オトナの美旅スタイル #10 究極のホテルキューレーターに聞く、よいホテル、よい人生の選び方

オトナの美旅スタイル #10 究極のホテルキューレーターに聞く、よいホテル、よい人生の選び方

「ファッションでは冒険する人でも、ホテルは当たり障りないものを選ぶんです。これはもったいない。失敗に備えながらリスクを取ってみないと、人生もったいないと思いませんか?」Tablet Hotelsの創設者、ローラン・ヴェルヌさんのインタビューをお届けします。


旅するジャーナリスト・小野アムスデン道子です。ホテルはあるときは寛ぎ、あるときは解放、あるときは刺激といろいろなものを与えてくれる場だと思います。だからドキドキするほどのホテルに出会えるととてもうれしい。

Project DRESS内でも、世界中からユニークで素敵なホテルをピックアップして紹介しているTablet Hotels(タブレット・ホテルズ)。この厳選したホテルのみを取り扱う宿泊予約サイトを作った人は、どんな人かとても興味深々でインタビューに臨みました。

ローラン・ヴェルヌさんはパリ生まれ、ニューヨーク在住。Tablet Hotelsの創設者で代表取締役を務めています。よいホテルを自分でも検分するために今でも世界中を回りますが、特にイタリア、ブラジル、日本はお気に入りで1年に一度は訪れたいそう。そんなローランさんのTablet Hotelsを始めた理由は意外なものでした。

■NYで働くと決めてから、人生の新たな旅が始まった

「今は世界中を回っていますが、実は30歳まで海を見たことがありませんでした。フランス国内はそれまでも家族旅行をしたりしていましたが、あまり田舎に行ってなくて。最初はミシュランで新市場の開発から始まって、テレビ業界を中心に企業買収を手がけるようになり、毎日会議ばかり。これは世の中を知らないなと、1990年に20ヶ国を回ったのです。

そうした中でふつふつと、10代から憧れていた“ニューヨークで働きたい”という思いがまずあって、そこで何をできるか? と考えた先にあったのがインターネットのビジネス。インターネットそのもののビジネスのやり方をつかむために、ニューヨークにあるIT企業に入社。合間に何ヶ月か旅しました。この間の10〜15年は、バックパックでタンタンのように世界のあちこちを回りましたね」

――まずは“ニューヨークで働く”という思いからスタートしているというのがユニークですね。Tablet Hotelsを起こされたのは2000年からで、ローンチが2002年ですね。

「インドを旅していたら、5$のバンガローでも気持ちよく滞在できたところもあったし、少数派だけどオリジナリティがあって、独立した素晴らしいホテルを見つけることも。それらを評価しているのはミシュランくらいでしたね。だから自分で始めようと、WebデザイナーであるパートナーとTablet Hotelsを始めたわけです。ホームページが立ち上がって、評価が得られるようなりました。今では取り扱いホテルは約2000軒、日本語含め9ヶ国語に対応し、世界中に100万以上のユーザーがいます」

■データだけでよいホテルは選べない

――よいホテルの特徴は何でしょうか? また、日本のホテルについてはどう思われますか?

「ホテルは、場所や値段といったデータ化できる基準で選べるものではないですね。デザインやスピリット、センスと情熱が感じられるホテルを探し出してきています。そして、実際に宿泊したカスタマーの評価はとても重要。よいカスタマーはよいホテルを見抜けるのですから。Tablet Hotelsを利用された方にフィードバックシートをお渡ししていて、評価が一定基準を下回ると自動的に販売停止がかかります。

日本のホテルは型にはまったものが多い気がします。東京ひとつとってもデザインやファッションは個性的でイカしているのに。今でいうとブタペストやフランクフルトなどの都市ではユニークなホテルが毎週のように見つかるのに、日本ではオリジナリティあふれるホテルを見つけるのはなかなか難しいです。Tablet Hotelsにも多数、入っている“旅館”には結構、ユニークなところがありますね」

■いつも選ぶようなホテルとは違うホテルに泊まってみよう

――どうすればよいホテルと出会うことができるでしょうか?

「自分が『快適で居心地がいい』と感じるホテルとは違うホテルに泊まってみることでしょうか。快適を求めているだけでは、自分にとってダイナミックな刺激になるようなホテルとは出会えないんです。人はファッションやデザインは冒険してユニークなものを選ぶのに、ホテルは通り一辺倒なものを選んでしまいがち。これは人生も同じですね。失敗に備えながらリスクを取ってみないと」

――最後に、Tablet Hotelsにはアップグレードなど上客のようなサービスを受ける方法があるそうですね?

「Tablet Plusというメンバーシップ・プログラムですね。通常年会費9,900円を支払っていただければ、約1,300の対象ホテルで部屋のアップグレードを含む4つの特典、たとえば無料の朝食、プールやスパ施設の利用、レイトチェックアウトなどが楽しめるというものです」

インタビューは、Tablet Hotelsにも入っている、この日に宿泊したアマン東京で。とてもにこやかに話をしてくれたローランさん。テンプレート(型)にはまらないでというメッセ―ジが印象的でした。

Tablet Hotels
https://www.tablethotels.com/ja

text=小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。

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世界有数のトラベルガイドブック『ロンリープラネット日本語版』の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。...

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