドブック『ロンリープラネット日本語版』の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。...

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