アロマセラピーサロン「つむぎの樹」
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【起業女性インタビュー #1】助産師からアロマトリートメントオーナーへの道のり
大学病院で助産師として活躍した後、40歳でアロマトリートメントのサロンを起ち上げた西宮直美さん。病院内で患者さんのケアを行ううち、限られた時間内でのサービスには限界があり、さらに満足のいくサポートを提供したいと感じたそうです。西宮さんが安定した環境を飛び出し、起業した経緯についてお話を伺いました。今回は第1回です。
――最初のキャリアは看護師としてのスタートですよね。産科を選んだのはなぜですか?
西宮直美さん(以下、な):もともと助産師に憧れていたんです。母性看護というのは専門性が高い領域ですし、いいなって思う気持ちがありました。
一方で、実はお産に「怖い」というイメージもありました。でも、その後の喜びやツラい時期を一緒に乗り越えていくこと、患者さんをそばでサポートすることが、すごくやりがいを感じることだな、とも思ったんです。
――そんななか、なぜ助産師にキャリアチェンジしようと思ったのですか?
な:産科病棟で2年間働いて、出産に携わる仕事が自分に合っていると気づきました。また、ここでずっとやっていくのだったら、助産師の資格があればやれることがさらに増えるなとも思いましたね。3年目になるときに助産師学校に合格し、1年間勉強しました。
――助産師さんの仕事について教えてください。
陣痛や破水で入院された場合、お母さんと赤ちゃんの様子を観察しながら安全に安心して出産できるようそばでケアします。呼吸法を一緒にしたり、一晩中付き添って 腰をさすったり。お産後は身体の回復にあわせて育児など退院に向けた指導をしています。妊娠中に何かトラブルが起こって入院が必要になる方には別のケアが必要になりますが。
――助産師になって初めて感じたこと、わかったことはありますか?
な:リスクがあって長い間関わっていた入院患者さんが無事に出産して帰るときは、心から「良かったなぁ」と思いホッとします。一方で、ツラいこともありました。無事に生まれる命だけでなく、お産の中には死産や流産もあります。そういう方たちと関われる機会を持てたのは、自分の中でいろいろなことを考える機会になりました。「普通に生まれる」ことは本当に奇跡的なことなんだな、と心底思うんです。
――そうやって助産師として働くなか、起業を決意されたわけですが、病院を飛び出し、自分で事業をやろうと決めたきっかけは何でしたか?
な:看護師時代から産科で働いていて、嬉しかったことや感動したことは、数え切れないくらいあります。感動もたくさんありました。とはいえ、決められた業務を時間内にこなさなくてはならないので、理想通りにはいかないこともたくさんありました。時間的な制約だけではなく、たとえばアロマなど他にケアできる方法があるんじゃないかと思っても、病院の中では制限があって、もどかしさを感じることもあったんです。
(#2に続く)
東京出身。フリーライター。ワーク・ライフスタイル・恋愛・婚活を中心に執筆中。趣味は高校野球・アクリル画、銭湯。