1. DRESS [ドレス]トップ
  2. カルチャー/エンタメ
  3. 勝負の日に“最高の私”になる!【元宝塚スター真織由季さんインタビュー #3】

勝負の日に“最高の私”になる!【元宝塚スター真織由季さんインタビュー #3】

元・宝塚の男役スターとして活躍していた真織由季さんのインタビューを全4回に分けてお届けします。今回は第3回です。

勝負の日に“最高の私”になる!【元宝塚スター真織由季さんインタビュー #3】

43歳から本格的にストレスケアについて学ぶまでは「頑張りすぎ、比べすぎ、否定しすぎ、妄想しすぎ」で自信のない性格だったと振り返る真織さん。何でも“過ぎる”のは良くないと知ったものの、だからこそ気付けたことも多いそうです。

インタビュー #1
https://p-dress.jp/articles/1953
インタビュー #2
https://p-dress.jp/articles/1955

■失敗は次に活かせば問題なし

―― 私たちは、いつも誰かや何かと比べながら生きていますよね。

脳が疲れているとね、ついつい比べたくなってしまうんですよ。ストレスで識別作用が強まって、左脳が活性化されるからです。もちろん人生にはリラックスだけでなく、時に刺激も大事です。そしてスキンシップも大切なんですね。それは脳には言葉の通じない場所がたくさんあるからで、だから人や動物に触れるのはいいことなんです。

―― ストレスケアの技術を学んで、真織さんの悩みは減りましたか? 

もちろん今でも日々問題は起こります。むしろ宝塚時代より大きなものが押し寄せてきてますが(苦笑)、考え方や捉え方が違うので回復も早いんです。
何か問題が起きても、どっぷり中に入って悩むのではなく、ちょっと俯瞰してみる。「あらあら、今つらいのね」「そう、心が痛いんだ」って客観的に……私は常に失敗から学び、その失敗の中からも“良いこと探し”のできる名人になれました(笑)。

正直、現在も勢いがある時期というよりは、ゆっくり人生が動いている感じです。宝塚時代の私からしたら「まだシンドイこともあるのに、なぜ楽しそうにしてるの?」と不思議に思うでしょうね(笑)。たとえ失敗する場面があっても「次に生かせればいいじゃん。やってみて良かったよ」と素直に思えます。ずいぶん“たられば”の考えもしなくなりました。「あのまま宝塚に残ってトップスターになっていたら……」とも今となってはまったく思いません。ストレスケアを学んで「あのときは、あの病気になって、あの選択で、良かったんだ」と受け入れられる自分になれたのが何よりも嬉しいんですよ。

真織由季さん
1967年横浜生まれ。ストレスケア・カウンセラー。
ジェンヌ VBM宝塚受験クラス講師。日本アンチエイジング歯科学会理事etc
宝塚音楽学校を卒業後、新人公演では『ベルサイユのバラ』のオスカル役に抜擢される。
星組の男役スターになりながら、心身の不調によりトップスターを目前に退団。
その後も女優業を続けるかたわら、自身がストレスに苦しんだ経験から、ストレスケア教育のパイオニアBTUにて学び、併せて講師資格も取得。近著『勝負の日に“最高の私”になる30日のレッスン』(WAVE出版)の他に、『プラス』(ポプラ社)『心の疲れをス~ッと消す方法』(KADOKAWAメディアファクトリー)などがある。

■問題はなくならない。だから仲良く付き合う方法を身につける

―― ストレスをコントロールできるようになると、人生の景色が変わるんですね。

そうなんです。人間は生きてゆく中で、どんなにストレス解消や回避のコツやスキルを学んでも、問題がなくなるわけではありません。ですからBTUでは、問題(ストレス)と仲良くしつつイキイキとした毎日を送れるよう 脳をリラックスさせ、心と体の両方からアプローチしてゆくんです。皆さんの周りを見渡してみて、いつも元気そうで素敵に輝いている人っているじゃないですか。でも悩みがひとつもないからニコニコしてるのでも、決して何の問題を抱えていないわけでもなく、むしろお話を伺っていると「え!? そんな大変な経験をされていたんですか……」と絶句するような壮絶なエピソードを持っている方もいらっしゃいます。だけどその方たちは逆境や困難の中でも、イキイキとできる技術(すべ)を知ってらっしゃる。その違いです。

■挑戦しなければ失敗しない……でも、それって楽しい?

―― まだ夢を叶えている途中の方へアドバイスをお願いします。

人の脳って、実は夢を達成してからより“叶いつつある状態”の方が幸福感を感じるのだそうです。よく皆さん、何かを始める前に「効果はありますか?」「どれくらいで実感できますか?」とお聞きになりますが、そればかりはやってみないとわからない……何でもそうですよね。とにかく直感は裏切らない! 脳がリラックスすると、心と体がクリアになって、上手な選択もできるようになるんです。
失敗しない唯一の方法をご存じですか? それは「チャレンジしないこと」。
でも、それじゃつまらないですよね。ヘレンケラーの言葉に「人生は空虚かチャレンジか」とあるのですが、まさにその通りだと思います。
どんなふうに日々の出来事を受け止めるかで、脳にとっては栄養にもストレスにもなります。
奇跡は継続の中にしか生まれません。「頑張っていればいつか」でなく「続けていればいいことがある!」と信じることです。

Text=鈴木ユミコ(MC & Writer)

関連するキーワード

関連記事

Latest Article